15年ぶりのベースアップ、しかし全体では…?

3月18日(水)


彼岸の入りのきょう、大手自動車産業や電気業界の春闘の回答が出揃いました。

90年ごろのバブル崩壊以降、なんと15年ぶりにベア(ベースアップ=給与体系のベースとなる賃金表そのものの改定)が復活!組合からの要求額に対して満額回答の企業も!


ベア回答1

私もかつて組合の執行部まで経験しています。もしこんな回答が経営側から出されたらどんなに嬉しいことでしょう。まずは、自動車産業・電気産業をはじめとする大手企業にお勤めの方、おめでとうございます!


でも恩恵にあずかるのは全労働者のほんのひとにぎり

18日夜7時のNHK「ニュース7」では、冒頭に秋田での事故について一言触れた他は、スタートからおよそ8分間をこのニュースが占めていました。

大手自動車会社の組合員の喜びの表情、食堂での声、大手外食産業のある店長さんの喜びの声、そして安倍総理の自信に満ちた答弁…etc.

ベア回答2

たしかにバブル崩壊後15年ぶりにベースアップ回答が出たことは大きなニュースです。ある意味アベノミクス効果が出たともいえるでしょう。

しかし、円安による効果で輸出を中心とした大手企業には恩恵が現れましたが、日本全国の中小企業、派遣労働者、自営業者…etc. 労働者全体の中でみたら、この恩恵を受けられる人はどのぐらいの割合でしょうか?

ベア回答3

このニュースの終わりの方で「中小企業・非正規雇用の労働者にどこまで波及するのか」とほんのわずか触れられましたが、そこは今後に注目するしかありません。

大手自動車産業の傘下に置かれた下請けの中小・零細工場にとっては、
●原材料の仕入れ価格が上がっている
●それをすぐに商品価格(=買い取り価格)に転嫁できない実情
●生産効率を上げるためには機械のメンテナンスや設備投資にもお金がかかる
●電気代も上がっている

…「労働者へのベースアップどころではない」と、すでに他局のニュース等ではよく耳にします。


賃金は上がらない、しかしインフレ政策で物価は上がる…ちっとも豊かさを実感できないばかりか、むしろ生活は苦しくなっている、と実感する人の割合が多いはずです。

これぞまさに、アベノミクスの「強きを助け、弱きを切り捨てる」政策で、ますます格差を広げることがより鮮明に浮き彫りになるのではないでしょうか?



今年の国家予算は、このまま参議院の予算員会で可決すれば96兆円。
それに対し、これまでの大企業を中心とする企業の内部留保は300兆円、なんと国家予算の3倍以上です。さらに法人税減税などの優遇も受ける代わりに、安倍総理直々に「賃上げを前向きに考えるように」と指導されての15年ぶりのベースアップ。いわば当然といえば当然のこと。

ここで一部の大企業の正規の社員だけが「よかったよかった」「自分さえよければいい」のではなく、派遣労働者や下請けの中小企業で働く人たちにも配慮して、「弱きを助け、ともに生きる」を考えてこそ真のリーディング・カンパニーではないでしょうか?
さらにそれを積極的に推し進める「国民のための政治」が必要です。


社会・政策全体の中で

今年の年明け早々、公約だったはずの年収300万以下の所得層に対する保育料無料化が見送られました。これにかかる予算は240億円。
少子化が進む中、女性が輝いて働ける社会を目指すと言っておきながら、子育て支援の柱ともいえる大切なところが真っ先にカットされました。

また、すでに今月から介護報酬が大幅に切り下げられました
私が通う学校の授業でも、音楽療法に充てられる予算は真っ先に削られるとの不安、あるいは実習先の施設ですでに身をもって厳しい現実を突きつけられた切実な声も聞いています。

ますます高齢化社会を迎え、認知症対策をはじめ福祉にもっと予算を投入しなくてはならないはずなのに、なぜそこを真っ先に削るのでしょうか!?


消費増税で10%にする時期は先延ばしにしましたが、これまですでに3%から5%、5%から8%へと消費税は段階的に引き上げられてきています。
それら消費税で得た税収は「福祉目的以外には使わない」とこれまで何度も何度も繰り返し聞いてきましたが、いったいどうなっているのでしょうか?

赤字国債は膨らむ一方という中で、財政は決して余裕があるとは言えないことも分かりますが、それにしても、年金の引き下げ医療費の自己負担率アップ、インフレ政策による物価の上昇…庶民の生活はどんどん苦しくなる一方です。

その一方で、防衛費には過去最高の5兆円規模。また安倍政権になってからこれまで歴訪した30か国を超える海外への「支援」に6.5兆円です!
日本の国際的な位置づけ・役割をたしかなものにする部分もある程度は必要でしょうが、バランス感覚はどうなっているのでしょう?

国内の弱きものを助け支える福祉などは「財源がない」を理由にどんどん切り捨て、さらに消費税を上げなくてはいけないと繰り返し、赤字国債は解消せず、どこに税金ばらまいているのか…?
そして、次々に明るみに出る「政治とカネ」は…?


国会議員ひとり年間421万円の報酬アップ!?

大手企業のベースアップばかりが大々的に報じられる一方で、ほとんど大きく報じられることはありませんが、この5月から、なんと国会議員の報酬が大幅にアップするんですね!
議員ひとりあたり、年間で421万円のアップだそうです! 大企業のベアどころの規模ではありません!

いま大卒の初任給はいくらでしょう?
年収421万円稼ぐにはいったいどれほどの仕事をしなくてはいけないでしょう?


  <多すぎる日本の国会議員>

日本があらゆるお手本としているアメリカの場合、国の人口は3億人に対して、国会議員の数は525人(=上院が各州から2名×50州で100名、下院が425人)。
それに対し日本は、人口1億2千万人に対して衆参両議院合わせて725人。多すぎでしょう! 
前の選挙でようやく「ゼロ増5減」になりましたが、まだまだ国会議員は多すぎます。

そして議員報酬。アメリカでは「労働者の平均的賃金を上回ってはいけない」んだそうです。無料奉仕のボランティアでとは言わないまでも、人並みの労働賃金でやりなさい、ということです。
それに対して日本は、「特別公務員を含む公務員の最高賃金を下回ってはいけない」んだそうですね。発想がまったく逆でしょう。


  
<高すぎる日本の議員報酬>
議員報酬

「msehiさん」のサイト
より


日本の国会議員の議員報酬は、いまでも世界で類を見ないほど高いのです。基本的な議員報酬が2000万を超える他、政党助成金・諸手当・さまざまな特権なども含めると、ひとりあたり年間1億とも言われています。なんで政治家(議員)にこんな馬鹿げた特権が必要なんでしょうか?

あと、なにより議員の資質!
国会での質疑のレベル、居眠りしたりヤジを飛ばす議員の品格、中学生でも知っている地名や漢字もまともに読めないあまりに知識・教養に欠ける大臣たち。

企業からの違法な献金など、いくらでも出てくる「政治とカネ」、保身のための嘘とごまかし、「ああ言えばこう言う」式に自分に都合の悪いことは話をすり替え、人の言うことを聞かずに相手を攻撃し足を引っ張り合う…

およそ国民のための議論をしてくれてるようには見えません!
国民の代表である「国会」を冒とくしていると感じる場面もしばしば。

そんな国会中継を見ていると、同じ日本人であることが情けなくなり、腹が立ってきます。
せっかく私たちの国の将来のこと、社会の動向を知ろうと国会中継を観ていても、不愉快極まりなくなってチャンネルを変えたくなります。
国民の政治離れ、無関心をますます生み出しているのは、そんな政治家たち自身ではないでしょうか?



ひとつひとつのニュースを単独で見るのではなく、私がこれまでこの「★豊かさとは…?」のカテゴリ(この記事を含む)に綴ってきたようなことともあわせて縦断的に見てみると、今の日本の政治がどっちを向いているのか、何が本質なのか、色々と見えてこないでしょうか?

まじめで勤勉な日本人。心やさしく思いやりがあって賢明であるはずの日本人。
真面目に働き、家族を支え子育てをし、文化をはぐくむ多くの素晴らしい人々の努力が報われて生活が豊かになり、将来に向けて安心して平和に暮らせ、夢が語れ、子どもたちに何が正しいかをきちんと伝えられる日本へ!

今の政治は、そういう方向を向いていると言えるのでしょうか?

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自コメです

大きな企業を助け、より一層利益を生むように育成し、そのすそ野で働くひとたちにもいい思いをさせ、インフレ政策で動くお金の量を多くし、投機マネーを増やして株価を上げ、景気を上げ、それを担保に消費税などを増税する。そして利益を得た企業からの献金で政治家の懐もますます潤う…こんな循環を望むなら、安倍政権万歳!となります。

一方、もともと大きな規模で利益を上げている企業は自力で放っておいても競争の原理で利益追及はしていくはず。政府(公)はそのような大企業をさらに支援する必要はなく、むしろ弱い立場を守り、平和で平等な世の中になるような政策を充実させるべきだ、という論理でいけば、安倍政権の方向はことごとく「NO」となります。

どちらの考え方もありかと思いますが、私は今の日本にとってどちらが重要かという観点でとらえたいと思います。



私が社会に出て間もなく取り組んだ「まちづくり」の理念、音楽を通じて出会った「せめて自分にできることを」という視点、障がいのあるひととも「ともに生きる」社会へ…そんなキイワードを大切にしたいと思うようになりました。

戦後の日本は、経済的・物質的な豊かさを追求し、企業も個人も競争の原理の中で、いかに自分が努力して成功するかにすべてがかけられ、奔走してきました。よって、人を蹴落としてでも自分が優位に立とう、お金を持っているということは成功者なんだ、偉いんだ、お金さえあれば何をやってもいいんだ、人のことは知らん、自分さえよければいい…そんな姿に行き着くところまで行きついてしまったのではないでしょうか?

そんな今の日本にとって、何が大切なのか、と。

まったくです!

こんなにわかりやすく教えてくださってありがとうございます。
ひとりで年間4百万以上アップだなんて知らなかったです。
恥ずかしながら全員でかと思っていました^^;
(私ってとても数字に弱くて1000円過ぎたら4千円でも4万円でも40万円でもみんな「4がついて高かった」になってしまうのです。。。汗)

なんてこった。。。ひどい。
「あれ、今ローマ時代かな?」って思いました。。。
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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