日本テレビ、ザ! 世界仰天ニュース、なぜ・・・・女子大生は殺されたのか?

今から13年前の1999年に起きた「桶川ストーカー殺人事件」を覚えてますか?

21歳の女子大生が、知り合いの男性から度重なるストーカー行為を受け、自宅前や学校内に誹謗中傷のビラをまかれ、「殺すぞ」とまで脅され…
恐怖の日々の中、両親と一緒に何度も埼玉県警上尾警察署に相談したにもかかわらず、警察はまったく本気で取り合ってくれず、ついに殺人事件という結末に至ってしまった…

その事件を再現ドラマで追いながら、当時の埼玉県警・上尾警察署の対応ぶりをあらためて浮き彫りにした番組。

番組が始まって少したってから観はじめたんですが、13年前の桶川事件のことを私ははっきり覚えていたので、CMの合間に事件の概略を娘たち(中2・小1)にも伝えながら、結局最後まで観てしまいました。
 

◆私の脳裏には重なる事件が…

今年2012年4月に千葉(習志野)・長崎・三重にまたがるストーカー殺人事件が起きました。その事件の経緯についてはNHKの「クローズアップ現代」でもとりあげられましたが、私の頭には真っ先に「桶川事件の教訓が全く生かされていないな」と、警察の対応ぶり・体質に憤りを覚え、このブログにも記事を書きかけていたのです。

でも、ブログにこの手の暗い事件の話題を書いても皆さんあまり反応していただけないだろうし、こちらも少なくとも愉快な話題でないし、ほかにもっと書きたいテーマもあるし…、ふつふつとした思いは閉じたのです。

でも今日の番組を見ていて、その怒りの本質は間違ってなかったと確信しました。

なぜ今になって13年も前の桶川事件を再現ドラマ仕立てで制作したのか?
やはり今年4月に千葉・長崎・三重にまたがって起きたストーカー殺人事件における事前の警察の対応ぶりについて、桶川事件の被害者の父親へのインタビューで番組は結ばれていました。

「警察はあてにならない、事件が起きるまで結局何もしてくれない、よけいな仕事は増やしたくない、偽造・隠蔽までやる」…それが警察なんだ、ということでしょうか?
被害者の父親から最後に発せられた「情けないですよね」という言葉が印象的でした。


そもそも何のためにできたストーカー防止法?

「ストーカー防止法」は、いわばこの桶川事件をきっかけに国会で緊急に成立させた法律。
しつこくつきまとったり、身の危険を感じさせるような行為があれば「恐喝」「脅迫」あるいは「暴行」「迷惑禁止条例」など既存の法律や条例で対応することは充分可能なのです。
でも警察は、殺人や傷害といった重大事件が現実に起こってからでないと動かない、ということ。その警察を一刻も早く動かすために作ったような法律だと私は思っています。

実際のところ、考えてみてください。「ストーカー」の具体的な定義はなんでしょうか?
「(女性などに)しつこくつきまとうこと」としていくつかの主要な具体例が挙げられていますが…
たとえば好きな女の子を学校帰りに「待ち伏せ」して何度も「告白」したり、下駄箱や筆箱(相手の所有・占有)に手紙をしのばせたり…健全な男子でもやりましたよね。それを「犯罪」として取り締まるんですか?

警察は基本的には民事には不介入が大原則ですから、男女が付き合うか・別れるか、といった私人間のことにいちいち関われないという面は否定できません。

問題は、相手が本気で嫌がっているのを分からない、ワガママ、自己中、嫌がらせ、不安や不快感や恐怖を与えるかどうか。 しかも凶悪事件にまで発展しかねない危険性を感じるというのは、よほど加害者側にに異常性が認められるからです。
そこを警察は「プロの目」で見抜いて、本気で被害者を守ろうと対応してくれるかどうかです。


あまりにも軽い「ストーカー防止法」の落とし穴

「つきまとい行為」の定義については条文でもいくつか具体的に挙げていますが、いずれもそれだけを取締っても罪刑は軽いものです。

ストーカー防止法違反で有罪になり実刑となっても、最高刑は「6か月以下の懲役、または50万円以下の罰金」(再犯の場合いずれも倍)です。
 
仮に「ストーカー防止法違反」の段階で「逮捕」しても、初犯では不起訴、あるいは起訴猶予になる可能性が大いに考えられます。またもし起訴されても裁判で無罪になる可能性もあります。仮に裁判で「有罪」となっても執行猶予がつく可能性もあります。
 
好きな女性から嫌われてもつきまとい、別れ話を持ちかけられてかえって執拗になり、見込みがないと知って逆恨みをもつようになる…という加害者が出来上がっていくプロセスにおいて、かえってそれ自体軽微な「ストーカー防止法」で取り締まろうとすること自体に無理があります。警察からの警告で止まる程度のストーカーならばいいのですが…

むしろ「オレが何をしたって言うんだ」と逆ギレされて、さらに凶悪な犯罪へと急展開する危険さえ秘めているのではないかと。
その心配が現実のものとなってしまったのが、千葉(習志野)・長崎・三重にまたがる殺人事件ではないかと私は捉えています。

あの事件も、千葉県警の違う部署にたらい回しさせられ、被害届をなかなか受理してもらえず、被害届を出したにもかかわらず警察が慰安旅行に行っていた、といった「先伸ばし」と「怠慢」が根底にあったのです。また警察による注意や警告はなされていたとはいえ、長崎県警や三重県警との連携の悪さも問題になりました。

つまり「ストーカー防止法」ができても、重大事件を未然に防ぐことには全く役立たなかったと言わざるを得ません。警察の初動体制の問題、それ以前に市民の安全を本気で守ろうという意識があるのかどうか、という問題だと私は考えます。13年前の上尾警察署の対応は決して「過去の異常な出来事」ではない、ということです。


◆上尾警察署 会見映像

さて、こちらが番組でも紹介されて大きな反響をよんだ、13年前の事件直後の上尾警察署の会見の模様です。
 

http://youtu.be/JwXCmgi3yvg

「捜査一課長代理ですから、厳しい質問のないようにお願いします」に始まり、被害の状況を笑いながら説明!

殺される恐怖を再三訴えたにもかかわらず、警察はまともに取り合わなかったばかりでなく、いったん出させた「告訴」を、「被害届」に変えるように指示。単なる「被害届」だけなら警察が真剣に動かなくてもとがめられないためだ。

しかし「告訴」はいったん取り下げたら二度と告訴できなくなる。なのに刑事みずから「犯人を逮捕してからでもいつでもまた告訴できるから」などと嘘をついて告訴の取り下げを迫る。 それに応じなかった両親の意思を無視して、「告訴」という文言を警察が勝手に「届け出」に改ざん。そして起こるべくして起こっってしまった殺人事件に対してこのふざけた会見ぶり!

これを警察による犯罪と呼ばずしてなんという?


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私も番組見ました。 録画で見ていたのですが、あまりにもひどい対応で見ていてイライラ意外にも色んな感情が湧き、思わず早送りをしたくなるくらいな場面もありました。
一番許せなかったのが笑いながらの会見です。
人が亡くなっているのになぜあのような態度がとれるのか私には理解できません。

Re;ありがとうございます

石川さん

録画されてご覧になったんですね。
アドレナリンの共有ありがとう(笑)

事件から13年もたってますが、かつて「FOCUS」の記者だった清水潔さんという人は、被害者の両親や警察への綿密な取材を重ね、「桶川ストーカー殺人事件・遺言 」(新潮文庫)という本を出されています。

ですから、あの再現ドラマ内のやりとり・警察の対応・態度はあながち“誇張”ではなく、実際にあのような感じだったんだろうと思われます。

最後の会見はもちろん実写です。翌日YouTubeで同じものを見つけたので「続きを読む」に追記したんです。あの笑い、腹立たしさを通り越して気持ち悪くなってきませんか?
Facebookでも皆さん怒りの声を寄せられてます。

その次の記事にも書いたとおり、13年前の上尾署だけが決して異常だったんだと過去のこととして言えないのが残念です。
むしろあれに類する組織の弊害は、がん細胞のようにあちこちに増殖しているように感じませんか?そこに危機感を覚えます。

あの上尾署の中にも、唯一まともに対応しようとしていた刑事がいましたが、結局上司の怠慢と腐敗した組織に埋もれていったようです。
もはや刑事ドラマに出てくるような頼りになる警察は実在しないのか…?

大津の中学校での「いじめ・自殺」も、現場の教師の少なくとも3人が「いじめ」を認識していたにもかかわらず、あの校長をはじめ学校という組織がそれを握りつぶしたことが尊い命を失わせたのです。

私は昔から「現場主義」であることはよくご存じでしょう?

現場を知らない、分かろうとしない、分かっても事なかれ主義で隠ぺいしようとする上層部・組織。そして組織の一員であることに甘んじて決められたこと・上から言われたことしか出来ない(=やろうとしない)妙に冷めた無気力人間…etc.
これらを総称して「役人=厄人」と呼びたい。必ずしも公務員ではなく、官民問わずそういう体質の輩たちです。

「厄人こそ国民の敵だ!」という本でも書きたい心境ですよ。
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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