「この道しかない!」の裏を読む

12月11日(木)


特定秘密保護法案がスタートした12月10日、もうひとつの新たなスタートが沖縄でありました。

民意を受けて先日当選した扇長雄志沖縄県知事(前・那覇市長)が正式に就任しました!

県庁に初登庁して記者会見した翁長氏は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題について、「安全保障は国民全体で考えてもらいたい。美しい海を埋め立てて辺野古の基地を造るのはやめてもらいたい」と述べ、改めて反対を訴えました。


沖縄の新しい道

沖縄の問題は日本全体の問題であり、日米の問題でもあり、移設反対の道は厳しいと思います。
1県の知事が変わったからと言って、沖縄の基地そのものの必要性がある以上、移設計画などはどうしようもなく、感情論だけで反対してもしょうがない、という冷ややかな見方もあったようです。

しかし、きょうの「報道ステーション」(テレビ朝日)で、恵庭解説委員がとても重要なポイントを指摘してくれました。

アメリカの国防省レベルでも、沖縄は中国の弾道ミサイルの射程距離に入ってしまうため、これまでどおり沖縄に基地を集中させておくことは必ずしも得策ではなく、むしろ基地は分散化という考えもあり得る、と示唆したというのです。

これは戦後の日米安全保障の根幹、沖縄の宿命を大きく転換させる重大な動きだと私は見ます。

いや、日米安保以前にもっとさかのぼれば、幕末にペリーがやってきて日本に開国をせまった当時から、アメリカが日本に期待すること、すなわちアメリカにとって日本は「極東・アジアの拠点」であり、アメリカに対して補給などをおこなう、アメリカのよき協力者であることを求めてきたのです。
幕末に井伊直助が調印した日米通商条約の主要要件にもこのようなことが入っていたはずで、これは今日の沖縄の基地とも根本的には似た内容だと思いませんか?

戦後の米ソの冷戦時代、さらに最近では中国との関係において、アメリカとしては日本を安全保障で守る代わりに、日本にアメリカの軍事拠点(米軍基地)を置かせてくれ、ということです。

それが中国の軍事事情など世界情勢が変わってきた中で、必ずしも沖縄に米軍基地を集中させておくことはむしろ得策ではない、という判断が出てきたということです。
これは沖縄だけでなく、日本全体にとって、また日米両国の関係においても新たな節目ともなりえる兆しではないでしょうか?
そして、これまでの日本政府の沖縄に対する考え方を大きく変えるチャンスでもあると思うのです。



そんな中、仲井間前知事は、残る任期わずか4日という土壇場に来て、埋め立てに関する承認事項を2つも駆け込み承認させました。これに対する沖縄県民の怒りはいかばかりでしょう。

仲井間氏は、自民党と会談した際に「これまでになく国は沖縄の将来に配慮していただけたので同意した」と会見で語っていましたが、いったい自民党とどんな密約を交わしたのでしょうか?
折しも、石原環境大臣の「最後はカネ目でしょ」発言があってから間もないころです。自民党との密約を最後に果たした、いや自民党から「いまのうちにやれ」と何らかの指示を受けて動いた?…何かを感じるのは私だけでしょうか?

この沖縄の例に見るように、「この道しかない」ではないということです。
時の流れ、世界情勢、国際間の考え方によっては、新たな展開・違う道も考えられるということです。
そして「この道しかない」と強引にことを推し進める背景には、たいてカネの絡むなんらかの利害関係が介在していることが否定できないということです。この図式をあてはめてもうひとつ…



◆「原発しかない」は本当?

原発の再稼働に対しては、多くの国民が反対しています。でも中には、「安くて安定した電力供給には原発しかない」という考えを持つかたもいらっしゃいます。

でも本当にそうでしょうか?

たしかに原発反対者が口にするように「ここ1年以上、原発を一基も動かさなくても電力はまかなえてきた」ということだけで原発反対を訴えても説得力に欠けます。
なぜなら、原発を一基も稼働させないで電力をまかなえたのは、石油燃料を燃やして得られる火力発電に頼っているからであり、石油燃料にいつまでも頼りつづけることはできないからです。

でも、なぜそれがイコール「原発しかない」になるのでしょうか?

日本は火山・地震列島です。いざ何かあった場合の原発の安全はどうなのでしょうか?
福井の大飯原発の再稼働に関して、福井地裁は「名文」ともいえる判決文で「再稼働は認めるべきではない」と結論づけました。
活火山がひとつもない福井県でも「NO」とされた原発が、どうして火の国・鹿児島の川内で「安全」と言いきれるのでしょうか? 国も県議会も県知事も、そろって「原発再稼働以外に道はない」と言い切るのでしょうか?

一般家庭の屋根にもソーラーパネルを設置する太陽光発電は、設備投資にまだコストがかかります。その負担軽減のために、余剰電力の引き受け(買い取り)制度があります。
ところが、九州ブロックだけが、全国の他のブロックに比べてその引受枠が狭い(一般家庭に対しても厳しい)のです。なぜでしょうか?
そして、表向きは自粛しているはずの、電力会社各社から自民党への企業献金。

「原発を動かさない=脱原発」を大前提に、太陽光、風力、水力、地熱発電…あらゆる知恵を絞って電力政策をすすめるのか、逆に他の道を握りつぶしてでも「原発しかない」にもっていくのか…?

このあたりは、以前書いた記事に詳しく書いてますのでご参照ください。

→ 私の社会的話題のスタンス の後半
→ 原発再稼働と民意


◆「この道しかない」の裏を見抜く目を!

「この道しかない」という言い回しは、何かを強引に進める上では切羽つまった説得力のある言葉に聞こえます。
しかし「本当にそうなのだろうか?」と冷静に考え、他にも道はあるはずでは…と考える時、必ず他にも道はあるはずだと気づくはずです。
そこには多くの場合カネの絡むなんらかの利害関係がある、ということが多いのです。

そこを見抜くのは、心ある人の民意しかないでしょう。

沖縄問題しかり、原発問題しかり、閣僚の問題発言(「最後はカネ目でしょ」など)しかり…
ここ半年~1年のうちにあった出来事、点と点を結び付けてみると「あれ?おかしいぞ」と思えるヒントはたくさんあるように思うのです。たとえマスコミ報道が偏っていても、それに気づけるはずですし、さまざまな情報を、前後のいきさつも含めて結び付けて考えれば、ウソやごまかしはすぐに見抜けるはずです。

自分に直接関係ないことには無関心で、前のことはすぐに忘れてしまうのは国民性でしょうか?
 

「日本人は忘年会をやりすぎるんだ。だからなんでもすぐに忘れちゃうんだよ」(笑)
私が中学時代からお世話になっている二子玉川の鉄道模型屋さんのおやじさんの言葉です。

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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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