光と色 

きょうはちょっと「色」と「明暗」についてのお話し。

光の3原色

テレビの世界ではよく「RGB」と言うが、Red()・Green()・Blue()が光の三原色である。
この3色を均等に重ね合わせると真っ白い(=色のない)光となる。
 
光の中にはあらゆる色が入っている。しかし我々はまばゆい太陽の光をただ見ているだけでは、全体として「白い光」としてしか認識できない。

光の中に含まれる色は、光の波長によって異なる。虹に見られるように、光がなんらかの理由で屈折するとき、光の波長によって屈折率が異なるため、色が分かれて見える。

その中で、光の3原色といわれる赤・緑・青の波長、周波数は下記のとおり。
この3色を組み合わせることによってあらゆる色を作り出すことができる。

赤…(波長: 625-740 nm 周波数: 405-480 THz)
緑…(波長: 500-565 nm 周波数: 530-600 THz)
青…(波長: 450-485 nm 周波数: 620-665 THz)

テレビや大型スクリーンなどは、RGB、つまり赤・緑・青という光の3原色の構成バランスによってさまざまな色を表現しているのである。


赤はもっとも波長が長い。われわれの目で認識できる光を「可視光線」と言うが、赤よりも波長が長い光が赤外線。逆に、人間の目で見ることのできる範囲でもっとも波長が短いのが紫で、それより波長が短いのが紫外線。

光の色が波長によって変わる例をもう一つ。夜空の星も、その放っている色によって星の表面温度が推定できるという。
鉄などの金属を火で加熱してやると、初めは黒いがだんだん加熱されて赤くなり、さらに温度が上がるとオレンジ~黄色、さらに鉄が溶けるころには白く輝いて見える。
金属によって融解する温度・それ以上は熱することのできない限界の温度はあるが、理論上もっと加熱することができれば、黄色からさらに青白く、やがて紫がかって見えてくるはずである。
温度が上がることによって光の波長が変わり、色が変化していく。


それに対して…


色の3原色

中学校の美術の教科書にはたしか「赤・青・黄」と書かれていた。信号の3色が「色の3原色」なんだ(←信号は光だから紛らわしいが)と覚えたように記憶している。
しかし色の3原色は厳密にいうと「赤・青・黄」ではなく少しずれている。

カラーコピー機やプリンターで用いるトナーの色、すなわちシアン、マゼンタ、イエローの3色を色の三原色という。
この3つの色を混合すれば、光の三原色の場合とは反対に「黒」を作ることが出来る。しかし、この3色によって白を構成することは出来ない。


光と色の3原色


光と色との関係

上の図を左右比較してなにか気づかないだろうか?

光の三原色がそれぞれ交じわる部分を見てみると、赤と青とが交わる部分=マゼンタ、赤と緑が交わった部分=イエロー、緑と青が交わる部分=シアン、つまり色の三原色になっている。

逆に色の三原色がそれぞれ交わる部分を見てみると、イエローとシアンが交わる部分=緑、シアンとマゼンタが交わる部分=青、マゼンタとイエローが交わる部分=赤、つまり光の三原色になっている。

「光の3原色」と「色の3原色」とはちょうど裏と表のような関係になっていることがわかる。
それはなぜか?

われわれが認識できる「色」とは、もともと光の中に含まれているある波長の光なのである。紙などに描かれる塗料などの「色」は、光の中に含まれる同じ波長の光だけを反射させ、それ以外の波長を吸収してしまうため、その色に見えるのである。

たとえば真っ白い紙は、すべての波長の光を反射させるので白く見える。赤い絵の具を塗った場所は、光の中に含まれるあらゆる色を吸収して同じ波長の赤い光だけを反射させるので赤く見える。
赤以外のすべての色も同様に、同じ波長の光だけを反射させるからその色に見えるのだ。

太陽のまばゆい光の中にはあらゆる色が含まれているが、通常は全体として「白」としか認識できない。しかし、光を屈折させて波長によって分けたり、ペイントを塗ってある特定の波長の光だけを反射させることによって、われわれははじめて「色」として認識できる。

そして黒という色は、すべての波長の光を吸収してしまうために、なにも色(光)がない状態=黒となる。

すべての波長の光が合わさったもの(完全な光)が「白」で、あらゆる色が合わさったもの(すべての波長の光を吸収してしまう状態)が「黒」。

光の波長を変えてあらゆる色の光をつくることはできるが、「黒い光」だけは作れない。全ての色を吸収する光というものは存在しないのだ。

黒はあらゆる波長の光を吸収してしまうので、絵具の黒をベースに赤・緑・青…どんな色を加えても黒が勝ってしまい黒くなってしまう。しかし白にだけは反応してグレーになっていく。
また、どんな原色にも、白をほんの少し加えることによって明るく優しい色になる。

白はまさに光。光と色の関係…実に面白い。


光なくして色彩なし

一方、どんなに美しい色彩で描かれた絵画でも、赤・青・緑などでマーキングした教科書でも、光が充分にない薄暗いところでは「色」を識別することは難しい。光がある程度充分にあるところでなければ色彩も存在しない。

「月光浴 Moonlight Blue」という写真集がだいぶ前から出版されていて、私も書店で手にとったことがある。満月の月明かりだけで撮影された写真はどれも全体が青みがかっていてとても幻想的で美しいが、緑や赤といった色彩感はない。

<月明かりで見る風景>
月光浴1 


海も深く潜っていくとしだいに太陽光線が届かなくなっていき、波長の短い青みがかった色だけが届くブルーの世界となる。深海に棲むタイやキンメなどの魚は赤い色をしているが、深海では「赤」という色には見えないという。


色とは光の波長である。絵の具などの色素は、違う色の波長の光をすべて吸収して同じ波長の色の光だけを反射させる。 たとえば赤い絵の具は他のあらゆる波長の光を吸収して赤い波長の光だけを反射させる。これによってわれわれの目に「赤」という色として認識できるのだ。

水彩絵の具で三原色を混ぜると、あらゆる波長の光を吸収してしまう色=「黒」ができる。
ポスターを屋外の直射日光に当たる場所にさらしておくと、日数がたつにつれて色あせていき、やがて白くなる。色素が光を吸収しつくしてもうこれ以上吸収できなくなると、すべての光を反射させる色=「白」に近づいていく。


明暗

「白」とは、あらゆる色の光を反射させる色、「黒」とは、あらゆる光を吸収してしまう色、という風に理解してよいだろう。
白と黒との中間には「灰色」という無段階の世界が広がる。そこには色彩はなく、あるのは「明暗」だけである。



ところで音は空気の振動である。音の高さは波長(Hz…ヘルツ、1秒間に振動する回数)で決まる。その音の組み合わせによってできる旋律・リズム・和声=「音楽の3要素」である。

そして音楽の中に人は「明暗」や「色彩」を感じる。人の五感というのは本当に不思議なものだとあらためて思う。


コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
このすぐ下の「カテゴリ」から興味のあるテーマごとにクリックして覗いてみてください。
一部パスワードをご存じのメンバーの方のみ閲覧できるページを含みます。

カテゴリ
カウント開始 2011.1.14~
リンク
最新記事
最新コメント
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別アーカイブ
検索フォーム
QRコード
QR