「コントラ~」、「バス~」…重低音はお好き?

コントラバスという巨大なヴァイオリンのお化けのような楽器がありますね。
ダブルベース(略してD.B.)とも言います。

「ウッドベース」という呼び方もありますが、持ち運びに便利なエレキベースが生まれてから、ジャズなどで本来の木製で大型の楽器を使う場合に区別してそう呼ぶようになったので、クラシックのオーケストラではわざわざ「ウッドベース」とは呼びません。

ヴァイオリンの仲間を中国語では「提琴」と書きます。

♪ 小提琴=ヴァイオリン
♪ 中提琴=ヴィオラ
♪ 大提琴=チェロ

ではコントラバスは?
妖怪提琴?、肥大提琴?、膨張提琴?、勃発提琴?…etc.

*まあ、当たらずとも「コントラ~」にはそんなイメージが…


◆「コントラ」とは…?

「バスヴァイオリン」という名前でも良さそうな気もしますが、厳密にはヴァイオリン・ビオラ・チェロは同じ仲間ですが、コントラバスだけはヴィオロ属の楽器なんですね。

調弦も、ヴァイオリンは「ソ・レ・ラ・ミ」、ビオラとチェロは「ド・ソ・レ・ラ」。 いずれも4本の弦は上に5度の関係で並んでいます(チェロはビオラより実音で1オクターブ下)。
Vln. Vla 調弦

ところが、コントラバスだけは「ミ・ラ・レ・ソ」、4度上へと並びます。
CB調弦


★コントラバスの調弦にはじつは何種類かあり、中にはチェロの1オクターブ下の「ド・ソ・レ・ラ」に調弦する方法もあるそうですが、一般にオーケストラ内での調弦は「ミ・ラ・レ・ソ」です。

ところで、4度上=5度下(1オクターブ下の同じ音)ですね。
たとえば「レ」から4度上にある「ソ」は、1オクターブ下ではレより5度下にあります。

CB調弦1(4度上=5度下) 

ヴァイオリン~チェロは、4本の弦を上に向かって5度の関係で重ねますが、コントラバスだけは下へ向かって5度の関係で重ねているのです。つまりヴァイオリンとコントラバスとは、4本の弦が全く逆の配置に並んでいることになります。

CB調弦2(Vln.とC.B.)

そもそも「コントラ」とは「Contradiction=矛盾、反駁、反対(勢力)」といった意味。
なるほど~!コントラバスとは「ヴァイオリンと正反対のバス」という意味だったのか~!


◆いろんな楽器にも…

他の楽器でも、同じような形・音色でとくに重低音の出せる専用の楽器があります。
アンサンブルやオーケストラにおいて、より広い音域の中で低音は下から支える重要な役割をもちます。

まず打楽器では…

♪ バスマリンバ
マリンバは木の温もりのある表現力豊かな音色ですが、5オクターブもの広い音域を持つものもあります。さらに低音域を出す専用のマリンバを「バスマリンバ」と言います(多くは受注生産)。

管楽器では…

♪ バスフルート
♪ バスクラリネット
♪ コントラファゴット(バスーン) 
♪ バストロンボーン


ファゴット(バスーン)だけは「バス」ではなくなぜか「コントラ」なんですね。ベートーヴェンの「第九」などで活躍します。

★コントラバスと同様、ふつうのファゴットと何かが逆なんでしょうか?
 どなたかファゴット奏者、もしくはファゴットフェチでお詳しい方、教えてください。

バストロンボーンは形こそトロンボーンですが音域としてはほとんどチューバに近いのでしょうか?
バルトーク作曲「管弦楽のための協奏曲」、ホルスト作曲「惑星」組曲、マーラーの交響曲5番の1楽章、交響曲6番の最終楽章などで、唇をマウスピースからはみ出させてぶるぶると震わせて吹いてる、重低音をこよなく愛する奏者の姿が目に浮かびます。

さらに、通常のバストロンボーンよりもさらに下の「コントラバス・トロンボーン」というのもあるんですね!
ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』では通常のトロンボーン3本のほかにバス・トロンボーンとコントラバス・トロンボーンがそれぞれ1本ずつ指定されています。『ニーベルングの指環』は4夜に渡る超大編であるのに加え、最終日の「神々の黄昏」ではハープを6台も使うなど、オケの編成も使われる楽器も贅沢(=作曲者のわがまま?)過ぎます!



ところで、あなたのオーケストラに「重低音の鬼」はいらっしゃいませんか?

たとえば、フルートの音色といえば、「ピーターと狼」では小鳥の声を演じている通り、高音の澄んだ音を想像される方も多いかと思いますが、こんなフルートもあるんです!

ダブルコントラバスフルート
コントラバスフルート

★あるFBつながりの方からのご厚意により拝借しました。
バスフルートまではご存知の方もいらっしゃるでしょうが、ダブル+コントラ+バスです!
後方に女性の手とともに写っているやや細身のがコントラフルート
ここまでの重低音をフルートに求める曲って、どんな曲なんでしょう…?


このように、本来は高音の楽器なんだけど、人知れず重低音に憧れている人(=隠れコントラさん)はいませんか?



はい、ここまでまじめに音楽(楽器)に関するお話しが続いたところで…
ここからはあまり真面目に考えないで、頭を柔らかくしてお読みください。

もしも、こんな楽器にも「コントラ~」「バス~」があったら…?

もともと高い音域のために作られた楽器を、わざわざ意味もなく低音に、もともと低い音域の楽器をさらに1オクターブ下げて超重低音に…

♪  バス三味線
♪  コントラ琵琶
♪  コントラ筝
(いきなり和もので来たか~!)

♪  バスオカリナ
(首から紐でぶら下げられるかな…?)

♪  バスピッコロ、コントラピッコロ
(フルートよりも長~いピッコロ? まったくナンセンス!) 

♪  コントラティンパニ
直径32インチを超えるサイズで下のF(ファ)よりも低い音域を扱う。もはや音程はほとんど聞き取れないが、重低音マニアには音程がちゃんと聞き取れるらしい。
ところでティンパニの配置は「右=高音」か「左=高音」か奏者によって異なるが、コントラティンパニはティンパニ奏者とは逆の配置にしなくてはならない。めったに出番はなく、ただでさえ狭いステージに邪魔で憎らしい存在以外のなにものでもない。

♪  コントラシンバル
もやは両手に持てる限界を越えている。「宝来」と真ん中に書かれた大きなドラが2枚向かい合わせに吊り下げられているのを、手または足で打ち合わせて演奏する。
1枚のドラの中央をバチで叩く「ゴヮ~ン」という音とは異なり、重い金属板同士がぶつかり合って「ジュワ~ン」という音が特徴。
 ドヴォルザークの交響曲9番「新世界より」のパロディ版、「別世界より」の最終楽章で1発だけ効果的に用いられる他、この種の重低音は今までなかったので、新たな作品が生み出される可能性も秘めている!

♪ コントラグランカッサ(バスドラム)
巨大な和太鼓は存在するが、洋ものにはない!あってもいいはず!

♪ バストライアングル、バス拍子木、バスカスタネット…etc.
オーケストラの後方に、バカみたいに巨大な打楽器軍団が威圧感を醸し出す…!
マーラーの交響曲1番「巨人」はぜひこのバージョンで?

♪ コントラピアノ
いったいどこに置くんじゃい!

♪ コントラハープ
優雅に美女が弾くイメージは完全に壊れ、両手だけでは低音部に届かないので両足も使って…

♪ コントラパイプオルガン
重低音をこよなく愛する特殊な宗派の教会に。建物そのものが巨大なので飛行機から見てももすぐ分かるはず。

いや~、重低音って本当にいいもんですね~

<追記>
facebookでシェアしてくださった方のつながりで、ラテン系パーカッションにもヒントをいただきました。
♪ コントラマラカス 
♪ コントラギロ
♪ コントラキハーダ
♪ コントラビブラスラップ 
♪ コントラカバサ  …etc.

なお、キハーダやビブラスラップと聞いてどんな楽器かぴんと来ない方は…
以前書いた「楽器占い」という記事をご参照くださいませ。
くだらないついでに、「あなたのギャグを楽器の音に例えたら…?」 
楽器占い

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

No title

なるほどー!バイオリンの反対。普段コンバス弾いておきながら初めて知りました!

Re: No title

Genさん
さっそくご覧いただいたようでありがとうございます。
じつは少し前に学校のロビーでGenさんからコンバスの調弦についてお聞きしたのがきっかけだったんです。
そのあとしばらく「なんでそういう音の並びなんだろう」と考えていて、『コントラ』という名前の由来にからめて長年引っかかっていた疑問が解けたんです!真っ先にお知らせすべきしたね。今度ぜひ高円寺で飲みましょう!

Facebookのメッセージ(?)から飛んできました!

私はずっと吹奏楽でフルートをやっていたので、弦楽器に関してかなり疎いので知らないことばかりでした!

高音をやっていると、低音でベース音をやりたいとか、中音でオブリガートやりたいとか、パーカスやりたいとか、色々思います(^^)
なので、金曜日のグループ即興はかなり楽しかったです♪♪

でも、以前にフルオケでバスフルートをやりましたが、あれは親指がもげそうになったので、もうやりたくありません…笑”

バス~

●バスガイド…異常なまでに低い声で案内

●バスマジックリン…特大サイズのマジックリン(銭湯や温泉旅館などの業務用)

●バスターミナル…ばかみたいに巨大なターミナル

●バスガス爆発…人間の可聴範囲を超える重低音が鳴り響く巨大なガス爆発

オカリナには「コントラバスC」という管がありますよー。
大きさから「マンボウ」の愛称があるくらいなので、首から下げるにはしんどいと思います。

Re: タイトルなし

情報ありがとうございます。
そんな巨大なオカリナがあるんですね!
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
このすぐ下の「カテゴリ」から興味のあるテーマごとにクリックして覗いてみてください。
一部パスワードをご存じのメンバーの方のみ閲覧できるページを含みます。

カテゴリ
カウント開始 2011.1.14~
リンク
最新記事
最新コメント
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別アーカイブ
検索フォーム
QRコード
QR