「小っちゃいもの倶楽部」の動力づくり

だいぶ前に「テツなワーゲン」の中でもご紹介しましたが、鉄道模型と電気のごく基本をちょっとおさらいです。

模型(HOゲージ・Nゲージ)では2本の線路が+・-の極性になります。
ですから、全て金属製の車輪をそのままレールに乗せたらショートしてしまいます。どうなっているのかというと…
車輪の絶縁 

少なくとも片側の車輪の軸とプレートの間には絶縁体がはさんであります。だからショートしないんです。軸も台車も絶縁になっていない側のレールの極性になります(両輪とも絶縁タイプもあります)。

台車が2つある車両の場合、絶縁の施された側を交互にすることで、それぞれの台車は別々の極性になりますから、2つの台車固定金具(ボルスター)からモーターへ結線してやれば回路は成立してモーターが回り、その回転を車輪に伝えれば走ります。

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◆「小っちゃいもの倶楽部」 の動力づくり

最近なぜか魅かれる事業用の小っちゃい車両たちの多くは 2軸。
前にご紹介した「貨車移動機」などのように、本当に小さくて上まわりも変形していてモーターを入れるスペースがないような場合は市販のパワートラックを使ってしまうこともありますが、ジャンク部品を使ってこんな風に下回りを作ってしまう楽しみもあります。

下1

これはHOゲージを少しやったことのある方なら昔からよくご存知の「インサイドギア」と呼ばれるもの。 2軸がギアで連動していて、大きなタテ型モーターをウォーム&ギアを介して取りつけ、2軸を同時に駆動させます。

普通はこれに台車を着せ、ボルスターを介して首を振るように床板に取付けます。
電車のような一般の車両にはもうひとつ台車がつきますから、先ほど書いたように絶縁側を交互にしてやれば、2つの台車から両極を得られます。

でも、この2軸だけで走れるようにするには、絶縁されている側の車輪(プレート)にも何らかの集電装置が必要になります。

そこで、上の画像で丸印をつけたような真鍮片(0.8ミリ厚)を絶縁側のフレームにハンダ付けし、 2軸のほぼ中間あたりにネジ穴をあけておきます。そこに卵ラグ(=平たいリングで、リード線などをハンダづけするスペースが突出したパーツ)などを使って簡単な集電装置を作ります。

下2矢印 

卵ラグが本体と接触しないように(紙などの絶縁素材を介して)先ほどの真鍮片にねじでしっかり固定し、そこに 弾力性の強い燐青銅の線(0.5ミリ)を絶縁側の車輪上面にしっかりあたるようにハンダ付けします。 そして卵ラグからモーターの片方の端子へと結線します。

ボディが金属であれば、ボディ全体はもう一方(=絶縁になっていない側)の極性になっていますから、モーターのもう1極はボディもしくはモーター本体のどこかに結線(=アース)しておけば回路として成立します。

ただし結線の際、「進行方向・右のレールが+の状態で前進」というのが世界共通の鉄道模型の大原則。モーター・ギアの回転方向に気をつけて結線しておかないと、この子だけが逆走してしまいます(笑)。


床板・軸受けをつくる 

作りたい車両の長さ・幅に裁断した床板に、モーター部分が頭を出せる大きさの穴を糸のこで開けます。
知恵の輪のように、モーターをくぐらせて90度回転させて入れられればいいので、床板の強度をなるべく失わないよう、必要以上の大きな穴はあけないようにします。

下4 

つぎに両サイドの軸受け板です。
軸受板に軸穴をあけますが、この位置には正確さが要求されます。

軸穴と床高 

軸穴の位置によって床板の高さが決まります。 例えば今回のように車輪の直径が12.5ミリの場合、レール上面から6.25ミリの高さに中心軸が来ることになります。

その軸穴からどのぐらい上に床板面が来るようにしたいか?…今回は軸穴から8ミリとしました。 上図のとおり、レール上面から6.25ミリに車軸の中心があり、そこからさらに8ミリ上、つまりレール上面から14.25ミリの位置に床板の下面がくることになります。
 
軸受として4つの穴をあけますが、 わずかの誤差が床面の水平を狂わせたり、4つの車輪のうちどれかをレールから浮き上がらせてしまうので慎重に。

下回りはガッチリ作りたいので0.8ミリの真鍮板を使います。連結面(=車両の前後)にはエンドビームという化粧板、両サイド端には反りを防止するためのコの字のチャンネル材をハンダ付けし、しっかりした下回りにしていきます。

下5

軸受板の片方は床板に垂直にハンダ付けして固定します。
もう片方はこのように90度のアングルを台座として、ねじ穴を切って固定します。
(垂直で隙間があかないように台座をハンダ付けしておき、車軸を入れた状態でぴったり合う位置にねじ穴を切ります) 

動力車の車軸は集電も兼ねているため丸くて深いですから、無理やり “ひん曲げて”  押し込むのではなく、ちょっと面倒でもこういう構造にしておけば、塗装の際の分解も、後々の整備も楽です。

下7 


下9 

ホワイトメタルの軸受は飾りです。カプラー(連結器)も他の車両と高さを合わせるために、この段階で調整して取りつけておきます。


走りの調整

4つの軸穴が正確に決まっていれば、床板は水平を保ち、4つの車輪からきっちり集電してくれて、前進・後進ともブレることなスムーズに走ってくれるはず、なんですが…
モーターを逆転させたときにギアに微妙なひっかかりが生じたり、奇音を発生することもあるので、この段階でよ~く調整しておきます。

あと、この画像ではまだ取付けていませんが、集電をよくし、引っ張る力(=牽引力)を増し、低速運転がスムーズにいくためにも、ウエイト(重り)は欠かせません。
上に乗っけるボディの形状にもよりますが、前後左右になるべく均等に重さがかかるようにウエイトを積みます。スペースがない場合は床下のあいてるスペースに貼りつけるなどして、動力車はなるべく重くしておきたいところです。

インサイドギアやモーターなど予備のジャンク部品が手に入ったら、ちょっと時間のある時にこんな“動力ユニット”を作っておくのも、「小っちゃいもの倶楽部」ならではの楽しみを広げてくれますね。

( ↓ 下の記事へつづく)

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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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