B6タイプ機関車 ついに完成!

2月24日(日)

昨年11月に下回りから手がけ、12月ごろに上まわりの製作記を書いたB6タイプ機関車が、年をまたいでようやく完成にこぎつけました。

外観1 外観2
★クリックすると大きな画像でご覧になれます

完成までかなり時間があいてしまったので、前の製作記事はこちら(クリックすると別のタブで開きます)
*B6機関車(1)工作ことはじめ
*B6機関車(2)下まわり
*B6機関車(3)上まわり


製作途中の画像を振り返りながら…

もともと上まわり関連で手元にあった部品はこんな感じでした。

上まわり パーツ寄せ集め

ボイラー、キャブ・水タンク側面、石炭庫後面、ドーム(蒸気溜め)、煙突(数種)…
下まわりの動力とあわせて、「よし、B6をつくってみようかな」という気持ちになってから主に珊瑚模型のパーツを個別に入手したのが、ドーム(砂箱)、スプラッシャー(第一動輪の床上カバー)、蒸気安全弁など。いわば寄せ集めのパーツとそれ以外は手作りです。


キャブ内

前回ご紹介したのに続き、焚き口(バックプレート)周りの配管を少々加えました。

B6上まわり3 キャブ内

車体右前方の煙室から主蒸気管がキャブ内まで達しています。あ、蒸気の流れからするとこの表現は逆ですね。
ボイラー内でお湯を沸かして発生した蒸気は、ボイラー中央のドーム(蒸気溜め)にまず貯められます。そこから安全弁を経てキャブ内に入り、圧力計やバルブを経由して、キャブ右から前方へとボイラー外側に沿って伸びていき煙室内へ、さらに煙室内で左右に分岐して蒸気シリンダーへ…というのが蒸気の流れです。

一応キャブ内まで表現するにあたり、主蒸気管がボイラー外側に向かって出て行く付近にバルブ形状のパーツが来るように、ボイラー中央から0.7ミリ真鍮線を右側の運転席前方へ引き出しておきます。

バックプレートの中央上には圧力メータ-。キャブのすぐ前には先ほどの蒸気安全弁があり、操作用テコがキャブ内に入ってきます。圧力メーターとテコがぶつかることなく近くに来るように配慮します。

バックプレートの中央上部には蒸気加減弁(スロットル)のレバー(てこ)が右側(機関士側)に伸びています。0.8真鍮線と1ミリ幅の真鍮帯でそれらしく表現しました。

前回の記事で紹介した一部かき取られた水タンク、その階段状の部分に設けられる簡易な運転席は、塗装後に接着剤で取り付けました。

キャブ内 キャブ内2up

屋根板は取り外し式とし、木目シートに筋目をつけたものを貼り、オイルステインで仕上げました。

*ダイキャスト製のバックプレートは、今後また小型蒸気を作るときに欲しくなるので、シリコン系の型どり材で型をとっておきました。
型どり


機関車の「顔」、煙室まわり

煙室の前面は扉(=煙室戸)で、「機関車トーマス」の仲間たちはここが「顔」になっているぐらい、機関車の表情を決定づけます。
この煙室扉は薄い真鍮板のプレス製で、なんと一個100円!これなら仮に失敗しても惜しくないので、開閉式にすることを試みました。

煙室扉1 煙室扉2

一体プレスで表現された上下のアーム部分を切り落とし、1ミリ幅0.2ミリ厚の真鍮帯をヘアピン状に曲げたものを内側からハンダ付け。ヘアピン状のパーツはあらかじめ0.7ミリ真鍮線をガイドに作り、上下2つを通した状態で扉内側からハンダ付け。

煙室3

煙室扉が開くようになったということは、当然ながら中が見えるということです。
あまり見えるところではありませんが、いちおう蒸気機関車の基本構造をふまえて最低限のものを…

B6上まわり1 B6上まわり2
2012年12月暮れごろ


実機では、煙室とボイラーとの境目は板で仕切られていて、熱気を通す細いパイプ(加熱管)の丸い切口がたくさん見えています。
煙突の真下には、蒸気を煙突に向かってブロー(吹き上げ)させる吹き出し口があります。これによって煙室内の気圧が下がり、後方の火室で石炭を燃やした熱気が細いパイプを通って煙室までやってきて、途中のボイラーでお湯を沸かすのです。
正面の煙室戸は中央にハンドルのついた大きなハッチのようなものです。煙室戸ハンドルの内側にはカンヌキと呼ばれる受け(棒状で真ん中に横長の穴が開いている)が横一文字に渡されています。

そんな実機の基本的な構造をふまえて、あまり凝り過ぎない程度に一応それらしく…

煙室4

ボイラーとの仕切り板は、真鍮板にいくつもドリル穴を開ける手間を省いて、厚紙に丸ノミで穴を開けたものをボイラーとの境目リングにボンドで貼りました。

蒸気吹き出し口は、シリンダーのような何かの部品を切り取り、1ミリ厚の真鍮板にハンダ付けしただけの簡易なものです。B6型の吹き出し口がこんな形だったかどうかは不明ですが…
開放口に横一文字にわたっているカンヌキは、2ミリ幅の真鍮帯からけっこう手間をかけて作りました。

煙室a 煙室b

煙室内は後から塗装するのが面倒なので、ボイラーに固定してしまう前に黒染液で黒く染め、黒のプライマーを軽く塗っておきます。

また、扉の上に円形に沿った手すりは、左右それぞれボイラー脇へと折れ曲がり水タンクの前まで行っています。前面の半円部分を先に加工して取付座(割ピン)で固定したら、左右に真鍮線を折り曲げた状態にしておきます。ボイラー側の取付座も水タンクの陰にあり、組立後に手すりを差し込みながらハンダ付するのは難しいので、穴が真正面を向く状態で割ピンだけ先にハンダ付けしておきます。こうしておけば組立時に手すりを穴に差し込んで表面にチョンと固定のハンダを流すだけで済みます。

こうした作業の前後関係もあるため、作業ばかり急がず、たまに眺めてぼーっと考える時間も大切なんです(笑) 。


◆煙突

珊瑚模型にもバラ売りパーツとしてB6型のものはなかったため、ほぼ同時代の500型のものを流用しました。ただ、ちょっと背が高く細身であるため、中間のパイプ部分を3ミリほど切断して冠を差し込みました。

B6の煙突は、このような先端に円盤のようなリングのついた古い英国タイプが原型ですが、
後期はずんどうの筒型に交換されたものが多いようです。日本工業大学に現在動態保存されている2109号機も、西濃鉄道に移籍した頃の写真をみると筒型に交換されています。
ただ、今回はなるべく改造される前の「古典機」のイメージを大切にしたかったのです。


サンドドーム(砂箱)、蒸気溜め、蒸気安全弁

このあたりも珊瑚模型のバラ売りパーツやジャンクパーツを流用します。
B6の中でも、2100、2400、2500という形式、および後期の空気制御装置のついた機関車など、サンドドームと蒸気溜めの前後関係や位置は様々です。
本機は、2100・2400・2500いずれも原型タイプとし、図面通り前にサンドドームを付けます。

サンドドーム(砂箱)は台座をボイラーにハンダ付けしてから、砂まき管を0.5真鍮線でボイラーに巻きつけるように固定しつつ本体を取り付けます。
蒸気溜めは手元にあったジャンク部品のため、図面と合わせてみると若干細身ですが、高さ・丸みなど、見た目でまあ良しとしました。蒸気安全弁は珊瑚のパーツです。加減のテコがキャブ上部に入ります。


石炭も積んで、ついに完成!

石炭1 石炭2
煙室扉1 煙室扉2

小型のシールドモーターのおかげでスムーズに走ってくれます。


ナンバーとお断り

蒸気機関車は1両ごとに車歴・所属・改造などの歴史があり、同じものはありません。同じ形式でもその何号機、というところにまでこだわられる素晴らしいモデラーさんには笑われるかもしれませんが、私はあくまで「B6の雰囲気」で作りました。

当初「2100型の原型」を作ろうとしていたのですが、寄せ集めパーツのため、水タンクが微妙に長く、スプラッシャー(第一動輪のカバー)まで少しかぶっています。後でわかったことですが、この水タンク・キャブは「2400型」のパーツだったんです。

明治期に日本が発注してイギリスからはもちろん、ドイツ・アメリカからも輸入された汎用機で車両数が非常に多く、昭和40年代まで入れ替え用に活躍した長寿の機関車。
鉄道院~国鉄時代、さらに民間鉄道に移籍され、各鉄道会社のナンバーに付け替えられました。写真に残っているほとんどは、後に改良が加えられてコンプレッサ・エアタンク・冷却管などがゴテゴテついた空制化タイプ。

今回作ったのは、他の車両と連結させられるよう自動連結器の施された後という想定ではありますが、空制の装置はおろか、発電機さえつけていない「原型」。したがってヘッドライトも「ライト」ではなく、カンテラ型の「ランプ」を差し込むタイプにしてあります。

そんなシンプルな「古典機」には、やはり2100番台のナンバープレートをつけたかったのです! 
もはや特定機の原型当時の資料を探し当てることはとうてい不可能ですし、図面をよくよく見比べなければ2100型と2400型の違いもそれほどバレないだろう… 

いろいろ考えあぐねた末、「雰囲気でいいや」の割り切りで「2194」というナンバーを付けました。



それにしても模型というのは、やる気が出るまでけっこう時間がかかりますが、先を急ぎすぎてもだめ、時間をあけすぎてもだめ。
「そろそろ形にしなくては」と、無性に「作りたい!」とが交わる時が必ずやってきます。この「模型ギャラリー」で、また近々お目にかかれる時まで…


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Good!

いや~恐れ入りました!コツコツと時間をかけて、じつに素晴らしい趣味の王道です。
それにしても、明治時代に輸入された機関車って、いいデザインしてますね。機械美とでも言いますか。
塗装がまた綺麗に決まってますね。エアブラシをお使いなんでしょうか?

Re: Good!

昭和大好きさん

この機関車は「昭和生まれ」ではなく明治時代に輸入された機関車ですが、昭和大好き様にも気に入っていただけて光栄です(笑)。日本でもようやく最近ナショナルトラスト運動などにより「古き良きもの」を保存しようという動きができてきましたが、それまでは新しいものができると古いものはどんどん捨てられてきました。たしかに新しいものは最新技術を駆使して素晴らしいですが、壊れやすくて修理もきかない(次のものが売れるためにも壊れてくれないと困る?)ものが多いように思います。古いものはシンプルで、直しながら長く使えるし、最初に生み出された構造がそのまま形になった「美しさ」がありますね。
イギリスではそういうものを「産業文化財」という位置づけで大切にしていると聞きます。そういう発想が素晴らしいですね。

あと、お褒めいただいた塗装について。本文にも書こうかと思ったのですが、とくに小型の蒸気の場合、塗装でごってりさせたくないですね。
通常は真鍮の上にエッヂングプライマーを塗ってスプレー塗装します。真鍮に直接塗料を塗るとどうしても剥がれやすいので、まず透明のプライマーを塗ります。そして蒸気の場合ふつう黒をスプレーするわけですが、下地の金色が見えなくなるまで塗装するとどうしても「厚塗り」になってしまいます。
大型の機関車ならまだしも、小型の場合とくに細かい部品や手すりはすっきりシャープに仕上げたいですね。

今回は、まず金属黒染薬(ガンブラック=銃器類を黒くするもの)を使いました。金属の表面を酸化させて黒くするもので、これまでも台車など部分的には用いたことがあります。
ただ、すべてが真鍮なら同じ色に仕上がりますが、ハンダ付の部分・ダイキャスト・ホワイトメタルの部品はどうしても白っぽく残ります。そこでエッヂングプライマーの「黒」というのを今回初めて使ってみました。二子玉川のいさみや模型さんのおすすめ品です。どうせ塗らなきゃいけないプライマーそのものが黒だったらいい、という発想です。溶剤で好きな濃度に調整できますから、なるべく薄く塗ったほうが美く仕上がります。
これだけでもけっこういい雰囲気ですが、部分によって濃さ・艶にムラがでます。本物の蒸気機関車も、ボイラー・煙室付近・キャブ…と部分ごとに多少色艶は違うものですから良いといえば良いのですが、模型ではどうしても「汚らしく」見えてしまいます。

そこで、やはり最後にはつや消しの黒を吹きました。ただ、下地がもう黒いので、そんなに厚く塗る必要はなく、全体に均等な「つや消し」を施すための「よごし」「化粧」程度です。蒸気溜めドームや安全弁付近にはマスキングをして、せっかくのガンブラックによる金属肌を生かしました。そんな甲斐あってか、すっきりシャープに仕上がったのではないかと思います。


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Re: B6完成おめでとうございます

鍵コメさん

前回の製作記事につづき、コメントいただきありがとうございます。
蒸気機関車の構造に関して、私は正直詳しくありません。非公開コメントでも結構ですので、よろしかったらご教授いただけたら幸いです。
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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