三鷹女子高校生ストーカー殺人事件 ~変わらぬ警察の対応ぶり~

10月8日、またしても事前に警察に相談していたにもかかわらずストーカー殺人事件が起きてしまった。
三鷹市内に住む18歳の高校生、鈴木沙彩さんが、自宅敷地内に潜んで待ち伏せしていた無21歳の男に刺殺されてしまった。

「警察の対応は杓子定規で遅すぎる」との批判の声が高まっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131010-00000158-san-soci&1381367198


事件の4日前の10月4日(金)、女子高生からの報告を受けた学校の担任はすぐに警察(杉並区)に通報。しかし警察は「被害者の住所を管轄する三鷹警察署に相談してください」と対応しただけで、被害者の名前・住所を聞くこともなく、三鷹警察署に連絡することもしなかった!

そして事件当日の8日(火)午前中、被害者と母親は三鷹警察署を訪れた。警察はその場で加害者の携帯に電話をしたがつながらず、留守電に「警察に電話するように」とメッセージを残したとか。
さらに、事件直前に被害者の女子高生に電話で安否の確認。その警察からの電話のやりとりを、敷地内に侵入して待ち伏せていた加害者が聞いていた可能性が高いという。



相談を受けたその場で犯人に直接電話してみたり、被害者に電話で確認をとるなど、「いちおうやってます」の対応がかえって危険な状況を作り出している感さえある。
犯罪心理、それもとくに凶悪事件を起こす加害者の心理をまったく分かってないのか!

ストーカー行為そのものに「対処」するのではなく、予測される凶悪事件を未然に防ごうという姿勢があるのかどうか?

周辺のパトロールを強化する、あるいはせめて1~2名の警官を護衛につけていたら防げた可能性の高い事件だ。

13年前の桶川ストーカー殺人事件、2007年の長崎市長襲撃・射殺事件、同じく長崎の猟銃乱射事件、昨年2012年の習志野・三重・長崎にまたがるストーカー殺人事件…etc.
事前に警察に通報していたにもかかわらず、警察の対応のまずさによって結果的に防げなかった事件は多い。

後になって警察が必ずいう「適切だった」という表現。「(事務的には)一応対応してました」「(「警察のやったことに)違法性はない」という意味では困る。被害者の命を守る上で本当にその方法が最適だったのかどうか…?


<私のこれまでのストーカー関連記事>

桶川ストーカー殺人事件~なぜ女子大生は殺されたか?~
活かされない教訓
ストーカー防止法 改正案について


私が特別にストーカー事件に興味を持っているわけではない。
善良な市民を本当に守ろうというのであれな、いくら新しい法律をつくってもそれがちゃんと機能しなくてはならない。しかしとくに「ストーカー防止法」「危険運転致死傷罪」については、いったい何のための法律なのかと言いたくなるのである。

2007年、「猟銃をもって深夜にうろついている人がいる」という通報があったにもかかわず警察はとくに対応せず、プールで乱射事件が起きてしまい市民が犠牲となった。すると「銃刀法を厳しくして今以上に銃規制をすべきだ」という議論が起きる。

ストーカーの末殺人事件が起きると、ストーカー防止法ができる、そして具体的に「メール」が含めれていないからと「追加」する。

ことの本質はそこなのか?
最近の立法・司法はいったいどうなってしまったのかと思うほど愚かである。

銃をむき出しの状態のまま深夜にうろつくこと自体、いまの銃刀法でも立派な「違法」な行為である。また、何をもってストーカーと定義するかの問題ではなく、問題になっているケースはいずれも「殺人予告」を受けて恐怖にさらされている被害者からのSOSが出ていたのである。

現行法でも警察がまともに対応していたら防げた可能性の高い事件ばかりである。ことの本質は新たな法律や制度を作って対応すべきことではなく、警察機関がちゃんとまともに動くかどうかだ!

管轄がどうの、改正されたストーカー防止法がどうのという問題ではなく、予測される凶悪事件に対して、いつになったら全国組織の警察として“まともな対応”ができるようになるのだろうか?

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No title

亡くなられた方はお気の毒と思います。

ただ、事件はタレント女子高生と元カレの恋のトラブル。
通常の通り魔、ストーカー事件とは違うので警察の対応は難しそうです。

Re: No title

通りすがりのたけちゃんさん

コメントありがとうございます。
はい、それは報道されてますね。たしかに「警察は民事不介入が原則」ですね。誰と付き合うか・別れるか、約束したのに…といった個人対個人の契約(約束)に関することは「民事」です。その元彼と殺された彼女との関係、出会ったいきさつ、別れ話のもつれなどは今後明らかにされていくかもしれません。少なくとも通り魔による犯行ではなかったことは確かです。

でも、相手が元交際相手であろうが通り魔であろうが、つきまとわれて「殺すぞ」と再三脅されて恐怖を感じ保護を求めて相談している段階で、もはや「民事」ではありません!
これから起こり得ることが十分予測される重大犯罪は「刑事」事件です。警察には「防犯」という役割もあるはずです。
あと、加害者の素姓も分かっていない通り魔と比べて、名前や電話番号なども分かっている特定の相手ならば、対応できる方法もいろいろあり得たはず。
いきなり加害者に電話をかけて「警察に電話するように」などとメッセージを残したり(逆上するでしょう!)、被害者に直接電話で安否確認の電話をしたり(=加害者は敷地内でその電話対応を聞いていた可能性が高い)など、ごくごく基本的な犯罪心理も分かっていないお粗末な対応ぶり。

過去の桶川ストーカー殺人事件もしかり、長崎市長襲撃・射殺事件もしかり、長崎で深夜猟銃をもった男がうろついているという通報があったにもかかわらず起きてしまったプールでの乱射事件…いずれも、これから起こりうる重大な凶悪事件(=刑事事件)が予見できていながら、いざ事件が起こるまで迅速・適切な対応をしなかった警察の責任は大きいと私は思います。ちなみに先ほど、警察庁も今回の対応について充分反省する必要があるとコメントを出しています。
いつまでたっても教訓を活かせない警察、今回の対応についてこれからどういう所見が出てくるかに期待したいところです。

Re: No title

あともう一点、ちょっと気になることを…

「タレント女子高生と元カレ」という表現、「個人対個人レベルのこと」という意味のほかに言外にちょっと偏見があるように思えるのは気のせいでしょうか?
「どうせタレントなんて派手な人付き合いも広くて、いろいろトラブルもあるんじゃないか?」みたいな…

13年前の桶川での事件でもそうでした。被害者が夜の接客業で働いていたとかいないとかという情報に、警察が「どうせ遊び好きで派手な女のトラブルだろう」みたいな偏見があったようです。事件が起きた後も…(その後の取材を重ねてドラマ化されたものを見た印象)

今回殺された女子高生のことを個人的には知りませんが、誰とでも明るく接する性格で、芸能の世界をめざしながらも成績はトップクラスだったといいますし、親戚には倉本聡さんもいらっしゃいますよね。
「タレント女子高生と元カレの関係のもつれ」→「通常の通り魔事件とは違う」という図式はいかがなものでしょうか?

前の返信コメントにも書いたとおり、通り魔であろうが元カレであろうが「殺すぞ」と脅迫していることへの恐怖はかわらないはずですし、被害者の女性が一般人であろうがタレントであろうが、優秀で好かれている人であろうがそうでない人であろうが、人命を守るべく警察の使命に変わりがあってはいけません。
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

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