「ズージャな音」(3)循環コード & スケール

7月22日(月)

「50代ことはじめ」からまだ3か月弱ですが、ミュージックノートの続き。
「ズージャな音」(1)では、ジャズっぽいコードのつかみ方と、メロディックマイナースケール(=旋律的短音階)について偉そうに書きました(7月5日)。

そして梅雨明け早々に「七夕をちょっとお洒落に」、ズージャな音とまでは言えませんが、「1→6→2→5→1」という循環コードについてちょっと書きました(←記事をご覧になった先生から、さらにお洒落な音を教えていただきました。この場を借りて、ありがとうございます!)。

 ♪「ズージャな音」(1)メロディックマイナースケール
 ♪「ズージャな音」(2)七夕をちょっとお洒落に


今回は、私が自分で勝手に決め込んだ夏の課題をご紹介しちゃいます。
先に書いた2つの原理を組合せて、まずは「C(ド)」を中心としたコードを循環させながら、ズージャっぽい響きと右手のスケールを合わせてみたいと思います。

バラード風にゆったりしたテンポで、コードの響きを伸ばした上に、右手でスケールらしきものを転がしてみる、そんな練習です。
そして同じことをF・B♭・E♭・A♭…あらゆる高さでも自由にできるようになることを、夏の内にすべでは無理でも、まあ今年度内の目標に(本当にできるかな~?)。


Cmからの循環コードとスケール

前にも書いた「Cm」は、「ドミ♭ソ」の暗い和音の上に明るい「ソシレ」をのっけた響きです。
これがまさにメロディックマイナー(=旋律的短音階)ですね。

<Cmの響き(再掲)>
マイナースケールC

低い「ド」+「ミ♭・ソ・シ・レ」、この響きをよく味わいながら、右手でハ短調の音階の音を適当にころがして自由に遊んでみます。

でも「適当にころがして自由に」と言われても、最初は何の音でどうやっていいか分かりませんよね。ジャズPの先生はいろんなコードに合いそうなサンプルをわざわざ手書きでびっしり書いたものをコピーして下さいました。それをそのまま転載するのははばかられるので、それを参考にしつつ、私なりに「こんな音もありかな?」というスケール例を書いてみました。絵画にも「模写」があるように、まずは「真似ごと」から。

1.C-
★画面右がはみ出していたら、画像をクリックしていただくとフル画面ご覧になれます(以下同じ)

「Cm」ですから、いちおう「ハ短調」の調性で記譜しましたので、原則シ・ミ・ラには♭をつけて弾いてください。「シラミはフラットで」です、はい。

1.Cm
「Cm」と書きましたがじつは「Cm7」あるいは「9」ですね。
例の「ド+ミ♭・ソ・シ・レ」という響きを充分味わうように、右手でド・レ・ミ♭・ファ・ソ…ハ短調の音階の下半分あたりの音域を中心に右手を転がしてみます。

テンポはゆっくり、というか、響きをずっと伸ばしたまま、何拍子で1小節にいくつ音符が入るか…などと考えずに自由に、クラシックでいうならカデンツァのような感覚で、ジャズの世界ならバラードの前奏でもつぶやくような感覚で…

2.AФ ハーフディミニッシュ
次にペダルを踏み替えて、左手で「A ハーフディミニッシュ」の響きを出します(右の2小節目)。
「ラ♭・ド・ミ♭」という長3和音の下の「ラ♭」が半音上がっている(=上下が減5度になっている)から「ディミッシュ」なんですが、そう考えると難しくなってしまうので…

さっきまで鳴らしていた「ド・ミ♭・ソ・シ」に「ラ(ナチュラル)」を加えただけなんです。でも「ド・ミ♭・ソ・シ」の間にではなく、下に「ラ」を鳴らすと、さっきまでとはガラっと違う世界に行ったように感じませんか? なるほど~、これが「A ハーフデミニッシュの響きか~」と味わっているうちに身体が覚えてくれるでしょう。

右手は、先ほどの「Cm」の時とまったく同じことをやってもちゃんといい響きになります(上の譜の2小節目)。不思議ですね。

そうしたら次に…

2.D~

3.D Ф ハーフディミニッシュ
「レ・ファ・ラ♭(・ド)」、またしてもハーフディミニッシュの響きです。
もともとハ短調の音階(自然的短音階)では「ラ」には♭がつき、「レ」はナチュラルですから、とくに変わった音じゃないはずです。ただ、ハ短調の中では基音「ド」から見てひとつ上、第2番目の和音なのでクラシックではあまり馴染みがないかもしれませんが、なんともズージャでいい響きじゃありませんか(?)
このあたりから右手はやや上昇系に弾いてみてもいいですね。

4.G7
先進国首脳会議ではありませんよ(笑)。「ソ・シ・レ・ファ」、シに♭がつかない明るい響きです。ハ短調の和声的短音階では「シ」は半音上がってナチュラルになりますね。

右手のスケールでは、上昇系の時は「シ(ナチュラル)」で、下降系では「シ♭」にすると旋律的短音階になりますが、その辺はわりと自由にやってもいいんじゃないかと思います。
低音の「G7」の響きの中には「シ(ナチュラル)」がいますが、スケールで「シ♭」をぶつけても違和感なくむしろいい感じに聴こえます。


この「G7」は「C」調の中ではいわゆる属七ですから基音「C(ド)」に戻りたくなる響きですね。ふたたび頭の「Cm」に戻って何度でも繰り返せます。

ちなみにここまでの「C→A →D →G→C」という4つのコードの動きは、「ド」を根音とする音階の何番目の音かを数字で見ると「1→6→2→5→1」という循環コードになっています(一部にディミニッシュが入ったりもしてますが)。

「C(ド)」を基音として見ると「A(ラ)」は音階の6番目ですが、ドの3つ下にいるともいえます。まるで兄弟のように行き来して響きを共有できるんですね。そしてその「ラ」から見て5度下に「レ」が、そこから5度下に「ソ」が、さらにその5度下に「ド」がいます。「1→6→2→5→1」とはそういう流れです。

この循環コードでしばし戯れた後で、シャンソン「枯葉」、映画音楽「ひまわり」や「オルフェの歌」、ロシア民謡「黒い瞳(黒い瞳のナタリー)」などをハ短調で弾いてみると、なんともバラードな気分が盛り上がってきます。

★すでにお気づきかもしれませんが、先ほど右手に書いた音符の並びだけを見ていただくと、最初はベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」の3楽章の出だし!?
そして2枚目の後半にかけての下降系のスケールは…あれ?、高さは半音ズレてますが、ショパンの「幻想即興曲」!?


そうなんです。こんな風にクラシックの名曲のメロディでも、ズージャな響きの上にきれいに乗っかってくれるんです! 
クラシックをジャズっぽく…そんな遊びも色々できたら面白そうですが、コード循環の話に少し戻して…


お散歩のテリトリーを広げて…

「Cm」を中心とした「1→6→2→5→1」だけだと、たとえるならば棚田(千枚田)で同じ平面の田んぼだけを散歩して元に戻ってくる感じですが、もう少し違う高さのステージにも遊びに行ってみたくなります。
先ほど「G7」から頭の「Cm」に戻りましたが、「G7」から「Gm7」へちょっと響きを変えてみると…

3.Gm7~

「Gm7」では右手のスケールの「シ」に♭・「ファ」に♯がつき、ガラッと違った響きに変わります。高さそのものは変わっていないのに「色が変わった!」という感じに聴こえませんか?

そこから先、2小節目からは先ほど「C」の時と同じように3つ下(=6つ上)の「EФ(ハーフディミニッシュ)」へ、そして「AФ(ハーフディミニッシュ)」を経て「D7」へ。先ほどとは違う高さにお散歩のテリトリーが広がりました。


◆ふたたび「C」に戻る道

さて、でもこれをどうやってもとの「Cm」に戻したらいいのか?
「D7」からいきなりひとつ下の「C」に持っていくのはかなり違和感がありますね。

これはベートーヴェンもよく使った手ですが…
「D」から5度下にある「G7」へはスムーズに行けますね。この「G7」という響きは、ハ長調またはハ短調の「属七」ですから、5度下にある「C(ド)」に必然的に帰りたくなる響きですね。

4.G7

こんな風に「G7」の響きで中継ぎして、最初の「Cm」(ハ短調)に戻ってもよし、明るい「C」(ハ長調)にもっていってもいいですね。めでたく元の「C」に戻ったところで、今回はここまで。


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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

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