「クローズアップ現代」へ政府側から抗議?

7月12日(土)

きのう(11日・金曜)発売のFRIDAYに、7月3日夜7時半から生放送されたNHK総合TV「クローズアップ現代」をめぐる問題が取り上げられました。

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組織への圧力というものは、ふつうはあまり露骨に見える形では出てこないことが多いものだと思います。無言の力といいますか、とくに上から「禁止」されたり「命令」されているわけではないのに、みなが空気を読み、大勢に流され、言われたことだけをやり、触れない、見て見ぬふりをする…ということがほとんどではないでしょうか?

でも、これは「力」がその正体を現したことを伝えるスクープです!
菅官房長側は、このFRIDAYの記事を批判し、「事実と異なる、ひどい記事だ」と言っていますが、講談社に抗議するかどうかはまだ明らかにしていません。

もし事実と異なるのなら、どこがどう異なるのか、電話ではなんとおっしゃったのか、NHKに電話した事実もないのか…明確にすべきだと思います。

◆放送内容は、いまのところ有効なこちらのYouTubeをご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=6vQS6FXx5wI


平日の夜22時~放送しているテレビ東京の「報道ステーション」では、政府与党の政策に反対する国民の声、疑問などをもっと鋭く表現しています。
それに比べたら、この「クローズアップ現代」は、菅官房長官本人をスタジオに招き、国民が不安に思っている疑問を代弁してきわめて率直に質問しただけです。

なぜこれで抗議を受けなくてはならないのか?
また抗議を受けて、なぜ公共放送たるNHKでありながら会長も上層部も毅然とした態度でいられないのか?なぜ謝ったり「犯人捜し」をするのか…?
FRIDAYの記事の結びにもあるとおり、これがもし事実だとしたら公共放送の危機ともいうべきゆゆしき事態です。


基本的な認識(確認)

「NHKは『国営』放送で、政府寄りの報道ばかりしているのはけしからん」という論法の方が時々いらっしゃいますが、それは誤りです。
仮にもしNHKが「国営」だったら、政府寄りの見解しか出てこないのは当然ですし、逆にそれならそれで問題ないのです。

NHKは、国の税金にも企業スポンサーにも頼らない「公共放送」なのです。だから政府(国)に対しても企業に対しても、何ら制約を受けることなく国民にとって必要な「真実」を伝えることができる立場のはずなんです。
受信料の徴収に対しては長年いろいろ言われながらも、「公共」という中立な立場を守ってきたのです。 それが、ここへきて政府からの「圧力」をかけられている、ということがそもそもの問題なのです! そこをどうかお間違えなく!


最近のNHKの報道傾向に思う

これは業務上知りえたことでも、守秘義務のあることの暴露でもありません。
あくまで1視聴者として、また親子二代にわたって公共放送にかかわってきた者として、最近のNHKに対して痛切に感じることです。

昨年、原発反対のデモが毎週金曜日に首相官邸前に集まりました。また特定秘密保護法案に対する反対デモも、今回の集団的自衛権に反対するデモも、勤め帰りのサラリーマンや主婦や若者など、ごく一般の市民も政府の方針に反対の意思を表してきました。
これだけ国民にも関心が高まり、何万人もがデモに参加している現象は社会的にも大きな出来事であるというのに、NHKのニュースではほとんど取り上げられませんでした。

つい先だって新宿駅南口で集団的自衛権に反対する50代の男性が焼身自殺を図るというショッキングな事件がありましたが、それに対してもNHKは不思議なほど報じませんでした。
自殺をあまりセンセーショナルに伝えてはいけない、という国際的なガイドラインもあることは確かですが、ネット上で大きな話題となり、その画面が大きく出ているにもかかわらず出演者の誰もその話題に触れない不思議さ。報道規制している事実はNHK側も認めていますが「政治的色彩が強いから」がその理由。

政治的な色彩の強い話題は取り上げてはいけない…?初めて聞きました!
安保闘争や東大紛争、三島由紀夫事件(割腹自殺)を報じてきたNHKは間違っていたんでしょうか…?

7月1日に集団的自衛権がいよいよ閣議決定される当日の午後(夕方)、テレ朝の「スーパーJチャンネル」では首相官邸前に集まる反対デモの様子を映し出し、海外からの取材陣もカメラを回している様子をとらえて報じていました。歴史に大きく残る重要なポイントだったからです。
ところがNHKは同じ時刻、いつもどおりの「ゆうどきネット」でナキウサギの話題をやっていました。

140701_1735~02  
テレビ朝日「スーパーJチャンネル」

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NHK総合

最近のNHK報道を見ていて感じることですが、政府が閣議を開いた、首相が会見した…といった出来事だけを淡々と伝えるだけで、他局のような「それがどういう意味をもつのか?」「これを認めてしまって本当にいいのか?」といった国民に呼びかけるメッセージも、為政者に対する疑問や批判の声もほとんど出てきません。

消費税の増税にしても、街頭のインタビューでは「厳しいですね、でも福祉のために必要ならしかたないですね」といったきわめて大人しい(政府に理解ある)発言が多いように思います。あとはレジや値札の準備に追われる光景のみ。
そもそも法人税を下げて一般国民への消費税だけは上げることへの疑問も、ぜいたく品も日常品も区別なく一律にかかる逆進性(弱者に大きな負担となる)を見直さないことへの疑問もほとんど出てきません。
政府与党の方針に対する批判や疑問の声は、まずほとんど出ないと言っていいでしょう。

一方、日銀の発表する景気回復の兆しや、つい先ごろは一連の企業での株主総会で役員の報酬が軒並みアップしたなど、アベノミクス効果を強調するかのような、一般庶民の感覚とはまるで別世界の景気のいい話題ばかりが前面に打ち出されているように感じます。

また東京都議会のセクハラ野次問題にしても、兵庫県の号泣記者会見にしても、必ずしも面白おかしく大々的にスクープ的に取り上げる必要はないし、民放各社・新聞各紙・さまざまな週刊誌などとNHKとは必ずしも同じである必要はありません。でも、世間一般でかなり大きな話題となっている政治や議会に関する話題がNHKではあまり報じられないことがけっこうあります。

「公共放送」として「偏りのない報道」をする使命があるなら、政府の見解だけをただ淡々と伝えるだけでなく、今の政権や政治家・議員に反対する批判的な声、国民の視点にたった疑問の声などももっと出してこそ「公平」と言えるのではないでしょうか?
勤め帰りのサラリーマンや主婦らが何万人も首相官邸を取り囲むという事態は、社会的に見ても大きな出来事だと思うのですがなぜニュースで取り上げられないのか、本当に不思議です。政府にとって都合の悪い情報はスルーされているように思えてなりません。

「政府が『右』というものを『左』というわけにはいかない」などと会長が堂々と発言するようでは、政府の広報のような、政府寄りの都合のいい話題しか出てこなくなるのも無理はないでしょう。これでは公共放送としての使命を果たせるはずがありません。

そうした中、今回話題の「クローズアップ現代」で国谷キャスターが官房長官に直接食い下がって質問したことは、まさに国民にとって必要なことを伝えるジャーナリズム精神が生きている証しとして貴重なものだったと思います。

視聴者の目が理性をもって、おかしな政府・おかしな組織体制を改める方向に動いてくれることを願ってやみません。


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クロ現に関する補足

菅官房長の答える時間は充分あったように思いますし、国谷キャスターが菅氏のいうことをまったく理解していないようには感じません。
番組の最後に、すでにエンディングテーマが薄く流れ始めているところで再度「本当に不安は払拭されるんでしょうか?」という質問をして、それに菅氏が応えている途中で時間切れとなりましたが、放送事故と言えるようなものでしょうか?

何より「日本人の命が危険にさらされていることが明白な状況」とか「必要最小限の武力行使」の範囲がどうなのか、具体的な答えがないのです。だからいくら菅官房長官が「歯止めはかかってます、大丈夫です」と言っても話は平行線なのです。そこを国谷キャスターは残り少ない時間の中であらためて尋ねたのだと思います。

一方、菅官房長官は「歯止めは充分かかっている」と強調しますが、安倍首相は外遊先のオーストラリアで「日本は戦後大きな政策変更に踏み切った。これからは新しい特別な関係国として協力できることはしていく」と自信たっぷり演説しているのです。

具体的に集団的自衛権と明言こそしていませんが、何の話題を出しているのかはすぐに分かります。
閣議決定からわずか1週間後の7日、まだ日本の国会ですら閣議決定の内容をきちんと「説明」もしていないうちに、海外では自信たっぷりこのような演説をしているのです。

国内に対しては「平和憲法そのものはなんら変わらない、日本人の命が危険にさらされている場合の防衛にすぎない」と言っておきながら、外国に対しては大風呂敷を広げる。
まさに、福島原発を「すべてはコントロール下にある」と豪語してオリンピック誘致の演説をしたのと同じく、国内向けと海外向けで違うことを平気で言うのが安倍首相の得意技のひとつなのです。

プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

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