分かりかけ「ズージャな音」シリーズ

1月29日(木)

漫画の世界に「くさりかけシリーズ」というのがありましたが、こちらは昨年の夏前にも書いた「ズージャな音」に関して、ようやくちょっと分かりかけたことをつづるシリーズです。
年末に讃美歌をベースにした「リハーモナイズ」についても書いているので、たしかこれでシリーズ5番目ぐらいでしょうか…?


メロディック・マイナー・スケール(=旋律的短音階)

ハ短調の短音階(自然的短音階)は「ドレミ♭ファソラ♭シ♭」。ハ短調のもっとも基本となる和音は「ドミ♭ソ」という短3和音、コード名でいえば「Cm」ですね。

ところが、ここに「ド」から完全5度上にある「ソ」をベースとする「ソシレ」という明るい長3和音を乗っけると、なかなかいい感じのズージャな響きになりました。

<図1>
Cメロディックマイナー1a 


ハ短調の音階の下半分は「ドレミ♭ファソ」という暗い響きですが、その上に「ソラシド(レ)」という明るい響きを乗っけるといい響きになります。
「ラ」と「シ」には本来♭が付くはずですが、そこを半音上げたのが「メロディックマイナースケール」、直訳すると「旋律的短音階」

ここまでは昨年の夏前に詳しく書いたことのおさらいです。
→ 「ズージャな音(1)メロディックマイナースケール」


■「ミ♭ソシレ」というちょっと味な響き

「ミ♭」はハ短調を決定づける重要な音です。もしこの「ミ」に♭がつかなかったら長調になってしまいます。
「Cm」(ハ短調)を決定づける重要な「ミ♭」の音をベースに、先ほどの明るい「ソシレ」を乗っけた「ミ♭ソシレ」というのが、ズージャな響きを醸し出してくれる重要な出汁のような不思議な音。これがミソだったんですね!

ではその「ミ♭ソシレ」という響き(和音)はどういう音なのかをあらためて見てみると…

<図2>
Cメロディックマイナー1b

「ミ♭~シ」間の5度は、「ド~ソ」のような完全5度ではなくもう半音広い「増5度」です。
つまり「ミ♭ソシ」という増3和音の上に7thがついた「E♭ aug△7(オーギュメント・メジャーセブン)」です。

「C」のメロディックマイナースケール(=ハ短調の旋律的短音階)の骨格ともなっている重要な音ばかりですから、これが「Cm」のコードによくマッチするのは当然です。 でも、「Cm」だけでなく他のコードにもこれまた良くマッチするのです。

ためしに下に記したように「F7」「G7」「B7」さらに「Adim」といったコードを左手で響かせた上に、右手で「ミ♭ソシレ」を乗っけてみてください。

<図3>
Cメロディックマイナー訂正a

どれもいい感じのズージャな響きになります。
でも、同じ「ミ♭ソシレ」という音なのに、合わせるコードによってちょっとずつ違った顔を見せて響いているように感じます。


同じスケールが見せる色んな顔

「ドレミ♭ファソラシ」というCmのメロディックマイナースケールも、どの音からスタートするかによって色彩感が変わります。
音階の隣同士の音は全音だったり半音だったりするので、構成している7つの音は同じでも、何の音からスタートして並べるかによって階段の形が変わり、違った色彩感に感じるのです。

それは、以前書いた「6つの教会旋法」にも書いたように、7つの白鍵でも「ド」から始めればイオニアン(今日の長音階)、「レ」から始めればドリアン、「ミ」から始めればフリギアン、「ファ」から始めればリディアン…とった具合に、モード(響きとしてのイメージ)が変わったのと同じです。 →「6つの教会旋法」

先ほどの「ドレミ♭ファソラシ」というCメロディックマイナースケールも、
●「F7」の響きの上で奏でられれば「Fリディアン♭7」
●「G7」の響きの上で奏でられれば「Gミクソリディアン♭6」
●「Adim」の響きの上で奏でられれば「Aロクリアン#2」に…

…といった具合に、それぞれ違った表情に聞こえるのです。
使っている音は同じ、いわば野球のチームメンバーは同じでも、打順によって戦力が変わるようなものと考えたら良いでしょう。

ひとつのメロディックマイナースケールの音並びをよく覚えておけば、それはいろんなコードの場面で応用して使える、ということです。


ある基本コードの上に、ズージャなスケールを乗せるには?

さて、実際にコードを見て即興で演奏する際に、どんなスケールを右手で乗せたらいいか?
ここで発想の逆転が必要になります。
「スケールに合うコード」ではなく「コードに合うスケール」を探せなくてはいけません。

ここまで見てきたように、あるスケールがどういう音で構成されていて、そのスケールは何のコードにマッチするか?
そのコードとそのスケールがマッチするのはなぜか?、スケールの各音はそのコードの中では何番目のどういう役割の音なのか…?

こうした理論はとても重要だと思うのですが、そこをいくら学んで頭で覚えても、実際にアドリブでズージャな音を弾けるようにはなりません。

実践が伴っている人(=ある程度すでにジャズっぽい音色を探して弾ける人)にとっては、「なるほど!」と目からうろこ、明快な裏付けを得られる理論なのでしょうが、いかんせん素人にとっては「はぁ、なるほど~」とかろうじて理解できても、コードを見て即興で弾けるようにはなりません。かえって考え過ぎて混乱して、手も足も出なくなるのがオチでしょう。



即興演奏する場合、やさしいメロディラインに合った基本的なコードを探して伴奏できることがまず第一段階です。

そして基本的なコード進行のほかに違うコードを当ててみたり(=リハーモナイズ)、そのコードにうまくマッチするアドリブを右手で遊ばせることができたらいいですね。

それには、あるコードのベースとなる音から何の音を狙い目として探し出し、そこにどういうスケールを当てはめて弾いたらいいのか、が知りたいのです。
つまり先ほど見てきたように、あるスケールを覚えて、そのスケールはどのコードとマッチできるか、という発想とは全く正反対の、いわば「逆引きガイド」がほしいのです。

「ミ♭ソシレ」というあの「E♭augメジャー 7」という響きをつかむあの形を右手に覚えこませてしまうことが近道だ、とジャズの先生は言われます。ならば、さまざまなコードに対して、何を基準にどの「augメジャー7」を探し当てたら良いのでしょうか?



私も、これまで何が分からないのか、どう尋ねたら良いのかさえ分からなかったことがようやく見え、ついにそこを先生に尋ねることができました!

「〇7、〇マイナー、〇メジャー7、〇ディミニッシュ…」といったコードの種類ごとに、キイとなる狙い目の音をどうやって求めたらよいのかを教えていただくことができました!
記憶が薄れないうちにここに整理してみます。やはり分かりやすく「C」をベース音にしてとらえてみます。


●「Cm」…まさにハ短調のメロディックマイナーですから、これまで何度も書いてきたとおり「ミ♭ソシレ」。主音から短3度上にある「ミ♭」をベースとする「E♭aug△7」です。

オーギュメントの位置1 


●「C7」…明るい「ドミソシ♭」というもっともシンプルなドミナント7のコードには…

オーギュメントの位置2
主音から長3度上にある「ミ」をベースとする「Eaug△7」。または7度上にある「シ♭」をベースとする「B♭aug△7」。



●「C△7」…「ドミソシ」というメジャーセブンに対しては、主音から完全5度上にある「ソ」から「Gaug△7」
オーギュメントの位置3 



●「Cdim(ディミニッシュ)」…「ドミ♭ソ♭」という減3和音のディミニッシュのコードの場合には、主音から♭5(=減5度)上にある「ソ♭」をベースとする「G♭aug△7」
オーギュメントの位置4



この法則は、ベース音がなんの音であっても同じです。
セブン、メジャーセブン、マイナーセブン、ディミニッシュ、上にあげた4種類のコード(タイプ別)に、それぞれ何番目の音をベースに狙うかがわかり、その音から「aug△7」を右手でつかむことに慣れてくれば、ちょっとした場面でズージャな響きが出せるようになる、はずですね!


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メロディックマイナースケールについてわかりやすくまとめてありますね!お時間のない中しっかりまとめてブログにされている事が、本当に凄いなあと思います。
早速復習に!シェア×2〜♪

そうなんですよ。
コードに対してどんな音を持ってきたらいいのかわかりづらい。。。まさしくJAZZ初心者です。
でもコレをマスターすればそれだけでも素敵なアドリブができそうですね!
もちろんもっともっと奥は深いのでしょうがσ(^_^;)
焦らず一つずつスケールに挑戦します。
メロディックマイナー頑張るぞp(^_^)q
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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