最近の与野党攻防に思う ~国会は議論の場・暴走を止めよ~

6月13日(火)

今国会の会期中に「テロ等準備罪=『共謀罪』あらため」を通したい与党。
それをなんとか阻止して廃案に追い込みたい野党との攻防が続いています。

森友問題が浮上して少し経った3月に書いたblogで、このようなスキャンダルで政権が揺るがされるとしたら、あまりにも政治レベルが低すぎる、と私は書きました。

しかし、その後の「教育勅語」に関する認識をはじめ閣議決定でなんでも決め、国会での審議も一方的に打ち切って「数の力」でなんでも通してくる政権与党の暴走を止めるには、たとえどんな小さなことでも政権に対する不正疑惑はきちんと追求して真相を明らかにしていかなくてはいけない、と思うようになりました。


疑わしきは明らかに!

籠池氏が爆弾発言ともいえる会見をし、その後国会で証言もしました。その証言内容に関して、与党は当初「偽証罪で訴える」と強気な構えでしたが、その後どうなったのでしょう?

森友問題はどこかへなりを潜めてしまいましたが、それに代わって浮上してきたのが加計学園に関する疑惑。「忖度」という言葉が今年の流行語になるのでは、というほど、政治のトップと私人とのつながりが問題になっています。

前川元文部事務次官による「総理の意向」と書かれた文書の存在が示されました。

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菅官房長官は当初「出所もわからない『怪文書』みたいなもの」と発言して問題にするに値しないといった見解を示しました。

しかし…、存在していたとされる文書に記載された人物が示されると、文科省は「同姓同名の者がいる」と答弁(笑)。
さらに、現役の文科省職員から、あの文書は実在していることを告発する声が複数。

そこで、自由党の森裕子議員から、迫真にせまる質問がぶつけられました。
「このままじゃいけないと、命がけで告発してるんです。部下を見捨てるんですか!」と。

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さらに、加計学園の建設が予定されている今治市の行政文書に、首相官邸に呼ばれて会見した記録が残っていることを指摘され、それに対する藤原豊内閣府審議官からの答えは…

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「自分が今治市の方々にお会いしたかどうかも含めて、確認できておりません」「自分がお会いしたかどうかについては記憶にありません」

…なんですか、それ!?

森裕子議員の手元には、付箋の付けられた資料(今治市の行政文書)が揃ってるようです。
この場におよんで誰を守ってるんですか? 醜いにもほどがあるでしょう!

1970年代のロッキード事件以来「記憶にない」は使いまわされてきましたが、最近は「確認できない」…いい加減にしてください!
記憶もあいまい、公式な記録もない、確認もできない…そんな状態で公職が務まるんですか!?

やましいことがないなら、疑惑に対してきちんと誠実に答え、必要ならば関係者の証人喚問にも応じ、すみやかに真実を国民の前に明らかにすべきです。

こんなごまかしと逃げで国会審議の時間を無駄にすべきではありません!


国会は国民のための議論をする場!

冒頭に書いたように、この一連の疑惑追及は、今国会でなにがなんでも「テロ等準備罪=『共謀罪』あらため」を通そうとする与党に対する、野党による必死の抵抗の一端。

しかし、疑惑追及に対してこんなふざけた答弁をしているようでは、もはや国会が「議論の場」として機能しているとは思えません。

法務大臣の問責決議案や、内閣不信任案…それらも、国会本会議で採決にかけられて、自民・公明らの与党による「数の力」であっさりと否決されることは明らかですが、国会会期中に残された時間を少しでも稼ぎたい「苦肉の策」、いわば非常ブレーキのようなものだと私は見ます。


与党側、および安倍政権を信頼する人たちの目には、野党がくだらない質問をして足を引っ張ってると映るのでしょうね。

ならばお伺いしたいのですが、もし本当に「凶悪なテロを防ぐこと」が目的だとしたら、今出されている「テロ等準備罪=共謀罪あらため」が本当に有効な法案と言えるのでしょうか?

質疑において、不明確な答弁を繰り返すあの審議をどう見るのでしょうか?

「テロを防ぐにはどうすべきか」という議論が国会できちんとなされ、この法案の定義・対象・有効性についてちゃんと納得できる説明がなされましたか?

国会は本来そういうことを議論すべき場、国民のためになる政策論を構築する場でしょう。それができず、なんでも「数の力」で押し通そうとするから、野党としても、国会運営の方法論と時間とをにらみながらさまざな手で阻止しようとしてるわけです。いわば国会が与野党の「かけひき」の場になってしまっていて、国民のための議論の場になっていないのです。


そもそも法案の目的は? 

「テロ等準備罪」が本当にテロの防止にどう役立つ法案なのか?、
この法案が国民の表現の自由・意思の自由を不当に侵害するものではないのか?、
この法案によって捜査の対象となる人・団体・行為はどうなのか?

…といった問題について、どこまできちんとした議論が交わされたといえるんでしょうか?

「花見に双眼鏡や地図をもっていけば準備にあたる」とか「山で山菜やタケノコを不法に採って売ればテロの資金源になる」…など、とうてい大人の議論、それも国会での法案にかかわる議論とは思えないような議論をしてきて、野党からだされるさまざまな質問には真正面から答えず…

誰がどう見ても、法案の是非をめぐる議論は全くなされていないに等しいのではないでしょうか?

→ テロ等準備罪 ~もし本当にテロ対策が目的なら?~

それを、「時間が経過した→審議は尽くした」などと言って採決に持ち込まれ、またしても「数の力」で通されてしまうとすれば、とんでもないことです。


◆「目的→法案(答え)」がすり替えられている!

それは一昨年の安保法制をめぐっても同じでした。

「国民の命と安全を守る」ことは当然大切です。でもそれがなぜ「集団的自衛権=他国のために戦える国にする」ことになるんでしょうか?

アジア等周辺の「脅威(=あの頃は中国、今は北朝鮮)」から国民を守るため?

もし「日本人の命と生活を守るため」の法案なら、まず今の憲法下における自衛隊の役割を精査し、緊急時に自衛隊がどこまでどのように機能できるかをきちんと議論しましたか?
大規模な災害時にヘリコプターを出すにも、いちいち国からの指示を待たずに都道府県からの要請レベルでも出動できるように…といった現行法の下でさまざまな運用規定の見直しで、自衛隊がより機動力を持てるか、そのためにどんな法整備が必要か?

そして、もし万一日本が攻撃を受けた場合の個別的自衛権でできる範囲を明確にした上で、それではどうしても無理な部分について集団的自衛権をどうとらえるか…といった議論にもっていくのが本来の順序でしょう。

そうした議論が国会でなされたようにはとうてい思えません。
そして、なぜいきなり集団的自衛権なのか? 「日本人の母子が乗ったアメリカの艦船が攻撃を受けたら」とか「となりの火事」を例に挙げたあんな稚拙な紙芝居で「丁寧な説明」と言えるんでしょうか?

実際には、南スーダンへの自衛隊の派遣、現地で行われていたのは「戦闘」ではないと言い続けて、日本の自衛隊の活動範囲を解釈いかんによってどこまでも広げるためのものだったのではないでしょうか?


暴走を止める

「日本を守るのは大切、政府の責任だ→安倍政権は正しい、行動力がある」と妄信している方たちも、こうした論理のすり替え・国会審議の在り方・採決に問題はないのか…についてどう思われるんでしょう?

私は今の自民党政権のやることなすことにやみくもに反対しているわけではなく、個々の政治家を罵倒するようなことも書きたくありません。しかし今の安倍政権のやり方は、あまりにも国民をないがしろにした強引なものだと思うのです。

国会をきちんとした審議の場にすること。
次々に出てくる疑惑に対して、面白おかしくスキャンダル的にあげつらうことが目的ではなく、たとえどんな小さなアリの一穴からでも「政治の不正」について追及すべきは徹底的に追及して、国民の前に「真実」を明らかにしてほしい、と願うまでです。

国民は政治の「かけひき」に興味があるんじゃありません。真実が知りたいのです!

疑惑追求に対しては姑息に逃げ、ごまかし、法案の審議はきちんとせず、むしろ審議を避けてさっさと決めてしまおうという風にさえ見えます。

冒頭に書いたように、本来は政策の中味を論じるべきですが、今の政権が数の力で暴走を続けるのであれば…

通常のブレーキが利かない暴走車を止めるには、サイドブレーキを引く・斜面に乗り上げる・壁に車体をこすりつける…手段はなんでもいいから、とにかく止めることが先決でしょう。

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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

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