なんのための固定資産税?

今年もまた固定資産税を納める時期がめぐってまいりました。一括まとめて、あるいは年に4分割でも構いませんが、いつもながら「なんで?」と納得できない思いを抱いてしまうのは私だけではないようです。

そこで…
ちょっと歴史の勉強のおさらいになりますが、話は奈良時代にさかのぼります。

三世一身法(さんぜいっしんほう)」(723年)…この名前は後につけられた呼び名で、長屋王の時に定められた「養老七年の格(きゃく)」というものです。
なんの苦労もなく手に入れた土地ではなく、開墾をしたり灌漑用水を引くなど苦労して手に入れた自分の土地も、本人・子・孫の代までしか所有できず、その後は国のものとなる、ということです。

しかしこれには反発も多く、それから20年後の743年(天平15年)、橘諸兄の時代に定められたのが「墾田永年私財法」です。
 
日本人にとって“土地所有”という意識が芽生えたのはこの時ではないでしょうか?

その後の平安時代になると、各地の豪族たちがどんどん自分の領地(=荘園)を増やしていきます。そしてその荘園を守るいわばガードマンとしての武士が力をもち、やがて武士の世の中へと進んでいくわけですね。

当時の日本の人口はまだ今のように1億2千万人もいませんが、日本列島はご存じのとおりあまり広くなく(=早い話が狭い)、海のすぐ背後にまで山が迫り、大勢の人が住める平野部は限られています。しかも日本は地震列島!

こういう国であるからこそ、都市部(ダウンタウン)と居住空間をきちんと分け、適正な規模でおさえ、計画道路や緑地・公園も充分に設け、災害に強い街づくりを計画的にすすめなくてはいけません。

今の首都・東京はどうでしょうか?
東京は、明治維新・関東大震災からの復興・戦後の復興、と少なくとも3回、根本的な都市計画をやり直せるチャンスがあったはずです。

しかし…
どこかの財閥のご子息が防空壕の中で「今のうちにあそこの土地を買っておけ、ここもおさえておけ」とあちこちの土地を買いあさったという話があるようです。なんとおぞましいことでしょう?
かくして、個人個人の権利、金さえあれば何をやってもいい、という原理で建ちたいところに建ちたいものがひしめき合うように建ってきた…それが今の東京の姿ではないでしょうか?
そういう中でバブルな「土地神話」が生まれ…



先ほどの「三世一身法」の精神は、もともと土地は国のもの、民(たみ)に一時的に与えられるもの、ということです。
自分たち家族が住むための最低限の場所を確保することは今以上にもっと進められてもいいと思います。でも自分が住むための最低限の土地と、そうでない目的の土地とでは、今以上に税金の面でも差別化が図られてもいいのではないかと私は思っています。

現状では、せめて自分の土地を持っている人は感謝して税金ぐらい納め、世の中に貢献しましょう、という意味にとらえて納得するようにしています。
 

♪ 税金の使われ方・生かされ方

今までこのカテゴリの中で「本当の意味での豊かさってなんだろう?」ということについて色々と書いてきた中で、税金も「ただ黙って取られるだけ。あまり考えないように」ではいけない、ということを書いてきました。 

 払うべきものはちゃんと払う。ただし、その税金がどこにどう納められ、どう使われているのかをきちんと見極めていないと、政治や行政の怠慢・不正の温床だらけの国になってしまいます。

さてここで問題!

Q. 固定資産税は 「国」に納める税金でしょうか? それとも「地方」に納める税金でしょうか? 

中学生になる娘に尋ねたら…
「東京都…?」

はい、正解です!

その土地のある地方(=市町村)単位に固定資産税は課税されます。ただし東京23区の場合は「東京都」がまとめて徴収しているんですね。

はたして我々が納めた税金はどういう風にどう生かされているのでしょうか?
それについてはまたいずれ書きたいと思いますが、ここでは一点だけ。

今回の東日本大震災で甚大な被害を受けられた方たち、家ももちろん、家が建っていた基盤(土地)ごと失ってしまわれた方も大勢いらっしゃいます。地盤沈下や液状化による被害もだんだん明らかになってきています。
また、土地・家屋そのものを失ったわけではなく所有権はまだ有していている(=固定資産税の対象となる)にもかかわらず、原発の被害で向こう何年も帰れるかどうかさえ分からない多くの人たちがいます。

そういう方たちの固定資産税をどう扱うのか、明確な基準は設けられたのでしょうか? 国と地方自治体との役割、判断基準はどうなのか…?

阪神淡路大震災の時も、テレビインタビューを受けた被災者の方が「近所で助け合い、ボランティアの方たちも遠くから大勢やってきてくれ、みなさん本当によくやってくれた。涙が出るほど感謝している。しかし一方、行政はいったい何をしてくれたというのか!? …今までいったいなんのために税金を納めてきたのか分かりません!」と怒りの言葉を発しておられました。
私ももし被災者の立場だったら、震災から4か月も経たにもかかわらずこんなにも基本的なことがまだ何も進んでいない現状に、同じような怒りを持つと思います。

今年の固定資産税の納付時期、私がとくに強く思うのはそのあたりです。

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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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