いろんな見え方

1月28日(水)


新年明けたと思ったら、あっという間に1月も終わりですね。
世界ではさまざまな心を痛める事件が起きていますが、どんな物事に対しても色んな見方があると思います。

ところで皆さん、心理学の「反転図形」というのをご存知でしょうか?
「だまし絵」と呼ぶ方もいらっしゃいますが、違う見え方をする絵を見て、一つの像を捉えている瞬間はその形にしか見えず、同時に違う見え方はできない、という実験です。

もっとも有名なのが「ルビンの杯」でしょう。

ルビンの杯


中央の黒い部分を見ると、真ん中がくびれた杯に見えます。ところが白い部分を見ると二人の横顔が向かい合っています。

この絵は有名ですから、どちらにも見えやすいと思いますが、「杯」だと思って見ているときは白い部分は「背景」となり、横顔には見えません。
ところが「横顔」だと思って見ているときは黒い部分が「背景」となり杯には見えません。両方の見方を素早く切り替えることはできるでしょうが、同時に2つは見えていないのです。

では、こちらの絵はいかがでしょうか?

seminar_picture_01.gif

女性を描いた絵であることはお分かりでしょう。ではその女性の年齢は?どんな女性?

「10~20代の可憐な若い女性」という答えと、「70代の魔女のような老婆」という答えに真っ二つに分かれます。
この2つの違う答えをした人同士、「なんで、そんな風に見えるの?」と言い争ってもしかたないのです。同じ部分をどう見るかが全く違うのですから。

♪ 「可憐な若い女性」と見た人は…
振り返った少女
向こうを振り返った少女のまつ毛が見えていて、首には黒いネックレスをしている…と見るでしょう。



♪ 「魔女のような老婆」と見た人は…
老婆
コートにうずくまった大きな顔、三日月のように鋭くとがった顎、うつろな瞳…と見るでしょう。

描かれている線、黒く塗られている面は全く同じですが、どの部分をどう見るかによって、全く違った見え方になります。

どんなに線を強調しても、部分を付け足しても、例えば「少女」と見た人が耳の部分にイアリングをぶら下げて描き足しても、「老婆」と見た人には涙のしずくのように見えてしまうなど、いったんそういう見え方をすると細かい部分までますます「それらしく」見えてしまいます。

人は、視覚から入ってきた情報を客観的に処理して判断していると思いますが、何らかの潜在意識をもって見ているということです。
同じ図形でもいったんそういう見え方をしてしまうと、よほど発想の転換をして違う見方をしてみようと思わない限り、なかなか別の見方が理解できない、ということですね。


<エッシャーの世界>

先ほどの「ルビンの杯」のように、同じ空間に表と裏がきっちりとはめ込まれた「反転図形」は、オランダのエッシャーという版画家の作品に数多く見られます。永久に流れ続ける水路や、いくら登っても元の高さに戻ってくる階段など「見え方の不思議」を数多く描いていますが、その中から「変転図形」のほんの一例を。

♪ 「天使と悪魔」
黒い部分を見るとコウモリのような姿をした悪魔、白い部分を見ると天使
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♪ 「馬」
右向きの馬の列と、左向きの馬の列
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その時によって

最初に見た時は老女に見えましたが、今また見たら
若い女に見えました。
何も予想したわけではないのに、です。
ルビンの杯は私が昨日書いた「祝婚歌」の記事の出典である
臨済宗の冊子1月号に出ているので、びっくりしました。
そのページをDMでお送りしますね。

Re: その時によって

サイコさん

コメントありがとうございます。
仏教(臨済宗)の本にも「ルビンの杯」が登場するんですね。どんなお話なのか興味あります。

この話、客観的に見ているつもりでも、思い込みでそう見えてしまう、という例にも使われますが、
一方の見え方をしているときには別の見え方は同時にはできない、という例にもなります。

シルエットで描かれた風力計がどっち周りをしているか?というのも同じですね。
見えているのは、左右に物体が行き来しているだけですが、左→右、あるいは右→左、どちらが「手前」にあると認識するかによって回転は逆になります。
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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