♪ カヴァティーナ(Cavatina)

9月19日(水)

3連休最終日の9月17日(月)、西新井に出かけたら駅前のショッピングモールのアトリウムでギターのライブをやっていました。

ちょうど通りかかった時に耳に入ってきたのは、どこかで聞いたことのあるとても安らぎに満ちたやさしい旋律。村治佳織さんもギターソロで弾かれていた「カヴァティーナ」という曲です。




http://www.youtube.com/watch?v=mwvDon1_iKs&feature=player_embedded



イギリスのStanley Myers(スタンリー・マイヤーズ)が作曲し、アメリカ映画『ディア・ハンター』という映画のテーマ曲として用いられて一躍有名になりました。

もともとこの曲は映画より8年も前の1970年にピアノ用として書かれましたが、ギタリストのジョン・ウィリアムズ(★下注)の提案によってギター演奏用にアレンジされ、映画「The Walking Stick」(1970年)で用いられました。
その後1973年にはイギリスのクレオ・レーンが歌詞をつけ、"He was beautiful" という歌としてレコーディングもされているそうです。

でも、この曲をさらに一躍有名にしたのは、最初に書いた『ディア・ハンター』(米ユニバーサル映画・1978年)でしょう。ベトナム戦争からの3人の帰還兵をめぐるストーリーで、ロバート・デ・ニーロ主演。
ベトナムでの熾烈な闘いの記憶やアメリカに帰ってからの喧騒とは裏腹に、心に染み入るような美しい旋律が際立ちます。

かつて「禁じられた遊び」も戦争で両親を失う哀しい映画の中で用いられ、のちにギターソロの名曲として大ヒットしましたが、それに近いものを感じます。



『ディア・ハンター』では、作曲の前年1969年からよき理解者・提案者であったギタリストのジョン・ウィリアムズ自身によるギター演奏で、オーバー・ダブ録音(=旋律部分と伴奏部分を多重録音して合成)してるそうですね。 
ですから、それをギターソロで生演奏で聴かせるには、メロディラインをいかに美しくつなげて情緒豊かに響かせるか、高度なテクニックと豊かな表現力が要求されるはずです。

多くの演奏家を魅了してやまない魅力がこの曲にはあるのでしょう。
有名なところだけでも…

リチャード・クレイダーマン…ピアノソロ
村治佳織…ギターソロ
上松美香…アルパ、アルピスタ(ハープに似た古典弦楽器)

など、様々な楽器によって演奏される機会も多いようです。
さらに最近では、2002年のフジTV系列のドラマ「真珠夫人」のテーマ曲としても用いられています。

二人のジョン・ウィリアムズ

上記のギタリストのジョン・ウィリアムズは、アメリカのスピルバーグ映画音楽の作曲家・指揮者でもある同名のジョン・ウィリアムズとは全く別の人物です。(以下ウィキペディアを参考に)
 
ジョン・タウナー・ウィリアムズ(John Towner Williams, 1932年2月8日~ )
アメリア・ニューヨーク出身の作曲家・指揮者。1952年にアメリカ空軍に徴兵され、空軍内では音楽隊に所属し編曲と指揮を担当。1955年に兵役を終えてからジュリアード音楽院ピアノ科へ進学。
作曲としては、「宇宙家族ロビンソン」「タイムトンネル」などのTVにはじまり、「ポセイドンアドベンチャー」「タワーリングインフェルノ」「大地震」「ジョーズ」「スターウォーズ(シリーズ)」「スーパーマン」「ET」「インディージョーンズ」「ハリーポッター」…などなど、アメリカの大ヒット映画もジョン・ウィリアムズの音楽なくしてあり得ない、といったところ。
また指揮者としては、アーサー・フィードラーの死後、空席となっていたボストン・ポップス・オーケストラの指揮者を1980年から1993年まで務め、退任後も名誉指揮者となってたびたび指揮台に立っている。


ジョン・クリストファ・ウィリアムズ(John Christopher Williams, 1941年4月24日 ~ )
オーストラリア出身のクラシック・ギター奏者。メルボルンで生まれ、その後ギタリストである父の出身地イギリスに移住し、小さい頃から教えられたギターをロンドンの王立音楽学校や、夏の間はイタリア・シエナの音楽アカデミア"Chigiana"でアンドレス・セゴビアに学んだ。イギリス在住。 アンドレス・セゴビアに賞賛されてデビューし、武満徹作曲の「オーストラリアから」をロンドン・シンフォニエッタとともに演奏しCDを発売、またJazzフュージョングループ“SKY”で演奏するなど、ポップス系の音楽活動も行ってきた。



◆カヴァティーナ(Cavatina)の意味
 
イタリア語の「cavata=楽器が奏でる音色」という意味から来ていて、叙情的なアリア(独唱・独奏曲)。
ゆったりとした叙情的な楽曲形式名としても用いられ、代表的なところではベートーヴェンの弦楽四重奏曲13番(第5楽章)など。


   ↓ よかったら「続き」も…


<きわめて個人的つぶやき>

今まであまり公開してこなかったのですが、少し前から「音楽療法」の勉強に興味をもち、世田谷にある国立音楽院というその道には歴史のある学校がちょうど通勤途上にあるので、勤め帰りに「音楽心理学」「発達心理学」などの講義や「MT(ミュージック・セラピー)」の実技に“聴講”という形で参加させていただいてます。

まだ本格的な学生ではなく“聴講生”のレベルですが、学長さんのご好意により、学内にある「MT(ミュージック・セラピー)オーケストラ」の指導の先生をご紹介され、今日はじめてリハ見学をさせていただきました。

音楽療法士はまだ国家資格という形が確立されていない世界。必要な勉強をして「認定」を受けてもただちに「仕事」には結びつきません。
でも、大好きな音楽を通じてせめて自分にできることは?…と思うとき、プロをまねてうまく演奏できることを目指すのか?、それとも音楽を通じて人と触れ合えることの大切さを、また自分自身を見つめ直してあらためて音楽の楽しさを再発見するのにもいい機会かと…

そんなわけで(?)、今日は私にしては珍しくギターの名曲からこんな「安らぎの一曲」をブログにアップしてみました。

2012年9月19日

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No title

実はさっき、大人の生徒さんに出す課題に、
この曲はどうかなと思って弾いていたところだったのです。
「メロディラインは難しくない、
伴奏で盛り上げつつ、歌わせようと揺らすこともできる」と、
候補に挙げましたが、家で練習するとき、伴奏がなくて、
この曲が楽しいかどうかと考えると、候補から外しました。

ギターのように、メロディも伴奏もできる楽器だと、
すご~く気持ちよいと思うのですが、
ヴァイオリンで、まだ始めたばかりだと、
伴奏部分を想像しながら弾くのは難しいので、
少しつまらないかなぁ、なんて考えていました。
反対に、伴奏する方は気持ちいいのですね、この手の曲は。

バッハとグノーのアヴェ・マリアなども同じです。
バッハさんを弾く方が、グノーさんの部分よりも気持ちいいです。

Re: No title

ト音記号さま

おや、そうですか!
音楽って、そういう不思議な偶然のタイミングってあるんですね!
ヴァイオリンでこの曲をやるとしたら、やはりピアノかギターによる伴奏をつけた方がいいでしょうね。
弓で弾く旋律をそこに載せたら、またひと味違うアコースティックな感じがしていいかもしれません。
メインテーマは単純ですが、途中の中間部でちょっと主旋律と和声進行が複雑になるとこがありますが、いずれ伴奏譜を起こしてトライされてみてはいかがでしょうか?
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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