ドキュメンタリー映画「うたごころ2012」を観てきました

7月6日(土)

関東でも梅雨明け宣言が出されて猛暑日となった7月6日、日比谷公園で今年最初のニイニイゼミの声を聞きました。

日比谷図書文化館コンベンションホールにて、
ドキュメンタリー映画「うたごころ2012年版」 を観てきました。

うたごころ2012a

監督の榛葉健さんは、以前このブログでもご紹介したことがありますが、大阪のあるテレビ局に勤務され、阪神・淡路大震災の時に現場の最前線で取材をされたジャーナリストです。

管理職となられて現場の第一線に立つ機会は減りましたが、「現場に入らなければ分からない」という信念は変わることなく、ホームビデオカメラを手に休暇を取って被災地に通ってこられました。

うたごころ2012b

ドキュメンタリーは、あるミュージシャンが「とにかく被災地に行かなくては」と南三陸へ向けて車を走らせる姿を追うところから始まります。

見渡す限り瓦礫の山となって変わり果てた街に言葉を失うミュージシャン。風の音、海のとどろき…
学校の体育館で行われたコンサートで、ひとり涙を流して「翼をください」に聴き入っている高校生の少女と出会います。その少女は高校で合唱部に所属していました。

自宅を丸ごと流されてしまったその少女は、幸い無事だった母親・父親との絆をいっそう深め、生きていることに感謝し、津波から一緒に逃げた友達に感謝し、素晴らしい笑顔で「せめて自分にできることを」と前に向かって生きます。
「何かあったら、自分が… たとえ自分の命を投げ出しても、父ちゃん、母ちゃんを助けるつもりです」と。 
 

出会い1 出会い2 
   出会い3 出会い4
「うたごころ 2011年版」より
 ★4枚いずれも、クリックすると大きな画像でご覧になれます


一方被災地では、生きる希望を失って「死にたい」と口にされる方、自ら命を絶たれてしまう方もいらっしゃるといいます。


被災地・宮城県南三陸町に通い始めて、2年目。
いろんな人たちから話を聞いた。
一見、元気そうに見える人がポツリとつぶやく。
「死にたい」―

表には出ない本心。ある年配の女性は、津波で夫を亡くし、
自宅と水産加工の小さな工場を失った。
仮設住宅で一人寂しく暮らす。
「生きていてもいいことが無い。他人様の世話にならなければ生きられない自分は、もう生きる価値がない。だから死にたい」と。

返す言葉が無かった。
先進国・日本の片隅で、
せっかく生き延びた《いのち》が追い詰められている。
私たちの国は、社会は、いつこらこうなってしまったのか―
私たちは、幸福なのか―

…(後略)


榛葉健さんがプログラムに書かれていたメッセージの前半部分を、原文どおりご紹介させていただきました。


テレビでは伝えない、伝わらない「真実」がそこに…

このドキュメントは、テレビとは違った演出手法で、あえて劇的に盛り上げるような音楽も説明のための膨大なテロップも入れず、ナレーションも最小限になるべく自然のままの音声を活かして制作されています。ありのままの被災地を伝えるために。

震災のあった2011年が過ぎて明けた2012年の元旦、海から昇る初日の出は異様に美しく、まるで海で亡くなった人たちの魂が太陽の光の中から見つめているように思え、およそ6分に渡って東の空に向けてカメラを回し続けたそうです。

榛葉健さんはその6分を編集で縮めたり加工することがどうしてもできず、ノーカットで見せるために6分の音楽を作ってくださった方がいらっしゃったそうです。

また震災から1年目の3月11日、被災地各地の風景を撮った画像の中に、砂浜にささった1本の「風車」を見つけてシャッターを切った写真がありました。私も知らなかったんですが、「風車」とは元来、水にまつわる場所で亡くなった幼い命のためにたむけられるものなんだそうですね。

榛葉健さんは、こういう現場で実際に目にしたひとつひとつの小さなものが発するメッセージ、声なき声を聞き、テレビや新聞が報じない、仮に報じたとしても多くのテレビ番組のような手法ではなかなか伝わらない「真実」を追い求めていらっしゃいます。


上映のあとで

2011年から大阪・東京など各地で「うたごころ」は上映され、この8月には横浜でも上映されますが、このプロジェクトは学生のボランティアをはじめ多くの方たちの輪で支えられています。みなさん素晴らしい笑顔ですね!

P7062476.jpg 

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榛葉健さん(左)と、ドキュメントの主役さんと…

ドキュメントの主役、震災当時高校生だった彼女は、いまは東京の大学の国際学部に通われ、将来は国際ボランティア支援を目指していらっしゃいます。

P7062502.jpg P7062505.jpg 
★すべて、画像をクリックすると大きな画像になります


詳しくは、facebookの「うたごころ」のHPをご覧ください。
ひとりでも多くの方に、被災地でなければ分からない人生があることを、忘れないでいただけたら…

頑張れ、心ある民間人!広げよう「人」としての暖かい心の輪!
「せめて自分にできることを!」を合言葉に!

そしてもうひとつ、「音楽の力」を信じて!
来週の今ごろ、私も参加しているオーケストラが、二戸・福島を訪ねます。

「コバケンとその仲間たちオーケストラ in二戸・福島」


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あらためて

映画を観てから一夜明けました。
スポンサーがつき、番組制作者がさまざまな「仕掛け」を作って「感動」を創りだすものが多く溢れている昨今、テレビ局に長年勤めながらも常に「真実」を追い求めようとする榛葉さんの姿勢に感銘を受けました。
ここには残念ながらご紹介できない撮影裏話もいろいろあるようです。

何もないところからも小さな幸せを見つけて感謝し「せめて自分にできることを」と美しく生きる生き方と、
本質的なことを見ず・知らず・考えることなく自分の利権だけを追い求め人を蹴落として生きる生き方と…

震災後の日本でも、人間の大極が大きく2つに分かれていることがよりはっきりしてきてるように思います。

映画に足を運ぶ途中の日比谷通りでも選挙に向けて党・候補者名を連呼する車がいました。

私がこの記事の最後に「頑張れ、心ある民間人!」と書いた言外の意味を、どうか感じとって下さい。
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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