「正比例」と「反比例」

今わたしは中学1年の娘と付き合っている。怪しい交際ではない。中学1年の学年末テストで、数学の問題を一緒に見ているのだ。「正比例」と「反比例」という言葉、大人になっても日常よく使う言葉だ。

「遊ぶ時間があると、使うお金が(正)比例して増える」、「年をとるとシワの数が比例して増える」…etc.
そして逆に「年を取っても見かけの年齢は反比例して若くなる」、「使うお金に反比例して預金の残高はなくなっていく」…なんていう使い方をしていないだろうか?

じつは私自身、「反比例」のきちんとした定義が怪しかった。 


◆正比例

「~~すればするほど〇〇になっていく」という関係に一定の法則があるのが「正比例」である。

「~~すればするほど」を「x」で表し、「〇〇になっていく」という結果を「y」で表す。「xをほにゃららしたものがyである」と。 そしてその関係を表す“ほにゃらら”の部分を「a」として式で表すと
 y=ax  となる。
この“ほにゃらら”にあたる「a」のことを「比例定数」という。

つまり、常に一定の法則で増えていく(減っていく)関係がないと「比例」とは言えないのだ。

仮にa=1の場合「y=x」、つまりxが1ならばyも1、xが2ならyも2…いつも「あなたと一緒」の関係である。

x軸y軸の座標で表すと、xが0の時はyも0であるから原点を通る。x軸y軸の刻みが同じであれば、右上がりに45度の一直線になる。 ここまではあまりにも単純なお話し。


<図1 正比例のグラフ>
IMG_20120226022003.jpg

比例定数「a」はいろいろ変化する。だがxが0の時は何をかけても0だから、かならず座標の原点を通る。
「a」が1より大きくなれば直線の傾きは急になり、「a」が1より小さくなると傾きは緩やかになる。
「a=0」の時は、xの値に何が入っても常にy=0、つまりx軸上に完全に重なる形になる。
「a」が0より小さい(マイナスの値)と傾きは右下がりになっていく。
「~~すればするほどマイナスになっていく」というのも、変化が一定(直線)であれば正比例の仲間なのだ。


◆反比例

さて、次が問題の「反比例」だ。
冒頭に書いたように「~~すればするほど〇〇が減っていく」というところまでは良いが、正比例のような直線的な減り方をするものを反比例とは呼ばない。

反比例とは、何かと何かを掛け合わせたものが一定で、掛け合わせるものの一方が2倍になると他の一方は2分の1になる関係をいう。

一番わかりやすい例は、長方形の面積が一定だとして、ヨコとタテの辺の長さはお互い反比例の関係にある、というものだ。

仮に長方形の面積が常に6c㎡だとすると、ヨコが1cmの時タテは6cm、ヨコが2cmの時タテは3cm、ヨコが3cmの時タテは2cm… となり、yは1/2、1/3と減っていき、決して直線的な減り方をしていない。

<図2 反比例のグラフ>

IMG_0001_20120226022004.jpg


この関係を式で表すと xy=6。 「y=」の形に直すと、y=6× 1/x 
xが2ならyは2分の1、xが3ならyは3分の1…という関係になっている。

先ほどの面積が常に6c㎡の長方形で、x(=ヨコの辺)が0.5cmのとき、y(=タテの辺)はこのグラフのはるか上の12cmにある。
x=4cmの時 y=1.5cm、x=5cmの時 y=1.2cm、x=5cmの時 y=1cm…と減り方が緩やかになっていき、x=12になった時に y=0.5になる。

この曲線はy軸・x軸に決して交わることなく、限りなく近づいていくカーブ(漸近線)を描く。


あと忘れてはいけないのが、x も y もマイナスの場合、掛け合わせた数値はプラスになる。
長方形のヨコ・タテの辺がいずれも「-〇センチ」などということは実際にはあり得ないので具体的なイメージはできないが、数学上は存在し、グラフで表すと左下の位置に先ほどのカーブとは対照の形のカーブが描かれる。これを反比例の双曲線という。

このように、何かと何かを掛け合わせた値が常に一定である時、掛け合わせる2つの数値の関係は反比例にある、という。

他の例えで言うなら、速度と所要時間をかけ合わせたものが距離である。
東京から名古屋の距離は一定(約400キロ)で、時速10キロの自転車では40時間かかるが、時速100キロでは4時間、時速200キロでは2時間で着く。この場合、時速と所要時間の関係は反比例の関係にある。



◆一次関数

先ほどの正比例に話をちょっと戻すと y=ax という関係で、xが0の時はyもゼロだった。
例えば、友達がひとり来たらチョコレートを2粒ずつあげようと思ったら、友達の数(x)に比例して用意しなくてはいけないチョコレートの数(y)は2倍ずつ増えていく。
式で表すと y=2x である。

でももし、友達がたとえ一人も来なかったとしても、お父さんとお母さんに2つずつ合計4個のチョコレートをあげたいと思った場合、友達は0でもチョコレートは4つ必要だ。
これを式で表すと y=2x+4 となる。


<図3 一次関数のグラフ>
IMG_0002_20120226022004.jpg 

y=2x の時と直線の傾きは同じ(平行)だが、x=0の時もyは0ではなく「4」なので、上に4つ上がるのである。

このように y=ax+b という式で表される一次関数をグラフにすると、定数「a」によって直線の傾きが決まり、「b」によって x が0の時の y の値、つまり y軸との切片が決まる。



以上、中学の数学をざっと見てきたが…

一次関数、一次式と座標軸、y軸との切片…etc. といった用語を目にしただけで「わぁ数学だ、難しい! 苦手だ! もう忘れた! 思い出したくない!」などとおっしゃらないで…(笑)

ものの関係を論理的に考える上で、とても面白い便利なものだとは思わないだろうか?

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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

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