カレーの市民

8月3日  「カレーの市民」


FBの友人からの情報で知ったのですが、きょう8月3日は「カレーの市民」にまつわるとても大切な日。
真夏で暑いからみんなでカレーを食べる日、じゃありませんよ。

「カレーの市民」というロダンの有名なブロンズ像をご存知でしょうか?

上野・国立西洋美術館前の「カレーの市民」像

東京・上野の国立西洋美術館の入口付近にあるこのブロンズ像。画面いちばん右の鍵を持った人物像と同じものが岡山県倉敷市の大原美術館にもあります。

衰えて悲嘆にくれた表情のこの6人は、いったい何をしに行くところなのでしょうか? 話はいまから666年前にさかのぼります。


◆「カレーの市民」とは?

イングランド王のエドワード3世は、クレシーの戦いで勝利を収めた後1346年9月4日から1347年8月3日、フランスの港町カレーを包囲。フランスのフィリップ6世は、なんとしても持ちこたえるようにカレー市に指令した。

しかしフィリップ王は包囲を解くことができず、飢餓のためカレー市は降伏交渉を余儀なくされた。イングランドのエドワード王は、市の主要メンバー6人が自分の元へ出頭すれば市の人々は救うと持ちかけたが、それは6人の処刑を意味していた。エドワード王は6人が、裸に近い格好で首にロープを巻き、城門の鍵を持って歩いてくるよう要求したのである。

カレー市の裕福な指導者のうちの一人、ウスタシュ・ド・サン・ピエール(Eustache de Saint Pierre)が最初に志願し、すぐに5人の市民、ジャン・デール(Jean d'Aire)、ジャック・ド・ヴィッサン(Jacques de Wissant)、ピエール・ド・ヴィッサン(Pierre de Wissant)、ジャン・ド・フィエンヌ(Jean de Fiennes)、アンドリュー・ダンドル(Andrieu d'Andres)が後に続いた。

長い包囲戦でやつれた6人は、ズボンまで脱ぎ、首に処刑用のロープを巻き、悲嘆にくれながら城門へと歩いた。敗北・英雄的自己犠牲・死に直面した恐怖の交錯する瞬間をロダンは捉え、強調し、迫力ある群像を作り出した。
もちろんロダンは近代の人だから、当時の6人の心中を想像して創作したのである。

画面中央の髭を生やしてややうつむき加減の人物がサン・ピエール。
そのすぐ右手前、下の画像ではちょっと見にくいが、上の国立西洋美術館前にある像の画像ではサン・ピエールの右に、まっすぐ下に下ろした両手に大きな鍵を持っているのがジャン・デール。

ロンドンの「カレーの市民」像

こちらはロンドンのヴィクトリア・タワー・ガーデンの「カレーの市民」像。
 
フランスの法の元、ロダンの死後この作品は12点しか鋳造されなかった。ロンドンのものは、1911年に英政府がそのうちの1点を購入したものである。



処刑が予測された6人の命は、エドワード王妃フィリッパ・オブ・エノーの嘆願により助命された。 彼女は、生まれてくる子どもに殺戮は悪い前兆となると言って夫を説き伏せたのである。

その後カレーの街は、百年戦争を通じて重要なイングランドの拠点であり続け、百年戦争後の1558年までイングランド領であった。

<以上Wikipedia 複数の記事をもとにリライト>



大原美術館前のジャン・デール像 

倉敷の大原美術館入口脇にたたずむジャン・デール像

私も広島に住んでいた中学時代に倉敷を訪れてこの像のすぐ脇で写真を撮ってもらった記憶がある。6人がひとつの台座にまとめて置かれたもののほか、このように単体で鋳造されたものもある。 ロダンによれば、これらの像は高い台座に乗せるのではなく、街ゆく市民と同じレベルに展示するよう指示したとのこと。



というわけで、今からちょうど666年前のきょう8月3日は、カレーの6人の勇気ある市民が名乗り出た日だったのです。

はたして平和な現代の日本で、市(社会)の運命を背負って自ら名乗りをあげる勇気ある人はいるのでしょうか?

なにもそこまでの自己犠牲の精神まで求めなくても、せめて社会のこと・人のことを考えてまともな声を上げる、あるいはその声に賛同するぐらい、皆でやれば赤信号を渡るよりも安全で怖くないと思うのですが…

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偶然ですね

高木さん、なんたる偶然!
勇気ある市民、立ち上がりましょう!とBlogにお書きになろうと思った日が、勇気ある六名が名乗りをあげた日なんて٩( ´◡` )( ´◡` )۶

命を差し出すなんてこの世の中ではあってはならないことですが、何かを守るために立ち上がるのは微力であれ集まれば大きなチカラになるはずですね。

Re: 偶然ですね

そうですね。
ウィキペディアで色々調べていて、今から何年前?と思って電卓を叩いたら、たまたま「666」!
オーメンじゃないですけどね(笑)。色んな意味で偶然の発見でした!

12点もあるのですね

年に2回ですが、高校時代の担任の先生に 「もう1度受けたい授業」として世界史を講義して頂いています。
70半ばの幸齢者が目を輝かせて聴き入り、カレーの市民のお話も伺ったこと思い出しました。
6人に会いに上野へ行きたくなりました!

Re: 12点もあるのですね

サイコさん

お久しぶりです。高校の担任の先生、いい話を伝えてくださってたんですね。先生の話題のセンス・人生の価値観によって生徒のその後が変わってきますよね。
私が中学1年夏~2年にかけて通った中学校の美術の先生も、夏休み明けの最初の授業で「休み中どこへ行った?」と聞かれ、私が「倉敷に行きました」と答えたら、「美術館行ったか?大原美術館」とおっしゃり、その入り口にある「カレーの市民」について話してくださいました。
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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