土筆(つくし)って何者?

土筆も さらに ほっこり

先週の日曜日にご紹介した駐輪場のつくしたちが、この陽気でさらにほっこりとしてきました。

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そうそう、先週ちょっと問題を出しておいた「つくしって何者?」…考えてみていただけましたか?

つくしはスギナの子」なんて言われますが、つくしは伸びてもスギナにはなりません。

ごくまれに、つくしの袴(はかま)と呼ばれる部分(=葉)のつけ根あたりからスギナのような緑色の茎がニョキっと生えたものを見かけることがありますが、ある種の奇形みたいなもので、つくしが伸びていって枯れるのと同時に消滅してしまいます。つくしは成長して枯れるまでつくしのままなんです。

ではなぜ「スギナの子」なんて呼ばれるのか?いったいスギナとつくしの関係は…?

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つくしは、スギナの根っこ(地下茎)から、毎年春にスギナの芽よりも少し先駆けて生えてきます。
葉緑素を持たないため光合成して緑色になることもなく、ずっと肌色のまま。茎の部分の組織が伸びていって成長し、やがて先端から胞子をまき散らします。
スギナにとって繁殖のために生えてくる「 胞子茎」 なんです。


繁殖の手段をいくつももつ植物
  
スギナは地下茎が強く、土手でも田んぼのあぜ道でもかなり広範囲に広がっていき、根もとても深いです。繁殖力がとても強いので根っこだけでも充分に子孫を繁栄させることができそうに思います。
でも植物の中には、子孫を残すための方法を複数持っているものもけっこう多いのです。

たとえばチューリップやヒヤシンスは球根から芽を出します。地下の球根があれば子孫は残せるのですが、立派な花も咲かせます。
竹もご存じの通り根っこの生命力がとても強く、どんどん地下茎で広がっていって筍(たけのこ)を出し、それがぐんぐん伸びて竹になります。でも竹もごくまれにですが小さな可憐な花を咲かせます(不吉なものだと言われる地域もあるようですが)。

花には雄しべ・雌しべがあって受粉すると種ができます。つまり花は子孫を残すための手段。球根や強い根で増える植物には不要なようにも思います。
でも植物は、そこに根をはったら自分では移動できません。もしその土地一帯の環境が変わって生息できなくなったら滅ぶしかありません。花も咲かせ種を作り、風や動物によって遠くに運んでもらえば、万一その土地での命が滅んでも違う場所でまた新しい子孫を増やすことができます。自然が授かった不思議なしくみとしか言いようがありません。


●スギナとつくしの関係

スギナはとてもシンプルな植物で、トクサの仲間です。まっすぐに立った茎からまるで杉のように四方に枝分かれした葉っぱを出しているように見えますが、じつはあれはすべて「茎」なんです。
中央の縦の茎をよく見ると、ところどころつくしの茎にある“はかま”にもよく似た形の“継ぎ目”のようなところがありますが、実はあれが「葉」なんですね。

葉緑素は茎全体にあって、光合成をして濃い緑色になりますが、葉はとても細いのです。サボテンの本体は「茎」で、あの痛いとげのような部分が「葉」というのともちょっと似てますね。

そして、繁殖のために出てくるつくしは、他の植物にはないじつにユニークな風貌をしています。
はかま(葉)にびっしり覆われた丸っこい頭が地面から顔を出すと、やがてぐんぐん茎を伸ばしていきますが、葉緑素をもっていないので太陽の光に当たっても光合成はしません。
組織がぐんぐん縦に伸びていって、やがて先端が細かい六角形に開くと緑色の胞子を周囲に飛ばします。

なんだかカビかキノコの仲間(=菌類)みたいじゃないですか。でも葉(はかま)が茎の途中にある。…じつに変わった姿をした不思議な物体です。

ちなみに、つくしが飛ばした胞子からはつくしは生えてきません。私は子どものころ、あの緑色の胞子をまいておけば来年つくしが生えてくる、と期待してました…笑。「つくし」という植物はないんです。

じゃ、胞子からいきなりスギナが生えてくるかというと、そこもそう単純ではないようです。
胞子から発芽したもの(発芽体)にはオスとメスがあって、それが受精してはじめて胞子体となり、それが成長するとスギナになるんだそうです。

つくしはスギナの「子」というよりも、子孫を残すための「分身」と言った方がいいかもしれませんね。

(記事2011年3月19日)


<追記>

園芸用に使われているスギナより大きなトクサにも、こんなものが生えてくるってご存知ですか!?
スギナの根っこの先端から生えてくるつくしと頭の形はそっくりじゃないですか!
スギナはトクサの仲間だということに、あらためて納得です。 

トクサ 




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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

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