「不審者」への対応

9月25日(木)

福岡のコンサートから戻って早々、真っ先に耳にしたニュースは行方不明となっていた神戸の少女が殺害されてバラバラにされた遺体が発見されたという悲しいニュースだった。

いったい犯人は何の目的で、なぜこんなことを…??
おかしな事件ばかりが多くて本当に悲しくなります。

逮捕されたK容疑者は47歳の無職で、ふだんから常に缶ビールや缶チューハイなどを飲んでいて、店ではふつうのおとなしい(真面目な)印象だが、上半身裸でうろついたり奇声を発するなど異常な行動が近所の人の間では有名だったようだ。
逮捕後ずっと黙秘を続けているようだが、弁護士を呼ぶよう要求するなど「責任能力」は問えるとの判断。ぜひとも動機を明らかにして厳罰に処していただきたいものだ。 


 
「不審な人を見かけたら110番」など不審者の通報を警察は呼びかける。
だが今回のケースでは、K容疑者がふだんから酒を飲んで奇行を繰り返しているのを近所の人はよく見て知っているのである。はたして「よそ者=stranger」、「不審者」と言えるだろうか?

仮に酒を飲んでうろついたり奇声を発しているのを近所の人が警察に通報したとしても、それだけでは警察としてもどこまで(法的に)対応できただろうか? ましてそれが珍しいことでなく日常的にあったことであればなおさら。

不審な行動=奇行の目撃情報が寄せられても、それだけではまだ凶悪事件とは言えないような場合、どう対応したらよいのだろうか?

数年前に長崎のプールで散弾銃を乱射して市民を殺害して自殺した男がいたが、あの犯人も深夜に猟銃をむき出しのまま歩いたり人の家のドアをたたくなどの奇行を近所の人が目撃して警察に通報しているのに、警察はとくに対応していなかった。
あの事件の後、銃刀法改正も議論されたが、現行の銃刀法でも銃をむき出しのまま深夜に持ち歩く行為そのものが違法なのである。 なぜ警察はその段階で何の対応もしなかったのだろうか?

重大事件が起こる前(=単に「不審者」の段階)に対応できることには法的に限界はあるにせよ、要注意人物としてマークし、重大事件を未然に防ぐために最大限の努力をすべきだと思うが、そのあたりはどうなのだろうか…?



今回の警察の初動体制はどうだったのか?

近くのコンビニの防犯カメラに少女の後を少し遅れてついて歩くK容疑者の姿が映っていて、それを見た警察がK容疑者の住むアパートまで行ってK容疑者と接触し任意で事情聴取もしているのである。それが連休明けの16日。
ただ捜査令状がないため隅々までは捜査できず、K容疑者の「少女のことはニュースで知った。行方不明になった日のことは酒を飲んでいて覚えていない」との返答だけ聞いてそのまま引き返しているのだ。
この16日の時点で少女はすでに殺害されてしまっていたのかどうかは分からないが、遺体発見より1週間以上前である。

捜査令状は警察が裁判所に申請して発行してもらうものだが、16日と言えば連休明けの平日であり、行方不明の少女の生死にかかわる重大事件、すぐに請求していれば半日ぐらいで礼状だって発行されたのではないだろうか?
行方不明の少女の後をついて歩く様子が防犯カメラに写っていて、ふだんから奇行をくりかえしていた「不審者」への対応がその程度でよいのだろうか?

また、神戸市内は空き家が多いのでそこを重点的に捜査していたと警察は言うが、K容疑者の住むアパートのすぐ近くに雑木林はあり、その雑木林の近くにも空き家はあるという。雑木林にはネコがいたり昆虫も多く子どもたちには絶好の「探検地」だが近くには空家も多くて死角も多いので親たちはその雑木林で遊ばないよう子供には注意していたそうである。

そんな近所の声を聞くと、なぜ警察はあれだけの人数を投入して捜査態勢を組んでいながら、空き家だけを見て近くの雑木林をまったく見なかったのか?、K容疑者に近づきながら捜査令状がないからそれ以上できないと引き返してきたのか?…不思議でならない。


もし大切な愛児が10日以上行方不明になって、このような警察の対応に納得できるだろうか?
雑木林がどういう場所か、K容疑者の素性など、近所の人たちの多くが知っている情報を地元の警察は共有していないのか?

いまの科学警察の技術の進歩はめざましく、もの言わぬ遺体や小さな物証からもさまざまな事実が分析できる。しかし肝心の警察の捜査は「人」が判断して指揮する。
「一応これはやりました」「これはできません」といういかにも役所的な対応、歯がゆくてしかたない。
 
容疑者を逮捕してから家宅捜査に入り、今後いろいろと詳しいことも分かってくるだろうが、事が起きてしまってから分かってもどうしようもないことばかり。
ストーカー殺人と同じく、凶悪犯算が起きる前に防ぐ努力に、もっとトータルで親身な対応が求められるところだろう。

憎むべきは少女を殺害した加害者であり、このK容疑者のようなどうしようもない人間がおかしな犯罪を犯す事件があちこちで起きることが問題で、警察の対応だけを責めるつもりはないが…

やはりここでも「技術」や「モノ」ではなく、職務に向き合う「人」としての資質が問われているように思えてならない。


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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

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