渋谷のDJポリス

6月8日(土)

きのう7日(金)の朝日新聞朝刊「天声人語」に、思わず微笑んでしまい、今どきの若者に声援を送りたくなるほっこりする記事を発見しました。

舞台となったのは、サッカーWカップの予選に湧いた4日(火)晩の渋谷駅前。
「DJポリス」として声援を浴びたのは、まだ20代の若い警察官でした



天声人語2013.6.7「DJポリス」★クリックすると大きな画像でご覧になれます。


携帯・スマホなどで画面文字が見づらい方のために…

6月7日(金)朝日新聞「天声人語」

その警察官はネット上で「DJポリス」と名付けられた。サッカーの日本代表がW杯一番乗りを決めた4日夜。東京の渋谷駅前交差点を埋めたファンを、指揮車の上から誘導し、喝采を浴びた▼「警備にあたっている怖い顔をしたお巡りさんも、皆さんと気持ちは同じです。皆さんのチームメートです。チームメートの言うことを聞いて下さい」「お互い気持ちよく、きょうという日をお祝いできるよう、ルールとマナーを守りましょう」▼騒然とする若者らへの呼びかけが傑作だ。映像で見ると、路上から驚きの声や笑いが起こり、「お巡りさん!」コールが広がった。「声援もうれしいですが、皆さんが歩道に上がってくれる方がうれしいです」と返すDJ。こんな光景は珍しい▼集う人々を警備の対象としてだけ見るのではない。喜びと高揚をともに感じている同じ人間として、協力を求める。そこに当意即妙の才がのぞく。理より情への訴えが、共鳴を呼び起こしたとも思える▼DJは20代の機動隊員だ。警視庁によると、当日の言葉はすべて自分で考えた。「人の心に響く。琴線に触れる」を心がけ、現場の状況や人々の年齢に合わせて柔軟にアレンジしたという。力量のある前線が信頼されて働く姿は気持ちがいい▼劇的なPKを決めた本田圭佑(けいすけ)選手が5日の記者会見で言った。「どうやって自立した選手になって『個』を高められるか」。たぶんDJもそんな気概の持ち主だろう。若い人たちにいいものを見せてもらった。





DJポリスのおっしゃる「人の心に響く、琴線に触れる」は私も目指したいコミュニケーションの理想。しかし、これがなかなか難しいのです。


ふつう警察が拡声器で呼びかける場合…

「こちらは渋谷警察です」…そりゃここは渋谷だからね
「本日は大変混雑しております」…うん、見りゃ分かるよ!
「車道は通行できません」…はいはい、分かってるよ!
「速やかに歩道に上がってください」…だから分かってるよ!!上がりたくても動けねえんだよ!

これを繰り返しても、お互いにイライラしてくるだけですよね。
繰り返す警官も人間。「取り締まる側」対「取り締まられる側」という立場の違い、「ルールとマナーを守れない群衆」=「けしからん」という思いも募ってくるでしょう。
しかし杓子定規のルールを上から目線で言われれば、だれしも反発を覚えるだけです。しかもこの混雑じゃ動きたくても動けない、というイライラも重なってくるでしょう。



ところが、この20代の「DJポリス」さんの素晴らしさは、いかにも警察のお決まりの呼びかけアナウンスの形を思い切り破りました。耳に止めた人が「ん?何だ!」と注目します。
駅のアナウンスでもそうですが、お決まりの場所でお決まりのアナウンスを繰り返しても、もはや人は新鮮な「メッセージ」としては聞かず、騒音の一部になってしまいがち。この警察らしからぬ型破りのDJ風の呼びかけにまず勝負あり!

そして「怖い顔をした警察官も皆さんと気持ちは同じチームメートです」と伝えることで、説得する側とされる側の距離がぐっと縮まります。
そこで「お互い気持ちよく、きょうという日をお祝いできるよう、ルールとマナーを守りましょう」というメインディッシュを提案型で出しました。

これには、おそらく渋谷の群衆たちも大ウケしたことでしょう。私ももしその場に居合わせていたら思わず笑ってしまって拍手したことでしょう。

そして最後の極めつけが、路上から驚きの声や笑いとともに「お巡りさん!」コールが広がると、「声援もうれしいですが、皆さんが歩道に上がってくれる方がうれしいです」と返すDJ。

これらの呼びかけ言葉はすべて自分で考えたといいます。 役目をもらった自分が人気者になることが狙いではなく、いかに相手(群衆)に伝えるか、行動してもらえるかを考えた結果でしょう。いや~、お見事!説得術の鏡ですね。

若者の街渋谷に勤務するまだ20代の警察官の奇才に、私は希望の光を見ました!



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こんにちは。Facebookからきました(*^_^*)
この警官さんは、かなり頭の良い方でしょう。機転がききます。広報担当だとか。
アドリブで呼びかけるなんて普通できません。
警察や機動隊のイメージは怒鳴る・強行突破なイメージで、血気盛んな若者はそれを破ることで権力に従わないかっこよさを示します。
その若者を若い警官がうまくあしらい和ませた。きっと、この警官も怒鳴りたくなるような場面が多々あったはずです。それを抑えあのような誘導をこなすのは私には出来ない。
警官の威厳が!という人もいますが、今回は犯罪対策ではないのでいいと思います。
もちろん凶悪犯罪には強気な姿勢で進んでいってほしいですね。
しかし、次回のスクランブル交差点の交通誘導はプレッシャーがかかりますね(笑)

Re: タイトルなし

Saoriさん、ようこそ!

広報担当の警察官でしたか。なるほど。いい意味での「型破り」がこれからは求められますね。
次のスクランブル交差点担当者にプレッシャーがかかる、なるほど(笑)
若者の街渋谷の表玄関が、警官の機知を競うライブステージになってもいいかもしれませんね。
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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