<発達障害に求刑を越える判決>

殺人罪有期刑の上限20年
「障害は罪」という差別

<追記 10月10日>


この記事は、今年2012年7月30日に、裁判員裁判によって出された大阪地裁の判決を受けて、私のこのブログに8月6日に掲載した記事への追記です。


2012年10月10日(水曜) 午後8時~8時29分 NHK教育テレビ
  <大阪地裁判決の波紋 ―発達障害者をどう支えるか―>
 
 再放送10月17日(水曜)午後1時5分~1時34分
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2012-10/10.html


番組では、必ずしも一審判決への批判という見方ではなく、問題の判決(裁判員裁判)が出る背景となった知的障がいや発達障がいに対する理解度の問題にスポットが当てられていたように私は観ました。

現在全国には地域生活支援センターのような施設ができ、自治体と連携してさまざまな取り組みがなされているようですが、まだまだ充分とは言えないのが現状です。
さらに、そういう施設や取り組みがあることさえ一般にはあまり知られていない、という面もあります。

また犯罪を犯してしまった障がいのある被告人が仮に「(被害者に)詫びることはできない」と発言したとしても、ただちに「反省がみられない」という意味で捉えてはいけません。「もう死んでしまった人に詫びることはできない」という意味で言っていたりするケースもあるからです。

そうした立場を、医師・弁護士・カウンセラーなどがきちんと対応して、公判において「通訳」することも必要だろうといったことが番組で紹介されていました。

そうした理解なしに、また支援体制の存在も取り組みも知らないまま、単にそういう人物を社会復帰させるのは危険だから、求刑よりも長い実刑を課せばよい(=社会から隔離した方がよい)という判決が出されたことが問題だと思います。

今は控訴審中と聞きます。全国放送でも取り上げられるまでに至った事例、控訴審ではどういう判決が出されるかに期待したいと思います。



<以下、8月6日にアップした記事>

フェイスブック上で有我さんよりシェアさせていただいた記事です。
大阪地裁で先月末に出た判決です(2012年8月5日 東京新聞)。
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①求刑以上の重刑判決

刑法199条(殺人)で定める刑は、死刑・無期懲役もありますが、有期懲役(=裁判の段階で刑期を定めるもの)としては20年が最高刑。
裁判では一般に、起訴した検察側がどの位の刑に処するのが妥当かを主張して「求刑」し、判決は検察の主張どおり、もしくはそれ以下の刑で出されるのが一般的です。
検察が求刑した以上に重い刑で判決が出るのは、極めて異例なのです。


②「再犯の恐れがあり、許される限り長期間内省を深めさせること​が社会秩序のためになる」という判決理由。

行為に対する判決では​なく、障害は閉じこめろという差別であり、予防​拘禁・保安処分的な発想です!

その判決要旨はこちら… 
http://www.jngmdp.org/wp-content/uploads/20120730.pdf


法の適用・解釈以前に、「​人としてのモラル」「社会の常識」を疑います。かつてライ病患者を隔​離したのと同じ愚かさ・同じ過ちの繰り返しです。



また、東京新聞の記事(2枚目)では、「裁判員の正義感に危うさ」という内容でも書かれています。

今回の判決で、裁判員たちのどのような意見が反映されたのかはわかりません。ここからは私の一般論です。

裁判員になるとみなさん「被告の一生を左右してしまう」​という重責を感じるとおっしゃいますが、民間人である裁判員が直接判決を下すわけではないんです!
判決を下​すのはあくまで裁判官。 裁判員は​、法律解釈を専門とするプロの裁判官とは違う視点で、いはば「人」とし​て「一般社会の常識」の目で意見を述べ、判決に反映させる立場な​んです。

法の解釈論・適用論にばかり走りすぎて本質を見失うことのないよう、ごく一般的な社会常識の目での判断が加えられるように、という趣旨のはず。
裁判員となった(これからなり得る)皆さん、本当にその意味を分かってらっしゃるのでしょう​か!?

悪質な運転を繰り返していても「危険運転」を適用できず​、最高刑7年の「自動車運転過失」でしか裁けない。
その一方​で、こんな差別と偏見に満ちた信じられない判決が出さ​れる。

…まさに「社会常識の危機」ではないでしょうか!? 



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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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