ETV特集 「おじいちゃんと鉄砲玉」

2010年3月、NHKホールにおいて、「コバケンとその仲間たちオーケストラ」が障がいのある人たちとともに奏でた「こころコンサート」を取材され、ほぼ同時に放送された「福祉ネットワーク」を担当していた久保田瞳さん。

彼女のおじい様が昨年7月に亡くなられたとき、お骨に混じって1発の弾丸が出てきたそうです!
あの太平洋戦争で航空隊として出撃して敵の弾丸を受けたという話は聞いたことがあったものの、あまり戦争体験について語られたことはなかったそうです。
その一発の弾丸をきっかけに、久保田さんみずからがおじい様の戦争体験を追ったドキュメントです。

放送:9月4日(日)夜10時~(59分) NHK教育テレビ  
お時間のある方はどうかご覧ください。

番組のHPはこちら
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2011/0904.html


<番組広報より>

去年7月、NHKディレクター久保田瞳の祖父・北島源六(享年90)が荼毘(だび)に付された時、お骨に混じって出てきたものがあった。それは「鉄砲ダマ」。生前、戦争体験に関してほとんど語らなかった祖父が、唯一話していたことが、「航空隊員として出撃したとき、敵の攻撃を受け、今も頭の中にその時の鉄砲玉が入っている」ということだった。

いつ、どこで被弾したのか。祖父の戦争体験を調べようと戦友を訪ね歩いたディレクターは、祖父が亡くなるまで心に秘めていた意外な事実を知ることになる。

戦争中、海軍の一式陸上攻撃機という7人乗りの飛行機で、偵察員として出撃を重ねていた祖父。敵の砲弾を受けた戦いを期に変わっていったという・・・。
戦後66年がたち、リアルに感じることができなくなった「戦争」。孫世代はどう受け止め、次世代に引き継いでいくのか。肉親の戦争体験を出発点にして、生と死の境をさまよった航空隊員たちの知られざる戦争を描き出す。


 <続きを読む>に番組の感想を…
 
上の娘(中学1年)も最後まで一緒に見ていました。

久保田ディレクターのおじい様のように特攻隊として出撃した経験までなくても、親友(戦友)をたくさん亡くして生き残り、戦時中の思い出は封印して戦後生き抜いた方がたくさんいらっしゃるはずです。
おばあ様が口を堅くとざされている理由も、私も戦争体験のない人間ながら、なんとなくわかるような気がします。


爆弾を途中で捨てて帰ってきた、そういうことをする兵士もいた、という証言。それもたしかに嘘ではないかもしれません。あの戦時下にあって、天皇陛下万歳、一億玉砕が当たり前の時代に、という常識からすればとんでもないことだと思われるかもしれません。

でも、考えても見てください。まだ10代の多くの優秀な若者が、勝ち目のない戦いで毎日大勢死んでいくという現実を。
そんな中、はやる気持ちだけで突っ込もうとする後輩たちに「無駄死にはするな!」と言われたおじい様の気持ち、痛いほど分かります。「上に対する反抗である」と。

現場の人間は、敵艦には最新式のレーダーが搭載され、撃ってくる弾の数もこちらとは全然違う…そんな現実を知っている。なのに上の方は、ただ形式的に精神論で「行け行け、やれやれ!」だけをいう。
…今の日本の組織でも、同じような構造があるように思います。

まして命にかかわる問題。ましておじい様は新婚。反抗心も頭をもたげてきても当然でしょう。でもそれは決して、軍人として情けなかったということだとは思いません。 どうせ戦うなら「無駄死にはしないで、戦えるために生きよう」と思われてたに違いありません。

そして最初に書いたように、多くの同期や後輩が次々に出撃して帰ってこない中で、自分は生き残って終戦を迎えたという事実。
そのあたりのジレンマを、おばあ様はすべて飲み込んで生きてこられたように拝見しました。


戦後66年という時間が流れ、私も含めほとんどの国民は戦争を知りません。
多くの人が悲惨な死に方をしていった戦場の記録だけでなく、生き残って戦後生き抜いてきた人の心にも残ってずっと消えない傷跡。
あらためて「あの戦争はいったい何だったのか?」を考えさせられるドキュメントだったと思います

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No title

この番組は必ず見させていただきます!
くだらない番組が多い中、本当に貴重ですね!
DVDに焼いて、娘にも見させようと思います!

No title

必ず、見ますわ。

回天の島で「神風特攻隊」の名もなき若者の叫びを見ましたが、
修学旅行とかいいつつ、わけわかんない遊びで親の貴重な労働で稼いだお金使うくらいなら、こういうところに放り込んで1日考えさせるっていいと思うんだけれど・・・。
ロクな授業できない教師より、こっちの番組の方がよっぽど説得力あるわよねぇ。

No title

戦後60年以上経っても、忘れられない癒えない深い傷を感じました。
何も言えないおじいさんの表情、手の動き、全てが言葉以上に語るものがあって、見ている方も辛かったです。

学生の頃、『祖父母の生きた時代』をまとめる授業がありました。祖父は私が物心つく前に他界してしまっていた為、同じように祖母に話を聞きに行ったのですが、あまり話したくないような感じがしたのを覚えています。
今回、この番組を見てその時の祖母の気持ちと重なり口を堅く閉ざしている理由がわかったような気がしました。

No title

大筋では異論はないですが、なんかちょっと違う。これじゃ、今までの「戦争、いけませんね」の”道徳番組”に対する感想と大差ない感じのような気がしますね。
「おじいちゃん」や、番組上登場したその妻であるおばあさん、あるいはその戦友であるご老人達を、いわば”英雄視”してはいけません(あえて英雄視という)。

この番組は、もっと深いことを伝えようとしているように思えます。

そこが読み取れないと、戦争中の戦果を得々として語ったという生前の「おじいちゃん」の様子を久保田さんが紹介している趣旨や、久保田さんの涙の場面が挿入された意味などを、掴み損ねているように思いますよ。
(繰り返しますが「大筋に異論はありません」ので、あしからず)

No title

番組拝見させていただきました!

まずは、辛い戦争の中を生き延び、家族を養い、天寿を全うされた
お祖父様のご冥福をお祈りいたします。

お祖父様の人柄故に、さぞかし戦時中は日本軍と命の大切さとの
狭間で辛い思いをしたのでしょう。

派手な演出などせず、淡々と人物を映し出すやり方に、
逆に胸に迫るものがありました。

最後の懐中時計の裏側、写真が出てきた時は、
思わず涙が出てきました。

家族の写真を持つのは、いつの時代も変わらないのだとおもいます。

素晴らしい番組でした!

Re: No title

皆さんご感想をありがとうございます。それぞれに受け止めていただいたようで…

「おじいちゃんの勲章」さんへ。おっしゃるとおりですね。うすっぺらく解釈して「戦争いけませんね」に丸め込んでしまってはいけないと思います。
番組中、取材する側でもありされる側でもあった久保田さん自身が、おじいちゃんのレイテ沖海戦での英雄ぶりだけを今まで聞かされて、それが「せめてもの慰め」だったという一文を読み、戦友から「爆弾を捨てて帰ってきた者もいた」という話を聞かされ、ショックで泣かれていました。
また、何も言えなくなってしまって目と手の動きだけですべてを語るおじいさんも。

感想をお寄せいただいたコメントでも、決しておじいちゃん達を「英雄視」したり単純に「戦争いけませんね」とおっしゃっている方はいらっしゃらないように感じますが、私が「続きを読む」に綴ったあたりから何かそんな印象をお持ちになられたのでしょうか…?
私は第三者的な立場だからこうして文章に書き表していますが、実際に極限まで追い詰められ、親友の多くを失った人に残った傷痕は、そう簡単には語りつくせない・癒えないということも感じます。本当はもっと語っていただきたいですけどね、後世の指導者が誤った道に進まないためにも。

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No title

初めてお邪魔します。私もこの番組を視聴してました。私はこのディレクターさんに少し落胆をしましたね。聞き取り方が凄く下手なのです。少なくても当時どう言う状況だったのか?予備知識としてもっと調べるべきだと思う。

仏印時代の戦友の方が「無茶な命令の反抗心から爆弾を途中廃棄して帰投した」と言う証言が有りました。その後、台湾時代の戦友の方へ聞いた時「爆弾を捨てて帰って来たのですか?」と聞いてしまうのですよ。「それは無いと」否定した時、相手の方少し憮然としてた気がします。

私はこの証言者の方に対して、「途中で捨てて帰って来たから生き残ったのでしょ?」と言ってるかの様に感じて、凄く嫌な気分になりました。

この番組自体は、私も管理人さんと同じく現場の仕官に対しての考えや行動に対しては考えさせられましたが、どうにもこの番組自体が何かの答えを出したか?と言う点では疑問が残ってスッキリした感触は残りませんでした。勿論自分がミリオタなので、逆に知識が有る為にそう感じたのかもしれませんがね。

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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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