バッタ、キリギリス、コオロギ

10月11日(火)

虫たちもコンサートに向けて忙しい季節になりましたね。
きょうはかつての“虫少年”に戻って、バッタ・キリギリス・コオロギのお話を…

サイトから拝借した画像も多くご紹介しますので、虫の苦手な方は無理してお読みにならず、「無視」なさってください。



英語ではすべて「グラスホッパー」、つまり「草むらの中で跳ねてるやつ」程度のきわめて大ざっぱな名前で総称されてしまっています。

でも日本ではバッタ、キリギリス、コオロギと大きく3種類。
その中でも虫ごとに鳴き方を“ことば”に置きかえるなど、とても情緒ある名前が付けられています。こういうところに古き良き日本語の豊かさを感じますね。 

ところで皆さん、バッタ、キリギリス、コオロギの大きな区別をどのように見分けますか?

なんとなく、頭が尖っているのがバッタで、馬面(うまづら)のようなのがキリギリス。バッタとキリギリスは体が緑色で、茶色(または黒)がコオロギ… そんな風にとらえてませんか?
でも、バッタの中でもトノサマバッタやイナゴの仲間は頭が尖ってませんし、マツムシやカンタンなどは体は緑色ですがじつはコオロギの仲間なんです。なんで…??


セミは鳴き袋で鳴きますから羽根は関係ありませんが、秋の虫たちは羽根をこすり合わせて鳴きます。問題はその羽根の使い方なんです!


◆バッタの仲間たち

まず、バッタは羽根と羽根をこすり合わせては鳴きません。
トノサマバッタやイナゴの仲間(いずれも馬面で丸長です)は、大きな後ろ足を羽根にこすりつけるようにして「シャカシャカシャカ…」と音を出します。鳴くというより“音をたててる”というイメージでしょうか?

トノサマバッタトノサマバッタ
イナゴイナゴ

ショウリョウバッタやオンブバッタなどは足を羽根にこすりつけて鳴くこともありません。

ショウリョウバッタショウリョウバッタ
オンブバッタオンブバッタ

私が小さいころは「キチキチバッタ」というのが図鑑に載ってましたが、あれは飛ぶときに羽根と足が当たって「キチキチキチ…」という音を立てることからつけられた愛称で、正式な名前ではなく、ショウリョウバッタと同一の種類。今はキチキチバッタという名前では図鑑には出ていないはずです。

羽根と羽根をこすり合わせて“鳴く”秋の虫は、キリギリスの仲間とコオロギの仲間です。


◆キリギリスの仲間たち

キリギリスは左右2枚の羽根を地面に対して垂直のまま、人間の手に例えるなら、拍手をするような動きで細かく震わせて鳴きます。
背中で2枚の羽根が重なり合う蝶番(ちょうばん)のような部分が三角形になっています。虫によってはその部分だけ茶色いのもいます。2枚の羽根を向い合せに震わせることで、その蝶番の部分から音を発生させる…それがキリギリスの仲間たちです。

代表ともいえるキリギリスは「チョン、ギ~~ッス」(=「キリっ! ギリ~ス」→キリギリスの名がついた)、
キリギリスキリギリス

ウマオイは「スイ~ッチョン、スイ~ッチョン」(→「スィッチON」?)、
ウマオイウマオイ

クツワムシは「ガチャガチャガチャ…」、
クツワムシクツワムシ

いつも裸足なんですってね!…「靴は無視」…失礼しました!

鳴き方はそれぞれ違いますが、2枚の羽根を向い合わせに震わせて、背中の三角形の接合部分から音を発生させて鳴くのがキリギリスの仲間です。


◆コオロギの仲間たち

それに対してコオロギの仲間は、平たい2枚の羽根を地面に対して水平にやや浮かせるようにして鳴きます。 スズムシのように2枚の羽根を完全に立ててこすり合わせるのもいますが、多くは体から少し浮かせる程度。
スズムシスズムシ

いずれにしても2枚の羽根を団扇(うちわ)に例えるなら、広い面と面をこすり合わせるようにして鳴くのがコオロギの仲間です。

残暑も去って日暮れも早くなったなと感じ始めるころ、草むらの茂みから聞こえてくるコオロギの声はとても心が安らぎますが、季節の移ろい、“もののあわれ”を感じさせますね。

「ジ、ジ、ジ、ジ、ジ…」と等間隔に鳴くのが体調2センチほどのオカメコオロギ(地方によってはツヅラサセコオロギとも言う)。
オカメコオロギオカメコオロギ

オカメコオロギとほぼ同じ大きさですが「ビビっ、ビビビビっ…」とやや途切れるようにせわしなく鳴くのがミツカドコオロギ。頭が王冠のような形に3つに尖っているのが特徴でこの名が付きました。
ミツカドコオロギミツカドコオロギ

そして「コロコロコロリリ~」と一番美しい鳴き方をするのは、コオロギの王様ともいうべきエンマコオロギですね。この鳴き方から「コオロギ」という代表名がついたともいわれるほど、コオロギの中のコオロギ。体も大きくオスの顔が閻魔大王に似てることからその名が付きました。

でも体調が4~5センチあり、その色・艶などから、台所にいるあまりお目にかかりたくない別の昆虫を連想される方もいらしゃるでしょうから、あえて画像は載せません。
みなさんもう充分ご存じでしょうし、どうしても見たい方は草むらで捕まえてきて飼育・観察してください。

そのほかのコオロギの仲間としては…

ハギの茎に卵を産み付けるカンタン
カンタンカンタン

小さな体で「チンチンチン…」とかほそく鳴くカネタタキ、

木の上などで「ルールールールー」と鳴くマツムシ(「チンチロリン」と鳴く日本古来の在来種とは別の外来種が今は多くなり、木の上で大きな声で鳴いているのはアオマツムシ)
マツムシマツムシ

いずれも体は緑色をしていますが、羽根の面同士を水平にこすり合わせて鳴くのでコオロギの仲間です。

これからの季節、帰宅途中にも公園や庭先でちょっと耳をすませてみませんか。


<追記>
捕まえると、威嚇のために口から赤黒い液を吐くのは、クサキリというキリギリスの仲間でしょうね。
クサキリクサキリ

~かつて“昆虫博士”と言われた少年より~

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コオロギ

連休中に、お墓参りならぬお墓掃除に行ったら、
ものすごく大きなコオロギがたくさんいました。
静かなお墓で過ごしていたのに、ねぐらの草をむしられて・・・
彼らには、散々な連休だったでしょう。

No title

小学生のとき、学校帰りの空き地の草むらで道草を食っていて(‘草むらで道草を食う’なんてほんとバッタみたいだなぁ、なんて)偶然殿様バッタに遭遇したのです!
その頃でさえ殿様バッタは希少ではなかったでしょうか。
それこそ、宝物を見つけた心持で急いで家に虫取り網を取りに帰ったのでした。さすがに殿様バッタを手で捕るのは怖かったのでしょう。だけども、同じ場所で待っているわけでもなく、暗くなるまで探しても見つけることが出来ませんでした。
あの時の残念だった気持ちは今でも残っています。

話変わって、ショウリョウバッタやオンブバッタを捕まえると、必ずとい言っていいほど口から火、じゃなかった、玉状の黒い汁を出しますが、あれは何なのでしょうか?特別嫌な臭いがしたという記憶は無いのですが、やはり防御反応なのでしょうか?

Re:

♪ト音記号先生

お久しぶりです!
お墓にいる虫たちは、子供の多い公園よりも平和に暮らしてるはずですが、そういう災難もあるんですね。
でもコオロギは必ずしも青い草ではなく、刈って積み上げられた枯れ草の山が案外いい住みかになったりします。


♪ジャッキーさん

私も関西の団地(まだまだ空き地も多かった)で小学生時代を過ごしましたから、似たような経験をしてます。

そうそう、捕まえると口から赤黒い汁を吐くのがいましたね。
でもバッタではなく、クビキリやクサキリなど、ギリギリの仲間(本文のツユムシにちょっと風貌がにてますが、頭が尖ってます)ではないでしょうか?

写真もたくさんで、わかりやすいですね!
子どもの頃、こんなことを知っていたらより虫とりが楽しかったんだろうなって思います。
キチキチバッタが愛称だったということを今、知りました
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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