「臨機応変」 対 「マニュアル対応」

<あるブロともさんの記事に入れたコメントの流用です>


うちの近所にはタクシーの営業所がいくつもあります。明け方に帰ってきたタクシー乗務員たちが話す声、洗車の音などがうるさかったものです。お歳暮やお中元によく石鹸をいただいきました。

でも最近はどこもみな「近隣対策」で防音壁を張り巡らせ、車の台数も減らし、乗務員のマナーもよくなって明け方にあまりおしゃべりしなくなりました。

しかし一方、かつては例えば週明けの月曜日の朝(天気予報では雨)、羽田空港まで1台お願いしたい、と営業所に立ち寄ると、事務系の人とその辺にいる乗務員たちがちょこちょこっと話し「じゃ、私が行きますよ。何時ですか?」と対応してくれたものです。

ところが10数年前からはすべてが本社の無線センターに一本化され、営業所での事前予約は受け付けてくれなくなりました。どこのタクシー会社も示し合わせたように一律に。

でも待ってくださいよ、雨の予報が出てる月曜の朝ですよ! 無線に電話しても近くに空車がいなくて30分待ち、40分待ち…? だから事前に予約したいのに! しかも朝8時だったら、ちょうど出庫して都心に向かう空車もいるでしょうに…なんでできないの?…「はい、会社の規則で…」



事前予約ができない理由を会社側に尋ねると、当日無断キャンセルするお客がいたり、トラブルを避けるためだそうな。…ん?なんか取ってつけたような理由…
よく深夜お店で無線タクシーを呼んでもらった客が、たまたま店を出たら空車がいたので乗って行ってしまい、無線で呼ばれた車は待ちぼうけ…なんてことあったよな~。むしろこっちは顔も割れてる地元民だぞ!
 
家の前まで車を回してくれなくてもいい、こちらが営業所の前まで歩いて来るから。もし8時10分まで待ってもこちらが現れなかったらそのまま出庫していただいて構わない…etc.
「やる気」さえあれば、規則に触れないやり方もいくらでもあるはず。

「わかった、もう頼みません! 駅前に行けば誰かを駅で降ろした空車がいるだろうから、どこの会社のタクシーでもいいから捕まえることにしますよ! せっかく地元のよしみで馴染みのタクシー会社に、と思ってる客を逃しましたね! 」

無線による一本化、技術の進歩、合理化…それは本来会社にとっても利用者にとっても「便利・快適」につながる「進歩」のはず。 なのに、人と人との顔の見える仕事、柔軟な対応ができなくなった。 どこの会社も一律に、決められたルール、上から言われたことしかやらない人間ばかりになっていく…

この話、乗ったタクシーの運転手さんに雑談として話すと「そうですよね~、よく分かります」と皆さんおっしゃる。 「だったらお客の声・現場からの声を上に提案して変えればいいのに」というと、「一応そういう意見があったということは上には伝えますが…」と、なんとも頼りない言い方に。 たぶん何もしないんでしょうね(冷笑)。



それから10年あまり。最近ようやくタクシー会社によっては事前予約を受付ける所もぼちぼち出てきました。
しかしあくまで無線センターに電話して、センターの方で営業所ごとに何台、と決められた枠内で予約配車するシステム。
現場(営業所)の様子を見ないまま遠隔操作で決めるため、かつてのように営業所単位で「じゃ、オレがちょうど明日8時に出庫だから行くよ」とやってくれたような臨機応変な対応からは程遠いもの。 

近所のタクシー会社の予約連絡先をいくつかひかえてますが、実際のところ前日予約できたためしがありません。 理由はいつも「枠がいっぱいで…」。
こちらの最寄りの営業所にセンターから電話一本入れて様子を聞くことすらしないようですね。 決められた枠で決めれた手順どおりやって「できません」と対応してるだけのようです。

コンビニでも鉄道会社でも、現場で働く人たちはみんなアルバイト店員みたいな感覚で決められたマニュアル通りのことしかできない(やろうとしない)。何か言われると「いちおう上には伝えます」…これじゃ何年たっても改善されないでしょうね。

そもそもマニュアルって何のためにできてきたと思いますか?
「官」が民営化しようという時代なのに、民間が「役人化」してませんかね~(笑)


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No title

こんばんは。

演奏会前のお忙しい中、にコメントをありがとうございます。
このお話から、昔のことを思い出しました。
ご近所の薬局で、何回かちょっとしたことで、夜間にお世話になったことを。
どこもお店が開いていない時間でも、お願いすると薬を調合してくださいました。
いろいろとお話をしながら・・・
今は、会話もなく、人と人とのちょっとしたコミュニケーションがないなあと感じます。
コミュニケーションを大事に考えていたら、マニュアル通りの対応にはならないでしょうね。
何が一番大事であるのかが、意外とわからないのかもしれないですね。
考える力がないのかも・・・?

臨機応変に対応することが、
生まれながらに不自由なく普通に育ってきた人が
なぜできないのかと不思議で仕方がないです。
努力して、臨機応変に対応できるように
頑張って生きている人たちがいるのに・・・

悲しいですね。

Re: りーさん、ありがとうございます

りーさんのそもそもの問題提起は「考えること、してますか?」でしたね。そのあたりと絡めて…


バカげたマニュアル主義

*コンビニでお弁当を買おうとレジに出す時に「温めてください」と言ってるのに返事がない。無表情にレジを打ちながら「お弁当の方、あたためますか?」と聞いてくる。お前はゾンビか?

*個人レッスンorオーケストラの合奏練習で、「楽譜にはそんなこと書いてません」「この楽器の取り扱い説明書にはそのような奏法は書いてません」…偉大な先生だったら怒って出て行ってしまうでしょうね

あまりにもマニュアルに埋もれた世の中になると、人々は自分で考えることをしなくなる。
例えばあまりにも信号機が増えすぎると、自分の判断で危険そうな場所で徐行したり一時停止する車がいなくなる。つまり「言われたこと・命令されたこと以外はやらない人間が増える」=「自分の判断で考えなくなる」ということです。この事例については画像・検証データもありますので近々記事にしますね(笑)


マニュアルの大切さ

その一方で、私は必ずしもマニュアルそのものを否定はしません。時代の発展とともに、安全基準が厳しくなり、最低限守らなくてはいけないラインというものが明確に示されるようになった、ということ。

コメント頂いたような調剤薬局で、せっかく薬局の人の親切で深夜でも薬を調合してくれたとします。もし万一、寝ぼけて間違った薬を調合したり量を間違えたらどう責任をとるのか、という問題。

バスが渋滞にはまって、乗客の中で次の停留所で降りる人が一刻を争って「ここで降ろして欲しい」と言ったとする。バス停でもない場所で乗降口を開けるのはルール違反。万一そこでドアを開けて人が降りたところに、後ろからバイクが来て事故になったら、どう責任をとる?

そういう安全基準・秩序から定められたきめ細かいルールがすべて「マニュアル」になっているとすれば、個別の判断で勝手にはできない、という面も否定できませんね。

そういう中で、個別の判断で臨機応変にできるかどうか? そこがおっしゃるとおり「考えること、してますか?」につながると思うんです。なにも基準がなかったころはすべて自分で判断するしかなかった。でも今はマニュアルががんじがらめにある中で、どうやって「臨機応変」を考えていくか? より高度な「考える力」が試されるようになったとも言えるかもしれません。


◆「臨機応変」はある意味「ヤミ」

食品の安全として賞味期限・消費期限というのがあります。賞味期限は過ぎていても食べられるけど、消費期限を少しでも過ぎたものはダメですね。
でも、個人宅に友達を呼んでのパーティなら、お金を頂いて食事を提供する「営業」ではありません。
仮にみんなで「食べたいよね」「大丈夫だよね」と食べてお腹を壊しても、「営業」でなければ罪には問われません。友情には多少亀裂が生じるかもしれませんが…(笑)
「臨機応変」には多少なりとも「合意のもとにやるルール違反」「ヤミ」みたいな面があるように思います。その前提はなんといっても人対人の信頼関係でしょう。

本文に書いたタクシー予約も、無線システム以外は受けてはいけないというルールがあるならば、自宅前に「迎車」として呼ぶことはできないかもしれない。また営業所内は「タクシーのりば」ではないからそこでは乗れないかもしれません。だったら「口約束」をして営業所を出てきた「空車」と待ち合わせることはできるでしょう。ルールはルールとして、一定の安全基準や平等の原則のためにある。でも個人対個人の信頼関係でちょこっと「ごひいき」にできないの?…という部分、あってもいいと思いませんか?

ところで、地球環境にも優しい「ひいき」のことを何と言うでしょう?
…はい、「エコひいき」ですね! お後がよろしいようで!
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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