日銀が「脱デフレ」方針 本当の「豊かさ」とは…?

2月14日、日銀が「デフレからの脱却」と称して、金融緩和政策により消費者物価指数を上げる方向に動き出すと発表しました。
 
ごくごく単純に考えて、物価を上げることで、経済を活性化し、企業の利益を高め、ひいては雇用の促進・賃金アップを図り、景気の回復を図ろうという狙いです。

リーマンショック以来続く世界的な市場不安、金融危機、円高…といった長引く不況に対して、政府や経団連から「なんらかの金融政策に乗り出すべきだ」という圧力があり、それに応えたものであることは容易に推測がつきます。


しかし、私のブログに一昨年2010年9月に立ち上げたこのカテゴリ・「★豊かさとは…?」をすでに読まれた方ならきっとご理解いただけるでしょうが、国や日銀はどこまで行っても結局のところ大企業やマネーゲーマーの味方であって、国民、それも弱い立場の人たちの敵である、と言わざるを得ません。
私の考える本当の意味での「豊かさ」にとっては、ますます逆風ともいえる政策です。

物価を上げれば、もし仮に必要な物流が変わらないとすれば、たしかに見かけ上で動くお金の量は多くなり、経済は活性化したように見えるでしょう。企業の利益も一時的に上がるかもしれません。
しかし、物価が高くなれば人々は必要のないものは買い控えるようになり、かえって消費は冷え込むことも十分考えられます。

また仮に見かけ上の景気はよくなり、企業の売り上げが伸びたとしても、果たしてそれが雇用の促進や賃金アップに反映されるのでしょうか?
 
これまでの日本を見る限り、見かけ上の景気や企業の利益が上がっても働く社員には還元されず、国民(消費者)は決して豊かにはならず、むしろ苦しくなることは目に見えています。 



ただでさえ医療費も上がり、消費税も上がることを前提にした議論が先行し、年金の受給は先延ばしされ、国民からは取られるものばかりが増える流れです。

そこに追い打ちをかけるように、物価まで上げるというのです。
生活保護世帯、年金生活をする高齢者、病気をもつ人たち、さらに被災地でわずかの利益で復興に向けて日々汗を流されている人たちはいったいどうなるのでしょうか…?

このことになんの疑問も怒りも覚えない方は、もうこの先は読まなくて結構です。

「自分には直接関係ない」「経済の話や国の政策論はむずかしくて分からないし」「まあ自分や家族はそれぞれ仕事に忙しいけどそこそこ給料はもらえてるし、贅沢もそれなりにできてるし、まあ多少物価が上がっても、もしそれで景気がよくなるんならいいんじゃない」…etc.

その程度の意識しかお持ちになれない方は、どうかブログやfacebook上で私を「友達」から削除していただいて構いません!



なにもここで難しい経済論を展開しようというのではありません。
中学生にも分かるレベルで、「ことの本質」をちゃんと見ましょうよ!ということだけです。

そもそも日銀や政府はこれまで何をやってきたんでしょうか?

大企業や中小企業に「どうですか?もうかってまっか?」と尋ねて、「いや~さっぱりですわ」という答えが多く返ってきたら「景気は低迷・横ばい」。
それでも事業所得がそこそこ伸びて設備投資をしている企業もぼちぼちあるとみれば「景気は緩やかな回復」などと短観を上向きに修正。桜の開花宣言じゃあるまいし…(笑)

政府は、一昨年から昨年度にかけて、円高に歯止めをかけるために「市場介入」をしました。私の記憶にある限り大きく2度の市場介入で投じられたのは何兆円にのぼったのでしょうか…?
それに対して自動車産業をはじめとする経済団体は高く評価をしたようですが、一時76円台まで行った円高がわずか2~3日止まって戻っただけで、世界経済の流れを変えるまでにはとうてい至りませんでした。
円やドルを売ったり買ったりするいわばマネーチェンジャーゲームに、国をあげていったいいくら注ぎ込んで(=もとはといえば国民の税金)ギャンブルをやってくれたんでしょうか! 
結果は「焼け石に高い水」だったとしか言いようがありません。

さらに、法人税を引き下げることで企業を優遇し、雇用の促進を図ろうとしました。
でも政府が企業に有利に肩入れし、企業が多少元気になったからといって、雇用が促進されたり賃金アップにつながったといえるのでしょうか…?
少なくとも私が見る限り、身近なところではまったく実感がわきません。

これらについてはこの「★豊かさとは…?」のカテゴリ内をさかのぼってご参照いただければ幸いです。(http://resolutely.blog6.fc2.com/blog-entry-130.html  ほか)



いまこそ私があらためて申し上げたい「本当の豊かさ」とは…?

人々がそうした目先のマネーゲーム(経済の原理)だけに振り回された見かけの数字だけの価値観から一歩退いて…

たとえ大儲けはできなくても、人間がもっと人間であることを見つめなおし、身の丈に合ったそれぞれの価値観で生きる。
安くても良いもの・自分に合ったものを見つけ、自分にとって本当に必要なものを大切にし、ものづくりや感動を生み出すプロセスから「心の豊かさ」を求めた生き方へと転換していくこと。
ひとりひとりが自分の足元をしっかり見つめ、活かし、心の豊かな人たちが安心して暮らせる社会になってほしい!

それに対して、今ここで物価を上げて弱者をますます苦しめてインフレを図ろうなどという政策が、いかに大企業や政府をはじめ経済界にばかりに風見鶏を向けたもので、国民をますます苦しめる結果にしかならないか…?

ここまでお読みいただいた皆さん、どう思われますか?  
 
     

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おっしゃる通りです

久しぶりにコメントします。
時々は訪問して色々記事は拝見してますが、いつも本質に切り込んだテーマだと思います。

きのうの日銀の発表を受けて、けさは1ドル78円台後半まで3か月ぶりに値下がり、日経平均も久しぶりに9100円台を上回るなど、経済界では歓迎ムードが見られますね。

でもおっしゃるとおり本質とは全くずれたところで、一喜一憂の動きがほんの一時的に明るい方向に向いただけ、という感じがします。

物価が上がって毎日の生活が苦しくなるのは庶民です。人のふんどしで相撲を取っているマネーゲーマーではなく、庶民が苦しむことになるのです。

日本政府は戦後ずっと経済政策でもなんでも、アメリカをはじめ海外からの圧力と財界からの圧力で動くばかりで、ちっとも国民の目、とくに弱い者の目とは大きくかけ離れた舵取りをしてきたんじゃないでしょうか。

たとえブログやフェイスブックで「いいね」があまりつかなくても、ものごとの本質はしっかり書いて頂きたいです。
少しずつでもこういう意識が伝わったらいいと思います。

Re: おっしゃる通りです

昭和大好きさん

お久しぶりです。そう言っていただけて光栄です。

きのうの日銀の発表を受けて、久々の円安、そして主に輸出を主力とする企業の株が買われて日経平均が9100円台を回復したようですね。
でも各紙の報道の中には、円安と景気回復の兆しに飛びついて反応できる人たちが限られていて、効果はほんの一時的なものだという見方もあるようです。

イギリスをはじめヨーロッパ諸国でも、消費者物価指数を何パーセントまで上げる、という目標を定める方法は取られているようです。
でも、金利を緩和したり引き締めたりというコントロールと一体でやらないとあまり意味がありません。
日本では、これまでにかなりの長い時間「ゼロ金利」が継続していて、今ここで物価指数を上げようとしても、はたしてうまく機能するのかという懸念もあるようですね。

いずれにせよ今日の動きだけを見る限り、おっしゃるとおり目先の「一喜一憂」が数字になって表れた感じです。本質はそこじゃありませんよね。
しかし「人のふんどしで相撲を取っているマネーゲーマー」…痛烈ですね!私も実はそう思いますが(笑)。

おはようございます。

高木さん、先日はfbの中で失礼致しました。
教えて頂いたブログにお邪魔させてもらいました!
確かに「国も国会議院も!」景気やら復興やら問題として採り上げていますが、本質は”どれだけお金を集められるか””どれだったら税金を上げてもだいじょうぶか”というようなやり取りばかりが目に付きます。
富裕層の「マネーゲーム」に無駄金を注ぎ、高額納税者に手厚い制度。
国民の中の”低所得者”の割合を考えると!消費税upや税金増となった場合、国民を苦しめる事は必死ですし雇用に関しても「正社員」と呼ばれる”安定雇用”も崩れてきた社会図式の進む先には税収”減”でむしろ税金が入ってこない事も予想されますよね。
原資を持たない日本自体が海外諸外国へ資金援助する事自体、おかしくも想います。しかし、国際という”借金”を増やしても?!それはそれで仕方が無い事ですよね。日本の生活がかかってますから・・・。
 と言うような、理解・納得出来うる理由があれば”税金増”も受け入れるかも知れませんが、最近の国会ではただただお金をいかに集めるかばかり・・・。
東北の現状は震災で職を失った人たちの雇用保険の給付が2月で切れ、慌てて「ハローワーク」で職探しをしても!正社員の仕事は少なく、有ったとしても緊急雇用対策の短期の雇用がほとんどで足踏みする方が多いです。
仕事をしている人の中には「えり好みしないで稼げばいいのに・・・」と言う方もいますが、仕事を探している方にとって”長く勤められる事”を望むからこそ!”選んでいる”のを解らない方も残念ですがいるのです。
 国会の先生と呼ばれる方々は、何を見ているんでしょう?
 国会の先生と呼ばれる方々は、どこを見ているんでしょう?
 国会の先生と呼ばれる方々は、何を考えているのでしょう?
本当に「国民の代表」なのでしょうか???

経済についての書込みをしていたハズでしたが、ついつい個人的な書込みになってしまいました。 すみません・・・。

高木さんは様々な方面で活躍されているようですが、くれぐれもお身体には気を付けて下さいね。応援しています!

岩手県 鹿糠春彦(カヌカハルヒコ)
 

No title

お久しぶりですぅ。
退院いたしました♪
blogも心機一転! 新しく始めましたのぉ。

入院中に原発がらみの署名集めをされいる入院患者さんのお手伝いをしていたのですが・・・
原発に限らずですが、一人一人が考えないといけない時なんだろうーなと感じました。

子供達が

私たちの次の世代への見本・お手本にもならなければ尊敬されるような立場にもなれない。反面教師な世の中にって言うテーマの元であれば別ですが、今から誕生する子供達にしわ寄せがきそうで可愛そうです。

No title

久しぶりにコメントいたします。(ちゃんと生きていますよ。笑)
幸せ度、満足度という観点から見てみると、他の国、例えばドイツでは国民総生産や一般の労働者の可処分所得は、実は日本よりかなり低いのだそうです。(少し前の統計ですが) 
でも、生活に満足している人の割合ははるかに高くて、自然や芸術に触れる機会も日常的にあって、人生を謳歌している雰囲気さえ漂わせていたそうです。(ユーロになってからはどうなんでしょう?) 
何故?それは所得が低くて、しかも税金もがっぽり取られていても、ちゃんと見返りが目の前にあるからなんですよね。
広い庭付きの家でなくても、すぐ近所の手入れの行き届いた公園が庭のように使えるから別にいらないよ、と。
芸術に対する税金が日本の何十倍も取られていてもあまり文句が出ないのは、高品質の芸術に低料金で触れることが出来るから。
フィードバックさえしっかりして、実感できればいいんですよね。
それがないから政治に対して鬱積が溜まるというわけで・・・。
どじょうさんはいまだに泥の中でアップアップしているように見えます。
どじょう救いの手は何処に?

Re: No title

ジャッキーさん

本当、ちょっとばかりご無沙汰ですね!
おっしゃる通り、お金の価値観はその使われ方、活かされ方だと思います。
税金もしかり。何を基準に高い・安いを判断するか…
だからなおさら、個人個人、ひいてはその社会が、何を大切とするか、何を豊かだと思うかが重要なんですね。

ちなみに今の日本は、「もしここに100万円あったら何に使いたいですか?」と質問すると「とりあえず貯金」という答えが多数のようです。
お金を欲しい・増やしたいと思うことよりも、それを何にどう使いたいのか? 具体的な目的があってこそお金の価値もあるというもの。
いわば目的なき単なるマネーゲームが、「とりあえずお金」→「お金さえあれば何をやってもいい」…金杯主義・成金趣味にもつながっているように思えてなりません。
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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