大阪の文化・芸術危機!

12月6日(火)

娘の咳が止まらず、診察の結果いま流行のマイコプラズマと診断されてしまい、今日は看護休暇をとりました。
午前中に病院・学校へ行き、容体はおさまっているので久々に平日の昼間にパソコンに向かっています。
決して勤務時間中に個人的なブログを書いている訳ではありませんので、誤解なきように(笑)。



さて、大阪ではいま、新しい市長の就任を前に、文化・芸術関係の方たちが大変な危惧をいだいてらっしゃいます。 それはこちらの記事!

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111203-OYT1T00483.htm

もと大阪府知事だった橋下徹氏は「文化は行政が育てるものではない」と公言してきました。その橋下氏が19日に大阪市長に就任するのを前に、市内の音楽や芸能関連の団体が戦々恐々としている、というのです。

遠くイタリアに在住の音楽家もこの記事を読まれて心配し、憤りの声を上げていらっしゃいます。
私がこの記事をブログに書き、それをフェイスブックにリンクさせて早々に、平日の昼間にもかかわらず、すでに何人もの方から「いいね」を入れていただいています。ありがとうございます!

大阪の市長を選んだのは大阪市民のみなさん。私が東京からとやかく言える立場ではもちろんございません。 またこれから書くことは決して大阪市長一個人だけを批判するものではありません。

ただ、私がこれまでこの「豊かさとは…?」のカテゴリーで色々と綴ってきた流れとはあまりにも正反対の、なんとも嘆かわしい愚かな現実と受け止めざるを得ません。



もともと大阪は商人の街・商業の街として栄えてきました。食や楽しみなど、関東とはまた違った独特の素晴らしい文化を持っておられると思います(私も小学校低学年を関西で過ごしました)。

でも商売すなわち「経済」には、「儲かることしかやらない」「金拝主義」へとつながる要素も多分にあります。今の日本全体が商業・経済中心の価値観に流されていると言ってもいいでしょう。

一方、文化や芸術はもともと “儲かるもの” じゃありません。でも人間にとってかけがえのない宝です。どんなに苦しい時も悲しい出来事があった時でも、文化や芸術は人の心を癒し勇気を与えてくれる目に見えない力を持っています。誰かがそのことを深く理解して支援してくれなかったら成り立たない世界です。

古くは宮廷や王様が、音楽が好きなら作曲家に曲をつくらせ、楽隊を呼んで演奏させた。また絵が好きなら画家に絵を描かせた。お金を出す人(スポンサー)自身が芸術文化を理解し愛するからそこにお金を出す。文化芸術はそういう中で育っていったのです。

バブルの一時期、企業の名前を頭に掲げて行う「冠コンサート」が盛んでした。
でもチケット代はむしろ高騰し、その予算の多くは企業の広告宣伝費に消えました。企業は「企業イメージの向上」につながると信じ、文化・芸術を“広告塔”として使い“投資”したのです。

文化・芸術を本当に理解し、それを支えるためにお金を出してくれた企業はどれほどあったでしょう?  そしてそうした多くの企業は、バブル崩壊とともに引き潮のように芸術・文化の舞台から去っていきました。



「儲からないことはやらない」、それは利益を追求する「企業」としてはいわば当然のことでしょう。 決してそれを「けしからん」と責めることはできません。
でも芸術・文化はそうした企業の利益とはまったく異次元で考えなくてはいけないもの。

行政や政治が、民間企業(=商人)とまったく同じ発想で、「儲からないこと・すぐに実益につながらないことからは手を引く、予算をカットする」なんていう発想しか持てなかったら、日本の文化はおしまいですね。

天下りや特別会計の予算を使い切るための公共工事など、斬るべき税金の無駄遣いはほかにいくらでもあるはず。なのに人々の心を豊かにする芸術・文化を真っ先に切り捨てるような国は本当に情けない。そんな国なら滅んでしまった方がいいかもしれません。

一昨年の暮れ、科学技術や文化芸術を真っ先に削ろうとした「仕分け」に対して、ノーベル賞受賞者をはじめ芸術家や多くの文化人たちが「ノー」という声を上げました。私も及ばずながら署名に参加させていただきました。

バトルや政治ゲームも結構ですが、とんでもない失言を繰り返して国民を傷つけるような大臣をはじめ、日本の上層部に立つ人たちの資質には本当に失望します。

「人」や「文化」を本当に理解し大切にする人にこそ「公共の役割」に立っていただきたいものです。

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Re: 鍵コメさん

そちらの最新記事へもコメントを残しました。
ご自身もお友達も大切になさってくださいね。
それからショパンのバラード1番、いいですね!哀愁を帯びた旋律の先に力強さを私は感じます。
けっして「悲愴」のような力強さではなく、悲しみ・苦しみの先に乗り越えていくような…

またぜひオープンなコメントもお待ちしてますね!

No title

こんにちは、ごぶさたしています。

おっしゃるとおりです。とくに、行政が企業の論理を振りかざしたら国は滅びる。その通りだと思います。

公的なものが過剰に効率を追求しだしたら、社会はますます殺伐としたものになっていくことでしょう。

No title

こんにちは。

お仕事でお疲れの中、連日、真剣なコメントを書いていただきありがとうございました。

話は変わりますけど、この記事のコメントを書いてみます。

この記事を読んで、先日のコンサートを思い出しました。

みなさん、ボランティアで演奏されていらっしゃるのですよね。
あれだけの演奏をされていらっしゃるにもかかわらず、
チケット代はほとんど、東北からの学生の招待や場所代などになり、
出演者は完全なボランティア・・・(に、思えます。)
それでも、聴いてほしいという気持ちで演奏されていらっしゃた。
その気持ちはみなさんの心が豊かであるからこそ、できることなのですね。
それは聴いている人にも、伝わってきます。だからこそ、感動するのですよね。

決して儲けのためではない。

文化や芸術が古くから世界中どこにでも存在したのは、
その心の豊かさを人間は必要としていたからでしょう。
大切に思っていたからでしょう。

そんなことをたくさんの人々は忘れてしまっていること、本当に悲しいことです。
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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