チャイコフスキー「イタリア奇想曲」

2月18日(月) 更新

先週からのもくろみ通り、夕方5時に職場を脱出して都心に向かい、「イタリア奇想曲」の練習会に行ってきました。

近々ロンドンのオーケストラで、チャイコフスキーの交響曲3番、スラブ行進曲、「1812年」とともにこの「イタリア奇想曲」をレコーディングされるマエストロのもと、われわれは実験台となるべく集まり、最高のオーケストラレッスンを受けることができました。

平日の、しかも月曜日の6時という時間にもかかわらず73名ものメンバーが集まり、オンタイムに振り下ろし。
しかも、みなさんよく練習されていて音楽に対するイメージも豊かで、とても初回合わせとは思えない音! 本当に素晴らしいオケです。

イタリア奇想曲練習会


2月17日(日) 更新

ちょうど2週間前の日曜日、チャイコフスキー『イタリア奇想曲』について書きましたが、「本番なき練習会」はいよいよ明日18日(月)!職場を5時に出られるよう先週から調整してあるので、都内某所に直行します。

それにしても、演奏時間にして15分程度の曲で、打楽器(ティンパニを除く)のパート譜が7ページにも及ぶ曲って…単純に音符の数で比較したら、同じチャイコフスキーの荘厳序曲『1812年』よりも多いわけですね!

イタリア奇想曲(打楽器)

ちょっと大変な曲ですが、楽しみです。


<曲について>

2月3日(日)

年明け早々にドヴォルザークの交響曲8番について書いた中で、国名のついた楽曲について触れました。 メンデルスゾーンの交響曲にも「イタリア」と題されるものがありますが、たまたまイタリアで構想したというだけで、イタリアそのものをモチーフにはしていない、ということを書きました。

しかしこの「イタリア奇想曲」は、チャイコフスキー自身がイタリアで耳にした音楽をもとに、イタリアをモチーフに書いた曲です。

チャイコフスキーといえばロシアの人。なのに、なぜイタリア?
作曲家をリタイアして書いたわけではありません。

チャイコフスキーは生涯独身だったように思われますが、じつは弟子のアントニーナ・ミリューコヴァといちど結婚しているのです。しかし結婚生活はわずか3ヶ月しか続かず離婚。
そのことでかなり落ち込んでいたのでしょうか、気分転換に旅に出かけ、1879年の暮れから翌1880年の春までイタリアに滞在します。そこでイタリアの文化・音楽・風土に感銘を受け、ローマでこの「イタリア奇想曲」に着手しました。

チャイコフスキーにとってよき理解者であったフォン・メック夫人に宛てた次のような手紙が残っています。

「私は数日前から、民謡の旋律を基にして『イタリア奇想曲』のスケッチを書き始めました。この曲は輝かしい未来を持つであろうと思います。これらの旋律の一部は出版されている民謡集から拾い出したものであり、一部は街を歩いている時に私自身の耳で聴いたものです。」(1880年1月4日付けの手紙より)



曲全体は15分程度ですが、テンポの変わり目によって次の5つで構成されています。
打楽器もティンパニの他、シンバル・グランカッサ(大太鼓)・トライアングル・タンバリン・グロッケンが大活躍します。舞曲タランテラのリズムも登場し、色彩豊かに描かれています。

♪YouTube  ウラジーミル・フェドセーエフ指揮 モスクワ放送交響楽団
クリックすると新しいタブで開きますので、再生スタートさせたら再びこのページに戻って曲を聴きながら…


<第1部>
Andante un pocorubato(アンダンテ・ウン・ポコ・ルバート) イ長調、6/8拍子
トランペットとコルネットによる華々しいファンファーレによって開始される。これはチャイコフスキーが宿泊したホテルに隣接する騎兵隊の宿舎から(毎日)夕方に響き渡る信号ラッパの旋律からヒントを得たものといわれている。この後、表情は急に暗転し、管楽器による3連音符のリズムに乗ってロシア的な性格による流麗な旋律が、弦楽によって奏される。

<第2部> Allegro moderato(アレグロ・モデラート) 変ニ長調 4/4拍子
管楽器による美しい旋律が歌うように奏され、この旋律を基にした変奏と展開が行われる。
いかにもイタリアらしい明るい音楽で、つい「フニクリフニクラ」(鬼のパンツ)が出てきてしまいそうな節もある…。タンブリンが大活躍。

<第3部> Presto(プレスト) イ短調、6/8拍子
第2部からいったん冒頭のandannteに戻ったあと、曲はPrestoとなって展開する。打楽器群が活躍する。ここでは民族舞踊であるタランテラが用いられている。「シェラザード」を思い起こさせるリズムでもある。

<第4部> Allegro moderato(アレグロ・モデラート) 変ロ長調、3/4拍子
第1部における金管のリズムから開始し、木管と弦楽がアクセントの強い民謡風の旋律を朗々と奏される。 南イタリアの太陽をいっぱい浴びてカンツォーネを歌うように。

<第5部> Presto - Piu presto - Prestissmo(プレスト - ピウ・プレスト - プレスティッシモ) イ長調 - 変ホ長調 - イ長調、6/8拍子 - 2/4拍子
ここまで来たら最後まで一気に、ひたすら明るく派手に。シンバルは体力勝負!
最後はさらにアッチェレレンド、音楽勃発だ! イタリア万歳!


交響曲4~6番や「白鳥の湖」「ロミオとジュリエット」あたりのイメージからすると、この底抜けに明るい曲は「あまりチャイコフスキーらしくない」かもしれませんが、アンダンテの部分で3連符に乗って奏でられる弦楽器の重厚なメロディはいかにもロシア的です。

作曲された時期としては、交響曲4番を完成させてから数年後、荘厳序曲「1812年」が初演される少し前といったところです。バレエにも使われそうな踊りの要素が豊富に用いられているあたりも、さすがチャイコフスキーという感じですね。


◆あるマエストロが海外でレコーディングされるのを前に、有志のオーケストラが集まってこの曲に取り組みます。本番なき「練習会」は2月18日(月)夕方~、週明けの平日ですが、皆さん仕事をなんとか早退して集まることでしょう。 私も、大丈夫かな…?


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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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