「秘密保護法案」って何?

「秘密保護法案」とはどんなもので、何を目的とするものなのか…?
まだその全容(=立法趣旨)ははっきりと分かりません。

しかし、何のための「秘密保護」なのか?

個人情報などが漏えいされることを防ぐものならばいいのですが、国家機密・企業にとって都合の悪い情報などが「秘密」として保護されることになったら、今以上に国民への裏切り、隠蔽は進みます。

そもそも国や公共の出来事は「公開」が前提なのでは?
国民には「知る権利」があるはずです。

またかつてのような言論統制、「表現の自由」(憲法)を根本から否定することにもつながりかねません。さらに、なぜ今「秘密保護法」なのか…?

その辺り、みなさんどうお考えでしょうか?

憲法を変えようとか、消費税を上げようとか、大企業への優遇をますます図ろうとか…政府の考えているらしきことを「点」と「点」で結びつけてみると、なんだか末恐ろしくなりませんか?

指摘されているのは「特定秘密の範囲があいまい」ということ。
政府案の説明によれば、守るべき秘密にあたる内容をとして、「自衛隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究」であったり、「安全保障に関し収集した条約その他の国際約束に基づき保護することが必要な情報その他の重要な情報」とのことですが、あまりにもざっくりしているとの指摘があります。
東京新聞の社説では、この「あいまいさ」ゆえに拡大解釈される可能性があると指摘されています。

タレントの藤原紀香さんも、ご自身のブログの中でとても真面目に、でも誰にでもわかりやすく問題意識を綴られています。公式ページへの質問・意見の窓口も紹介されています。
藤原紀香さんブログ

その記事の紹介も交えて報じた「The Huffington Post」の記事(9/15)がこちら。
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タレントでも一般人でも、美人でもそうでない方でも、男性でも女性でも…
私はこういうことをちゃんと考えて意見としてきっちりと出せる人って好きです!


<追記>

秘密保護法案の賛否について、9月6日〜9日の間に時事通信が行った世論調査では、「必要だと思う」と答えた人は63.4%、「必要ない」と答えた人は23.7%だったといいます。
が、私の身の回りでもそれとなく話題に出してみたところ、どうもみなさんよくわかってらっしゃらないか勘違いされている方が多いのではないかと思います。

「秘密保護」を、たとえば銀行に預金する際に出した個人情報(住所・年齢・年収など)をはじめ、個人が特定の相手と契約する上で出した個人情報を、(相手の裏切りによって)勝手に流出されるような事態を恐れて「秘密は守られなくてはいけない」という意識でおっしゃっている向きがあるようです。そういう話じゃないんです!


国家が情報を統制する危惧

本文にリンクで貼ったページを見ていただければ分かりますが、この法案が上がってきた経緯は、尖閣諸島付近で海上保安庁の船に体当たりしてきた中国の漁船の映像がニュースでも何度となく公開されたことに端を発しています。


http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=nKYsAIh62tc

公務員である海上保安庁の職員が、庁内だけに公開していた衝突の瞬間の映像を「漏えい」させたことが問題となったのです。それに対する罰則があまりにも軽いので、もっと法を厳しくしよう、ということなんです。

問題は「秘密」とする内容の定義です。どんな職業でも、業務上知りえた事柄を個人的にネットなどに流すことは禁じられているはずです。でも、海上保安庁の職員の誰かが撮影し、庁内だけで閲覧できた映像を、一般の人も事実は事実として知るべきだ、知ってほしいという思いで流したのだとしたら?…その心は「漏えい」なのか「公開」なのか?

あの衝撃的な画像をニュースで見た方の多くも、あの情報を「機密情報」とは思っていないし、画像データを外部に流した公務員を責める声もあまり聞かないように思います。
仮にも、たとえば日本の安全を守る自衛隊の最新機の操縦席や操縦方法の画像を流出させたのならば「機密の漏えい」でしょうが、それとは根本的に異なります。あの画像を見て国民が事実を知ったことで、国家にとっての「損害」は何なのでしょうか?

それを厳しく統制する目的で、さらに公務員や一部の企業が知りえた重大な事実、本当は国民が知る権利のある重大な情報が、新たに「秘密保護」という名目のもとに封印されてしまうのではないか?…藤原紀香さんをはじめ、良識ある人たちが懸念しているのはその点なのです!

この懸念は、国民の「知る権利」を侵し、政府や企業にとって都合の悪い情報は、たとえ国民の命にかかわることであっても「秘密」とされて公開されなくなってしまう危険をはらんでいます。
例えば今の放射線漏れの事実について東電や政府から発表されているような情報が、さらに「秘密保護」によって公開されなくなることを想像してみてください。
さらに、これは憲法で定める「言論の自由」「表現の自由」までもが統制されてしまう可能性を意味します。 このようないわば政府の暴挙が許されてよいのでしょうか?、ということなんです。


話しのついでに…

守られなくてはならない「個人情報」とは?

一方、みなさんが心配するような「個人情報」という言葉も、最近よく耳にしますね。
銀行・デパート・信販会社などは、双方の契約上に必要だから提供した個人情報。それをダイレクトメールの名簿会社に売るなど、ほかの目的に勝手に使われたり漏えいされるのは契約違反であり、公序良俗にも反します。

また警察がストーカー被害を訴えている人の住所などを加害者に知らせてしまったような失態もありました。捜査関係者が捜査上知りえたことをむやみに公開したり、弁護士が依頼人に関する情報を他言することなどはすべて「守秘義務違反」です。これらは現行法上でも保障されているもので、問題は管理の徹底です。

また、似た話に「プライバシーの保護」ということもあります。これは刑法の話しになりますが、たとえば寝室や浴室など個人宅をのぞかれたら、のぞかれた方は被害者で、のぞいた者は加害者(=有罪)です。
でも、公園や車の中で見られたくない行為をしていて、それを通りがかりの人が見た場合、たまたま見てしまったにしても意図的に覗き込んで見たにしても、見た人は加害者(=有罪)ではありません。むしろ公然の場で見せた側が罪に問われます。極端な例ですが、ひとつの分かりやすい例ではないかと思います。
通常人が衣服を付けていないこともあり得る場所(寝室や浴室)は「秘密が守られる場所」ですが、家を一歩外に出ればそこは「公共の場」。「よそいき」をして出かけても普段着のラフな格好で出かけてもそれは自由ですが、人に見られることが前提の場なのです。


◆「プライバシー」権利の乱用

気象情報などで傘を吹き飛ばされそうになっている人や、暑そうに汗を拭う人が映し出されますが、いちいち出演料など払いません。お祭りやコンサートの風景も「公共の場」での出来事。人も風景の一部なのです。

いかなる場合でも、個人を誹謗中傷したり商業目的で流用してはいけませんし、芸能人など顔や容姿を契約に基づいて公開している人たちを勝手に写真や映像に撮って勝手に公開すれば肖像権の侵害になります。
でも、街を歩いている人やお祭りやコンサートなどの行事に参加している人たちの画像を一切撮影してはいけない、サイトにアップしてはいけないとなったら、人のいる場所では一切撮影もできなければ行事について個人のサイトにアップすることもできなくなってしまいます。

病院や老人施設などで音楽行事などがある場合、いちおう施設の方にひとこと断り、入所・入院していることを知られたくない方がいらっしゃったらはっきりと顔が分からないように撮影するなどの配慮は必要かと思いますが。
病院や施設内を「公共の場」と見るか、個人的な空間内と見るかという見解の違いもあるでしょうから配慮は大切ですね。
でも、そういう特殊な例を除けば多くの行事は「秘密の場」ではなく「公の場」での出来事。参加している人も聴衆も人に見られるのが前提でいらしているはず。人が集まっている状態全体が風景なんです。そこでいちいち肖像権の侵害だなどとおっしゃるのはいかがでなものでしょう? いちいち画像処理してモザイクをかけるなど配慮してある例も見ますが、そこまでやる必要はないと私は思います。それこそ訴訟にでもなって判決を見てみないと何とも言えませんが、私はむしろ「権利の乱用」ではないかと思います。


常識的な配慮と信頼関係で

今は放送局でなくても、個人でブログやfacebookなどで情報を発信できる便利な時代。写真を撮影してアップする上で、これは問題、これは問題ない、という常識を守る必要はあるでしょうね。
この手の問題はお互いの信頼関係が第一。肖像権や著作権などの知的財産権は、本人が了承していれば問題ない場合がほとんどです。
今はデジカメが主流ですから、「ブログに載せるかもしれないけどいい?」とひとこと断って撮る、撮った画像はその場で見ていただいて納得していただく、といった配慮もあっていいでしょう。
でも会場内の風景のようにいちいち全員の了解をとれない場合もあります。私の場合、記事を書く際に、決して商業目的ではない点、参加者や行事を誹謗中傷などは決してせず、純粋な善意(=素晴らしい行事を皆さんにも知っていただきたいという視点)で書くことを大前提としています。

また、サイトで検索した画像を参考資料として引用する際には、連絡のとれる相手であればひとこと了解をとるか、直接連絡が取れないならせめて出典を書いておくといったマナーは大切でしょうね。


「秘密保護法案」から話がそれてしまいましたが…

とにかく、なんでもかんでも「個人情報は守られるべきだ」に過敏になり過ぎないようにしたいものです。
個人情報はまず自己管理が大切。サイト上でも本当に知られて困るような個人情報ははじめから出さないという選択肢もあります。その上で、相手が勝手にこちらの個人情報を悪意で漏えいした場合、今の法律でも充分相手方に責任が問えるということ。

そして最後に今回の話題に戻すと、国家権力によって国民の「知る権利」「表現の自由」「言論の自由」が統制されるようなことはあってはならない、ということが焦点です。

<Facebookにシェアした記事より 9月18日予約投稿>


<再追記>9月19日 0:10

この記事を書いたのが17日深夜、予約投稿で18日午前中にアップされました。
すれ違いに18日の朝日新聞の朝刊トップに、「『知る権利』明記を検討 『報道の自由』も」という記事が出ていました。そこには「ただ、条文に知る権利や報道の自由についての規定が盛り込まれたとしても、特定秘密を扱う公務員らが報道機関の取材に萎縮する可能性がある」と書かれていました。たしかにそれもあると思います。

さらに、本文にも紹介した東京新聞の記事にあるように、そもそも「特定秘密」とは何?、その範囲は?、誰がどういう基準で決めるのか?…といった問題があります。
また、一口に公務員といっても「特定の秘密」を知り得る立場にあるのはごく一部でしょう。一般の「業務上知り得た秘密」を漏洩した一般の公務員と、「特定秘密」を漏洩した公務員との法定刑のバランスは?といったあたりも私は気になるところです。

国家の安全に関わる重要な機密事項について、今のままでは国際的にも国家安全保障会議が十分に機能できないので何らかの法整備は必要、という見方はあります。たしかに一般論としては分かりますが、具体的に罰則規定まで含めた法案としては、定義そのものに曖昧な部分があまりにも多すぎるように思います。


蛇足ながら申し上げると、先だっての「ストーカー防止法改正」の時にも思ったことですが、最近の法案は、そもそもその法律の狙いとする趣旨と、具体的な条文の間にかなり矛盾・不備が目立つように思います。
→ 「ストーカー防止法案に思う」
もし本当にあることを抑止しようとするなら、そういう条文じゃないだろう!?みたいな部分、いわば蜂の巣のように隙間だらけのような気がしてなりません。立法に関わるのは国民の代表として選ばれた国会議員。しっかりしていただきたいです!
 

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No title

FB上で非公開にしているところのグループでも、議論沸騰していました。
そもそも守らなくてはいけない秘密とは何なのか。
日本版スノーデンを生ませないためとしか思えません。
ただ、ブログにもあるように、機密漏えいなのか、公開して広く人に知らしめた方がいいのか・・・・
誰がその線引きを決め、それは不動なのか、ケースバイケースなのか・・・
まだまだ「謎の多い」法案ですよね。

Re: No title

カニーゼ・ファティマ さま

コメントありがとうございます。フェイスブックからご訪問の方でしょうか?
はい、ポイントはまさにおしゃるところだと思います。
本文ではあまりにもレベルの低い「個人情報保護」との混同について文字数を割き過ぎました(笑)

先ほど赤文字で<再追記>と書いたあたりが、おそらくおっしゃりたいことと重なるのではないかと思います。
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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