難しいことは分かりやすく!

12月9日(日)

先日ひさしぶりに、私の尊敬するジャーナリスト・池上彰さんにお目にかかりました。古巣の局に収録のためにいらしていて、私も仕事中に廊下でばったりだったのでほんのわずかの立ち話しかできませんでしたが、「池上さんを見習うように、私もブログを書くときには“なるべく分かりやすく”を心がけてるんですよ」と。池上さんが「週刊こどもニュース」のお父さん役を演じてらした頃が懐かしいです。


「難しいことは分かりやすく、わかりやすいことは面白く、面白いことは深く」

この名言を残されたのは作家の井上ひさしさんです。(「面白く」と「深く」はもしかするとオリジナルでは逆だったかもしれませんが…)

井上氏の原作による「ひょっこりひょうたん島」をご存知でしょうか? ひょうたん島という限られた空間の「自治体」の中で繰り広げられるさまざまな出来事をミュージカル風に描いていて、子ども向けとは言え、けっこう深いテーマが散りばめられていたように思います。
放送はちょうど夕方の時間帯で、亡き母が台所で夕食のしたくをしていた思い出と重なります。

ある小さな町工場の社長さんが、もう先行きがどうしようもないことを悲観して明日には自殺を考えていたそうです。ところが夕方「ひょっこりひょうたん島」の中で、ドン・ガバチョの「あしたがあるさ」という歌をきいて自殺を思いとどまった、というエピソードがあるんです。
子ども向け番組が一人の命を救ったんです!

当時の日本はまさに高度成長に向かってまっしぐらな時代。大企業が大きく成長する一方で、町工場など下請けには厳しい困難がふりかかったことでしょう。そういう中にあって、自殺を思いとどまらせたのは、「お金」(=経済)の力ではなかったのです。


♪ 本当の豊かさとは?

このひとつ前の記事で、私が「経済」という言葉をマネーゲーム的な感覚でしかとらえていないのではないか、われわれ国民の生活基盤に欠かせない「経済」を否定しているのではないか、との誤解を受けた方がいらっしゃるかもしれません。

私は、本来の健全な意味での「経済」を否定するつもりはまったくありません。
マルクス経済、資本主義も本来は、自由な競争の原理によって企業が業績を上げることで、技術が進歩し、企業が潤うことで社会全体が発展し、国民が豊かになる…という原理だったはずです。

ところが、最近の政府が行う「経済政策」と称するもののほとんどは、大企業にばかり有利で、企業で働くわれわれ国民には還元されないものが圧倒的に多かったように思います。
その数々の例をあげながら、このブログを立ち上げた2010年の秋ごろから折に触れて、この「豊かさとは…?」のカテゴリでも綴ってきたつもりです。
あらためてその中から代表的なところを…

 → 続・豊かさとは(1)
 → 続・豊かさとは(2)
 → 続・豊かさとは(3)
 → お金で買える「もの」、お金で買えない「こと」
 → 「豊かさの敵とは?」



来週の総選挙に向けて、さまざまな政党が「経済政策」「景気対策」を掲げています。
われわれ国民の生活基盤に「経済」の活性化は欠かせません。

しかし、「日本を元気にする、経済の立て直し」といった美しい言葉を、消費税を値上げするための担保とさせないように、大企業と政治にばかり都合のよい経済政策をこれ以上続けさせないように、各党の主張をよく聞いて、国民に豊かさを分かち合える政策を打ち出そうとしているのは誰かをよく見極めましょう。

「民主がダメだからやっぱり自民かな~」といった“勝ち馬に一票”ではなく、自分の価値観で大切なことをきちんと主張しているのはどの政党で、たとえ少数派であっても議席数を増やせば国会での質問時間も増えるという民主主義の原則をよく理解して、清き一票を投じようではありませんか。

そしてわれわれ国民も、目先の利益ばかりを追い求めるマネーゲーム感覚や、変動する株価や外貨の数字だけで「景気」を捉えることなく、自分らしい生き方・分相応のお金の使い方をよく考えて、「本当の豊かさとは何か?」をしっかり見つめていきたいと思います。


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まさしく同感です!

ひとつ前の記事へのコメントにご丁寧な返信コメントありがとうございました。
今回の記事も、まさに私の思うところをズバリ分かりやすく書いて下さってますね。

お伺いしづらいことながら前から思ってたんですが、もしかして第一楽章様も共産党を支持されてらっしゃいますか?

ブログで個人的な支持政党の話はどうかと思いましたが、私の故郷は関西で、古い伝統と地域社会を大切にしてきていて、共産党支持者が比較的多いんです。

こちらのブログをずっと拝見してきて、音楽を通じて「ともに生きる」をテーマにされ、「豊かさとは」では大企業中心の「勝ち組」指向ではなく弱き者に焦点を当てられ、感動でも知識でも「分かち合う」お人柄が随所にお見受けできます。

また最近の記事では、日本の過去の過ちを認めることの大切さにも触れられてましたね。

戦後のアメリカべったりの資本主義・自由主義で来た自民党型の政治ではなく、目指すべき社会を考えると、私ときわめて似た発想に行き着かれるのではないか、「少数派にもせめて2桁台の議席を」と書かれていたので「もしや?」と思ってあえて書かせて頂きました。

お答えを公開されなくても構いません。先日鍵コメしたアドレスにでもご連絡頂いて、もっと色々お話しできたら嬉しいです。

Re: まさしく同感です!

昭和大好きさん

ありがとうございます。分かる方には通じるもんですね!
私はとくにどの党を支持する、ということはない、いわゆる無党派層だったんですが、ここ何回かの選挙ではほかにこれといった候補者が思い当たらないことが多く、共産党に1票を投じています。

まちづくり・助け合い・地域社会…そういう発想を延長していくと共産的な発想になると思います。
東京の下町や京都など、昔ながらの伝統や地縁的なつながりを大切にしている場所では共産党が票を伸ばしていますね。

よく「共産党は赤だ、危険だ」などと言われるのはなぜでしょう?中国の共産党のイメージが強いからでしょうか?
太平洋戦争へと突入していく軍事政権下の日本において、人の命を大切にし、戦争に反対して平和を唱えていたのが共産党でした。戦争に反対を唱える文学者らもいました。そういう人たちの思想は、当時の(戦争への)イケイケムードと軍事政権にとってはとても「危険」で「恐ろしい」考え方だったのです。だから「赤だ」などといって憲兵に連れ去られたのです。

憲法9条を改正して自衛隊がもっと活動できるように、という動きがだいぶ前からありますが、一貫して反対しているのは共産党です。

戦後できた平和憲法は、まさに戦前から共産党が主張してきたことだったのです。この平和な日本において、共産党を「危険だ」などと言われるのはまったく理解に苦しみます
平和憲法の根幹を揺るがし、自衛隊を「国防軍」と呼ぼうとか、中国や韓国・北朝鮮に対して「毅然とした態度で臨む」ためには戦争をも辞さない石原氏などの方がよっぽど危険です!

平和を愛し、人々の助け合い、富を持ちすぎた人が苦しい人に分かち合う発想の共産党を危険だなどと言う人は、なにもわかってないんだなと思いますね。

いま数ある政党の中で、なんだかんだ自民党からのれん分けしたような党がたくさんあります。そういう人たちが、選挙のときだけ国民に向かって「消費税反対」と訴えていても信用できません。民主党もそうだったですね。結局なんだかんだ、無駄を温存させて自分たちの座を確保し、それを税金でまかなおうという発想は根本的に自民党と同じですから。

あと、与党が何か重要事項を審議しようとき、野党は決議に欠席しますね。あれって民主主義の原則違反でしょう?反対ならどうしてちゃんと決議に主席して反対票を投じないんでしょうか?
国民に対しては「与党のやることはけしからん、話にならん」とボイコットする姿勢を見せてますが、決議に欠席しても過半数の与党が全員賛成したら通ってしまうんです。少なくとも自分たちの党は賛成には回っていないというポーズを取りつつ、与党の思うとおりに進んでいく。そういう筋書きなんじゃないか、とさえ思えてしまいます。

その点、一貫して決議にちゃんと出席して「反対」を唱えてきたのは共産党だけではないでしょうか?
共産党は日本で90年の歴史をもち、主張も行動も一貫しているように私には思えます。
今すぐ政権を取らなくてもいいですが、せめてこの自民党型の政治家中心・大企業中心の流れに待ったをかけ、再び戦争への過ちを繰り返しかねない流れはなんとしても止めなくてはいけません。

投票まであとわずか。おっしゃるとおり個人のブログであまり支持政党の話はふさわしくないかもしれません。でもそこをあえて尋ねてくださった昭和大好きさん、とても的を得ていますね。嬉しいです。
個人の発信するブログで、あまり政治的に偏った記事はいまは好まれないでしょう。でも、基本的にブログには個人の意見・考えを表現していいはずです。
匿名で人をののしったり汚い言葉で誹謗抽象する無責任発言よりも、自分の考えをきちんと書くことは大切だと思います。

もしよろしければこの話題、あらためて記事として書いてもいいと思っているので、いただいたコメントを全文囲みでご紹介してもよろしいでしょうか?






さっそくありがとうございます

第一楽章さま

さっそくご丁寧にありがとうございます。
私としてはこのコメント返信ですでに充分なお答えをいただきましたので、決してご無理でなくて構いませんが、あらためて記事に書いていただけるんでしたら楽しみです。私の稚拙なコメント文でよろしければ、どうぞご自由にお使いください。

世の中全体に、共産党に対する大いなる誤解があるようですね。一昨年の「派遣村」の記事を書いてらっしゃった時に、もしかして第一楽章様は本質をわかってらっしゃる、と思ったんです。「ともに生きる」「相互扶助」といった発想が、戦後の自民党政権・自由主義・資本主義のもとでどこかに置き去りにされてしまったように思いますね。

おっしゃるとおり、審議にちゃんと 出席して「反対」の意思を表示し、平和憲法を守ろうという姿勢を一貫してきたのが共産党です。

今回の選挙を「民主には裏切られた」「やっぱり自民かな」「維新の会もまともなことを言ってそうだな」という流れにしたくない一人として、第一楽章さまのお考えにすべて賛同いたします。

Re: さっそくありがとうございます

昭和大好き様

けさご了承をいただき、さっそくあらたな記事を投稿して出かけました。本文にも書きましたが、共産党にも色々と問題がないわけではありません。でも、戦後の長い自民党政権の中で資本主義の歪みがあちこちに出ている中、少数派ながらしっかりしていて欲しいという願いを込めています。
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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