月・木・金 ~内惑星・外惑星の見え方~

3月26日(月)

月・木・金 …といっても「ごみの回収日」じゃありませんよ!

このところ、日没後の西の空に金星と木星が並んで輝いているのをご存じでしょうか? 
今日はその間に三日月が仲間入りし、タテに3つ並びました。夕方はちょっと雲が広がってましたが、日没後はきれいな星空が見えましたね。

金星・月・木星 画面上から金星・月・木星


月は毎日およそ12度ずつ東にずれていきますから、明日はもうこの場所にはいません。
月は西から東へとゆっくり地球の周りをまわっています。去年の皆既月食で見たように、宇宙空間に伸びている地球の影の部分を月はおよそ4時間かけて通過、1日におよそ12度ずつ東へ動いていって30日で地球を一周します。

でも、金星と木星のデュエットはまだしばらく見られます。これからどういう動きをしていくのでしょうか…?
ちょっと中学校の理科を思い出していただいて、惑星の見え方についてごく簡単に…


内惑星の見え方

同じ太陽の周りをまわっている地球の兄弟のような「太陽系の惑星」のうち、水星と金星は地球よりも内側の軌道を回っています(=内惑星)。
では、内惑星は地球からどういう見え方をするでしょうか?

メリーゴーランドを回転する馬を外側から見ているイメージで、中心(太陽)から一定の距離以上離れることなく左右を往き来してるように見えるはずです。
太陽に完全に背を向けている真夜中に南の空に輝いて見えることは絶対にあり得ません。 日没後の西の空、もしくは夜明け前の東の空に見えます。

金星の見え方 図解(サイトより)

水星も金星も、地球の兄弟のような惑星ですから、自ら光を放っていません。太陽の光を反射させて輝いて見えます。

金星が太陽の手前の「C」の位置にある時は地球にもっとも近いですが、太陽の光を背に受けた「新月」のような逆光の状態です。
逆に太陽の向こう側の「A」の位置にいるときは、太陽の光を全面に浴びた「満月」の状態ですが地球からもっとも遠いところにいます。
「A」「C」いずれも太陽と同じ方向にありますから、昼間の光がまぶしすぎて見ることができず、日没とともに地平線の彼方に隠れてしまって見ることができません。

ところが上の図でいう「B」と「D」の位置にあるとき、地球から見て金星は太陽からもっとも離れて見えます。「B」にいる時が「東方最大離角」で、太陽が昇ってくる前に東の空高く輝いて見えます(=明けの明星)。
「D」にいる時が「西方最大離角」で、日没後の西の空高く輝いて見えます(=宵の明星)。
いずれも望遠鏡で拡大して見ると「半月」のような形に片面が輝いています。 
 
いま日没後の西の空の高いところに輝いている「宵の明星」も、あと1~2か月もたつと次第に太陽の方に近づいていって、日没後まもなく西の地平線に沈んでしまうようになります。
そしてさらに1~2か月ぐらいたつと、今度は「明けの明星」となって東の空に姿を現します。

はじめは太陽が昇ってくる直前にしか見られませんが、しだいに太陽から離れて高度を増し、夜明け前の早い時刻に東の空高く輝くようになります。今のペースでいくと今年の夏ごろでしょうか? 北半球の夏は4時半ごろにはもう明るくなってきますからその前に早起きして、というか徹夜明けの3時半~4時ごろ東の空を探してみましょう。

太陽系のもっとも内側を回っている水星の見え方も金星と同じですが、日没後の西の空、明け方の東の空、いずれも地平線に近い低い位置にあるため、建物の多い都会ではなかなか見ることが難しいですね。


内惑星が太陽の周りを公転する周期

地球は太陽の周りを1年(=365日)かけて一周(公転)します。
では、内惑星の公転周期は地球よりも長いでしょうか、短いでしょうか?

ニュートンの万有引力の法則をご存知でしょう。質量をもった天体同士は万有引力によって引き合っていますから、じっとしていたらそのまま近づいていって衝突してしまいます。

ところが回転(公転)することによって遠心力が生じます。中心の天体に引っ張られる力(=求心力)と、外側に飛んで行こうとする遠心力が釣り合っているから同じ軌道上を回るのです。

ということは、太陽に近い惑星ほど引力は強く働きますから、それと釣り合うための遠心力は大きくなくてはなりません。太陽に近い惑星ほど角速度が速い、つまり公転周期は短く(速く公転)、遠い惑星ほど長い(ゆっくり公転)はずです。

ちなみに金星の公転周期は地球の0.62年(=約226日)です。

まあその数字は忘れてもかまいません。サイトで検索すればすぐに分かることですから。
でも、もし「金星はおよそ1.8年かけて太陽の周りを1周している」などという文章を見たら、「ん?おかしいぞ!」と思える感覚があったら素晴らしいですね。


木星(外惑星)の公転周期と見え方

一方の木星は、地球の直径のおよそ11倍、質量は318倍という、とてつもなく巨大な惑星で、「太陽になりそこなった星」とも言われます。火星よりも外側の楕円軌道を11.86年もかけてゆっくりと公転しています。

つまり木星が太陽の周りを1周する間に、地球は11回もインコースから追い抜きをかけていることになります。

先ほどのメリーゴーランドの例えで言うと、火星・木星・土星など地球の外側をまわる惑星は、地球から太陽と同じ方角にいる時もあれば、太陽とは正反対の方角にいて真夜中に南の空に見えることもあります。木星がもし太陽と真逆の方向、つまり真夜中に南の空に見えているときは、地球が木星を追い越す時で、「大接近」していることになります。

年間を通しての見え方としては西から東へ移動していく「順行」と、一時的に東から西へ向かう「逆行」が生じます。

ためしに大きな紙に同心円を2つ描き、ゆっくり進む外側の円を木星の軌道(←本当は楕円ですが)、内側の円を地球の軌道に見立てます。
外側の円周上のどこでもいいですからある1点、内側の円周上にもどこか1点に印をつけ、「今現在ここに地球・木星がいる」と仮定します。

外側の円につけた印の位置から円周上を反時計まわりにおよそ30度進めたところが「1年後の木星の位置」です。木星は11.86(=約12年)かけて太陽の周りを回りますから、1年ではわずか12分の1周、つまり30度しか動きません。その間をさらに12等分(1か月ごと)に刻んで印をつけておきます。

一方内側の円は円周全体を時計のように12等分しておきます。先ほど印をつけたところから反時計まわりに1か月後、2か月後…と進んでいき12か月目で元の位置に戻ってきます。これが地球の動きですね。

さて、まず最初につけた地球の点と木星の点を直線で結びます。今は地球から木星はこの方角に見えているわけですね。
そして2つの円いずれも先ほど12等分に刻んだ点と点とを、それぞれ反時計まわりに1対1の直線で結んでいきます。これから12か月の間に「地球から見てどちらの方向に木星が見えるか」がこの直線の向きで示されます。

線の長さ(距離)に関係なく線の方向(傾き)だけに注目し、別の紙に地球を動かない1点として描き起こしてみると、あるところで「逆行」が起こっていることが分かります。
今木星はちょうど夕方の西の空、金星とほぼ同じ方角のはるか彼方に見えている、ということですね。これから1年かけて木星がどういう動きをしていくか観測してみてください。

以上、計算式のいらない、中学生にも分かるやさしい天文ガイドでした!


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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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