大臣 VS 国民

6月終わりに被災地を訪れ、暴言との批判を浴びて辞任したM元復興大臣が「自殺か?」という噂が飛び交いました。
真相は?…挨拶まわりで疲労がかさなり、地元福岡で緊急入院!

この一連のできごとについてはあえて記事を書きませんでしたが、先週はアメブロやFacebookなどどこを見てもこの話題ばかりでしたね。 関連する話題のリンクに数百件のコメントが寄せられていたケースも!

ほとんどの意見は、M復興大臣の被災地での言動に怒り心頭というところのようです。
ただ、それらの多くのコメントに混じってごく少数派ながら「口は悪いけど言っていることはまとも」とか「そういう人物を選んでいるのは国民だから」というご意見も。

やはりちょっと書かせていただきます(笑)。


◆私もずばり「許せない!」派です

まず、テレビでも大々的に報道された県知事との会見、一連の言動については「言語道断!」「いったいなに様のつもり!」と言わせていただきます。

●「知恵を出さないところは助けないぞ」…復興大臣としての立場をまったく無視した不適切発言です。ご自身の立場をまったく分かってない!なに様のつもり?

●「(地元の)コンセンサスきちんと取れよ、しっかりやれよ」…これは地元知事への叱咤激励としてまあ良しとして、「でなかったら何もしてやらんぞ」…あなた個人が身銭を切ってやってくれるわけじゃないでしょ? 遅れに遅れた国がようやく復興支援を進めるべく据えた大臣の立場をまったく分かっていない。いったいなに様のつもり!?

●知事が先にこの部屋に入って出迎えるべき…??訪問者はまず応接室に通され、そのあとで主人が応接室に入る、というのは極めて常識的なスタイルでは?皇室関係者か国賓クラスじゃあるまいし、迎える側の知事が玄関で歓迎の出迎えをしろとでもおっしゃりたいのでしょうか?地元は忙しいはずです。

☆注) 大臣は「お客さん」ではなく、ともに被災者を助ける協力者の代表のはずです。助けて当然なんです。自分が国で立場が上、お前らは…という上から目線。まずそこが大きな間違いです。
福島県の佐藤知事は翌日の会見で「地方も国も対等の立場のはずなのに」とおっしゃっています。とてもまともな見地だと思います。

●マスコミに対して「最後はオフレコだからな。書いたところはおしまいだからな」…とんてもない暴言であり、言論への弾圧です!恐れずにノーカットで放映した地元テレビさん、ブラボーです!
よくマスコミは、人の発言のほんの一部(言葉尻)だけをクローズアップさせるとも言われますが、あの会見の一部始終をノーコメントで流したのは、単に真実をありのまま伝えただけです。

●「九州の人間だから、東北のどの県にどの町があるかわからない」…中学生の地図帳でも眺めて勉強しなさい! うっかり自治体名を読み間違えてしまったときに「ごめんなさい、私は九州の人間なんで」というのなら仕方ない。でもわざわざ、いったいどういうつもりでの発言だったんでしょうか?


◆遅れに遅れる 国の復興支援

<7月12日現在>

*瓦礫撤去…34.0%
*義捐金の分配…20.2%
*仮設住宅の整備…46.1%
*被災地再建のための特別支援制度の実施…たったの4.5%

震災からじつに4か月。津波が襲った直後は雪が舞っていた被災地でも、今や30度を超える猛暑。すっかり季節は変わりました。

いまだに行方不明の方たち、仮設住宅にも入れない方たち、原発からの避難生活を余儀なくされている方たち…みなさん毎日の報道にはもう耳が慣れてしまっているかもしれませんが、まだまだ「ふつうの生活」にはほど遠い生活をされている方がいったいどれだけいらっしゃるでしょうか?

「このままではいけない」と何か自分にできることから始めた素晴らしい人たち。
その反面、国はいったいどれだけのことを進めてきたといえるのでしょうか?

被災地に代わって言わせていただきます!
「今までいったい何のために国に税金を納めてきたんだ!!」
「国はいったい何をやってくれてるんだ!」


M氏の辞任によって、ますます任命した内閣の支持率が下がりました。
野党はこぞってこれを機会に辞任要求を加速させる勢いです。

でも、原発問題にしても被災者支援にしても、まずは原則論を決めて動き出すことが政府の使命でしょう!?
たとえ今のリーダーが誰でも、今はそれを全力でささえ、やるべきことを進めるのが最優先でしょう!?

なんだかんだと「今のリーダーではダメだ」「いつ辞任するんだ?」にエネルギーをつぎ込んでいる議員たち、あなたたちこそが復興の妨げになっているんです!



◆センセイに なってしまえば 別の人

下手な川柳ではありませんが、私があえてカタカナで「センセイ」と書くときはヴァイオリンやピアノの先生のことじゃありません(笑)。

議員になるまでは選挙カーから白手袋で手を振り、街頭でもっともらしい演説(ほとんどが現政権への批判ですけどね)をして道行く人に握手を求め、投票ぎりぎりまで名前を連呼して「あと一歩です」などと騒音を発し… 
そしていざ当選してしまえば、大きな権限のもとに大勢が陳情に馳せ参じ「センセイ」と呼ばれるのです。 何か大切なことをわれわれ国民に教えてくださるんでしょうか…?


●「口は悪いけど…」??

今回わずか何日かで辞任したM元復興大臣ですが、冒頭にも書いたとおり「いままでそれなりにいいこともやってきた。口は悪いけど、言っていることはまとも」などと理解ある弁護をされる方もいらっしゃるようです。
もちろん個人として尊敬されている方がいらしてもいいですし、M氏の全人格・存在まで否定するつもりはありません。

でも申し訳ないですが、被災地の人たちの逆鱗に触れ、国民のほとんど大多数に嫌悪の念を抱かせるような言動をとる人物は、政治家として「NO」なのです。
政治家、それも大臣という肩書まで持った人は、発言のひとつで大きなお金・人・重大問題を動かす力を持たされているのです。ご本人が偉いからじゃなくて、立場として。

もしそこらへんのオヤジが飲み屋でうっかり暴言を吐いたのなら「口は悪いけどいい人なんだよ、よくやってるんだよ」で許されるでしょう。でも政治家は「口べただけど…」「口は悪いけど…」では許されないのです!

あと、最近は草食系男子が増え、あいまい表現が巷にあふれています。そのことと関係あるのかどうかは不明ですが、タレントでもなんでも、ちょっと暴言ともいえるような問題発言も吐くけど、何か中身のありそうなもっともらしいことを強い口調でズバっと言ってのける人がとかくもてはやされ支持されるような風潮がありませんか?

もちろんいろんな価値観がある中で、多少の反対意見や誤解を恐れることなく、自分の信念にもとづいて強くものを言えるということは大切なことです。
でも、それには「本当に理にかなったまともな考えかどうか?」「個人としてはいいけど、立場ある身としてどうか?」をきちんと見極められる目が求められます。


●「選んだのは国民だから…」??

あと、政治家が何か悪いことをしたり、今回のような暴言・失言を吐くと必ずといっていいほど「選んだのは(われわれ)国民だから…」とおっしゃる方がいます。でも本当にそうでしょうか?

小学校でよく知ってるクラスの友達を学級委員に選ぶ。あるいは中学校で、自分は部活や受験で忙しくて生徒会長なんかに立候補できないから、まあできる人が立候補してくれてるんだから「いいんじゃない」という感覚で一票を投じた。こういう場合なら、何かあったときに「みんなで選んだんだから」というのが民主主義の論理でしょう。

でも国会議員はどうでしょう?たしかに衆参両議院は、全国の地区ごとに選挙によって選ばれた“国民の代表”です。でも国民が投票できるのはそこまで。国会に議員を送り込むまでです。

総理大臣を選ぶのは、アメリカの大統領選挙のような国民投票ではありません。与党となった多数派政党の中から選ばれます。そして内閣総理大臣をトップに閣僚人事が決められますが、それらの人選・投票には国民はまったくの蚊帳の外です。
それは日本の議員運営法、国会運営法で決められていることなので、どうすることもできません。

ただ、もともとは国民に何らかの期待を抱かせて選挙によって国会に送り込まれたはずの、“国民の権利を代表”してるはずの人が、長年「センセイ」と呼ばれるうちに、なんらかの勘違いも重ねてしまったのでしょうか…、立場ある大臣としてあるまじき言動で被災者や国民を傷つけたとなれば…??

「選んだのは国民だから」などと分かったようなことをおっしゃる方は、「まあまあ、個人だけを責めても仕方ないから」とその矛先を自分たちにも向けることで怒りを収めようとされていらっしゃる、とっても大人な方なんでしょうね。
 
でも本当に民主主義を正しく理解しているといえるでしょうか?
そういうおとなしい国民が多いから、今の日本ではこんなおかしな政治がまかり通ってしまうのではないでしょうか?

市議会や市長などの場合、選んだ市民の過半数の意見が集まればリコールということもできます。 
国の閣僚を国民が直接リコールはできないにしても、今回の辞任劇が物語るように、国民の大多数が「期待を裏切られた!」「とんでもない人間が国民の代表になっている!」「辞めていただきたい!」と意思表示することこそが、選んだ人間の“その後”をちゃんと見極めることであり、民主主義として大切なのではないでしょうか?


<補足>

◆「政治的」という言葉


「政(まつりごと)を治めること」を政治というはずです。それは本来「民(たみ)」、すなわち国民が安心して幸せに暮らせる世の中のしくみをつくること。

しかし国会の答弁で、「なにか政治的な思惑があるのではないか?」といった使われ方をします。辞めるの辞めないの、いつ辞めるの、辞めるのと引き換えに…etc. 
政治家が政治生命をかけて、腹に一物をすえて、裏で何か“かけひき”をすること…そんなニュアンスですね。
子供にはわからないような大人の難しい世界。打算と思惑に満ちた高度な裏交渉。それで成り立っているのが「政治」なんでしょうか? 

なんか根本的なところが間違ってませんか?

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No title

「6月始めから自覚があり、軽度のそう状態」だったそうですね。疑う気もありませんし、きちんと治療して欲しいですが、6月始めから自覚がありだとしたら、大臣を引き受けるべきではなかったです。
いずれにしても、すぐに役立つ人材は、どこに眠っているんでしょう。

Re: No title

あれ、このコメントくださったのって…??(お名前が空欄になってました)

No title

は~い、ト音記号で~す。すみませ~ん。
最近、名前入れないとダメなのかしら。
前は、勝手に名前が入っていた気がします。

もしかして、他の方に入れたコメントも、こんなことになっているかしら。
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

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