『天心の譜』 そして 今よみがえる『方丈記』

10月22日(月)

朝日新聞の夕刊に、「天心の譜」の記事が掲載されました。

朝日新聞2012.10.22 *クリックすると大きな画像でご覧になれます



10月21日(日)

映画「天心の譜」を家族(かみさんと娘2人)と一緒に観てきました。

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2005年にスタートした「コバケンとその仲間たちオーケストラ」。その熱い練習風景、障がいをもちながらも音楽に取り組むメンバーの姿。

そして今回の映画のもうひとつの主役は、小栗監督率いるスペシャルオリンピックスのアスリートたちを追った映画「ビリーブ」の撮影クルーたち。

この2つのグループが出会ったのは、06年、スペシャルオリンピックス熊本大会に向けて行ったコンサートでした。

障がいのあるメンバーも一緒に演奏に加わり、世界でひとつだけのオーケストラが生まれた「こころコンサート」。そこに向けて真剣に練習に取り組むスペシャルメンバー、マエストロの熱いリハーサル、それを追うビリーブのクルーたち。

そして2011年3月に起こった東日本大震災。小林先生の生まれ故郷である福島県いわき市で、二度と使われることのない音楽室のピアノを静かに弾いて想いをめぐらせる小林研一郎先生。そして、絶望の淵からも立ち上がろうとする被災地へと広がる音楽の輪。



コンサートの収益金から、いわき市の中学校には筝とピアノが贈られました。
そのピアノを弾きながら、作曲家としての道を順調に歩んでいたベートーヴェンを突然襲った耳の病の話をされました。
もうこの世も終わりかと思える絶望の淵からベートーヴェンは立ち直り、人に感動を与える曲を書き続けていったのです。そして小林先生がまだ小学校4年生のとき、ラジオから流れてきた「第九」を聴いて小林先生は「音楽家になろう!」と決意されたのです。

どんな絶望の底からでも、人を幸せにするメッセージを発することの大切さ。

最後に語られたのは、「ゆく川の流れは絶えずして…」で始まる鴨長明の『方丈記』でした。
この世にはさまざまな出来事がやってくる。「無常」(「無情」ではなく「無常」)、常にあるのが当たり前ではないということ。災害も突然やってきます。でも、日本は戦争でめちゃくちゃにされてもそこから復興して立ち上がった。その時は辛い体験でも、大切なものに気づき、また立ち直れるんだということ。



仲間たちオーケストラの演奏する曲にのせて、あまり多くを説明することなく、あえて劇的なナレーションで感動を強要することもなく、ひとりひとりの語る言葉を中心に淡々と描かれていたように感じました。

TVの特集番組のように「(現状を)知ってもらう、グループや人、活動の経緯を紹介して分かってもらう」ためのドキュメントとは一味違った、「音楽の力」を通じてどんな境遇の人たちともひとつになれるんだ、という大きなメッセージを「感じ取っていただく」映画だなと私には思えました。

ロードショーはまだ始まったばかり、27日(土)からは六本木でも上映がはじまります。詳細はこちらから…
 http://cinema-d.com/ 


今よみがえる方丈記 ~日本最古の災害ルポルタージュ~

小林先生がいわき市の中学で『方丈記』のお話しをされたのは、2011年の秋。
そして「天心の譜」のロードショーから2日目、映画を観てきた同じ日に、まったくの偶然でしょうか、NHKのETV特集では「今よみがえる方丈記」という番組を夜10時から放送していました。 http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2012/1021.html

ジャーナリストの鳥越俊太郎さんいわく、「『方丈記』は日本最古の災害ルポルタージュである!」と。
京都の下鴨神社の宮司の息子として生まれた鴨長明は、神社内で「言葉」を祀ってある社にも親しんでいたといいます。そして幼い時から天変地異や社会の激動を目の当たりにします。
安元の大火(1177年)、元歴の大地震(1185年)、竜巻、さらに深刻な飢饉によって次々に倒れていく人たち…それらを庶民の目で生々しくとらえ克明に記しているのです。

やがて伏見の山中に隠とんした鴨長明は、1丈(約3メートル)四方の小さな庵(いおり)で『方丈記』を書き上げたのです。
世の「無常」さをまざまざと見せつけられた鴨長明が、無常な世の中にあって「人はどう生きるべきか」を、800年の時を超えて現代に語りかけてくるように思います。

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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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