デイホーム日誌(6) 脳が喜ぶ歌の会 第4回

4月15日(土) 

東京の桜も満開を過ぎました。
月の第三土曜日「脳が喜ぶ歌の会」4回目。世田谷のデイホーム野沢です。

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先週、雨上がりの月と夜桜、近くの緑道には菜の花…
今回は♪「おぼろ月夜」でスタートしようと決めました。

朧月夜イメージ1 朧月夜イメージ2
 


響きの色変わりを感じる

さて、今日の「脳が喜ぶ」テーマは、ちょっと難しいことにチャレンジしてみました。

ボードに書いた
  ラ→レ→ソ→ド→ファ→シ→ミ→ラ

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すべて5度下へ、5度下へ…と移っていきます。
「ラ」…ラソファミ…「レ」…レドシラ…「ソ」…と、はじめはゆっくり「階段」の音も一緒にピアノで弾きながら何回か歌っていただきます。

少し慣れてきたら階段部分の「ラソファミ」を入れる代わりに、基本の和音の上に「7」や「メジャー7」の隠し味を加えて…
ピアノで、Am・A7→Dm・Dm7→G・G7…とコードを響かせます。

ちょっと難しいかなと思ったんですが、さすがは歌好きな皆さん、いとも簡単にできていました。
これでベースとなる美味しいソースの出来上がり!
この上にメロディをトッピングします!

まずは…♪「枯葉」、フランシスレイの♪「白い恋人たち」、ペトロ&カプリシャスの♪「別れの朝」、竹内まりあの♪「駅」、来生たかおの♪「グッバイデイ」、韓国ドラマ♪「冬のソナタ」のテーマ…etc.

7色に変化して、8回目で元の響きに帰ってくる「7色の散歩道」。
この上に乗っかる曲はけっこう多いんです。

何回も繰り返していると、次の5度下の響きへ、なんとなく引っ張られて誘導されるような感覚がもてるようになります。 「5度の引力」ですね。

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↓ 私の手元ノートをちらっと公開

響きの色変わり20170415 ★クリックすると大きな画像でご覧になれます


◆クラシックから映画音楽、そして昭和の歌謡曲へ

響きの移ろいにからめてもうひとつ。
クラシックの名曲のコード進行(=響きの色変わり)が、じつは映画音楽や歌謡曲にも非常によく似た曲があるというお話し。

今日ご紹介したのは、ショパンのバラード1番

「戦場のピアニスト」という映画でもテーマとして使われました。最近では一昨年のフィギュアスケートで羽生結弦選手がフリーの演技で使った曲ですね。

その冒頭からさわり程度(ピアノ譜で1ページ分)弾いたあと、メインの響きの移ろいを見てみると…

Gm → Adim → D7 → Gm → A7 → D7 → Gm


映画音楽♪「黒いオルフェ」♪「夜霧のしのび逢い」などと非常によく似ています。



◆音楽はジャンルを超えて!

「私は歌・カラオケが大好きだけど、クラシックはちょっと…」とおっしゃる方もいれば、逆に「私はクラシックをやってきたんで、カラオケ・演歌はちょっと…」とおっしゃる方もいます。もったいないですね。

思うに、映画音楽はせいぜい2時間ほどの間に「男女の出会いと別れ」や「人生」が濃縮されて詰まっていますね。そこには色彩豊かなクラシック音楽の影響を受けた音楽が用いられることが多いように思います。

クラシック、映画音楽、ジャズ、歌謡曲…、いい音楽ははジャンルを超えていますね。


~休憩・ティータイム~


ここで、みなさんにクイズを出しました。

ショパンのバラードや映画音楽の響きの移り変わりにとてもよく似た、ある昭和の歌謡曲があるんですが、さてこの曲はなんでしょう?

ちょっと夜のムードで、響きの上でバラード風に右手を自由に遊ばせて…

♪「ウナセラディ東京」というザ・ピーナッツの名曲。

いまから約150年前にショパンが書いた「バラード」と、それからおよそ100年後(=今から50年ほど前)の映画音楽、さらに日本の昭和の歌謡曲がなぜこうも似ているのでしょうか…?


じつは私の生まれた1957年(昭和32年)という年に、テレビの本放送が始まっています。
当時のテレビはすべて「生」放送。今ほどスタジオもありませんし、番組制作が間に合わず、1日のうちで放送をやってない時間帯もありました。

「その時間帯にも何か流そうじゃないか」ということで、外国の映画がTVに変換されて放送されることも多かったように思います。
外国の映画が入ってくるということは、音楽も入ってきますね。それまでの日本の歌にはなかったような響きの変化に富んだ音楽がお茶の間に届くようになったのです。

そこで焦ったのが、日本の作曲家たちだった…はずです(たぶん)。
外国の曲、クラシックやジャズの曲にそのまま日本語の歌詞を付けた曲(例、ジョコンダ「時の踊り」→ザ・ピーナッツ「レモンのキッス」など)もありますが、オリジナルの曲でも映画音楽などの影響を大きく受けたものもあります。
ザ・ピーナッツの曲をたくさん書いた宮川泰さんもその一人だったのではないでしょうか?

戦後、とくに昭和30~40年代の歌謡曲全盛期には、恋心を歌った「大人のムード歌謡」が花開きます。
そこには色彩豊かな響きをもった、クラシックや映画音楽、外国のポップスなどさまざまなジャンルの音楽が融合していったのです。


◆昭和の歌謡曲

ティータイムの後は、いつものように昭和の懐かしい歌謡曲から。
まず、先ほどクイズに出した♪ウナセラディ東京(1964年 ザ・ピーナッツ)

1964(昭和39)年にヒットした名曲ですが、じつはその前年に「東京たそがれ」というタイトルで作られてるんです。あまり人気が出なかったようですが、イタリアのカンツォーネの女王・ミルバが来日したコンサートで、この曲を日本語で歌ってくださったそうで、「あの曲はなに?」「いい曲だな」…となり、宮川さんが少し手を加えて「ウナ・セラディ=ある一夜の物語」という意味の題名にしたところヒットした…とか。

前奏なしでいきなり歌い出すバージョンも多いのですが、昭和48年の「紅白歌合戦」では宮川泰さんご自身がタクトをとり、フルオーケストラにハープ5台を並べたちょっとゴージャスなアレンジのものがありましたので、ちょっとそのイメージを真似してみました。

次に、2月にお邪魔した時に何人かの方に希望の曲をお聞きしましたが、やはり人気の高かった裕次郎の歌から、♪ブランデーグラス(1977年 石原裕次郎)


こちらも私の手元ノートを公開!

ウナセラディ東京 ブランデーグラス
★クリックすると大きな画面になります


毎回新たにやる曲は、このように作曲・作詞・歌手、つくられた年、そして歌詞を横書きで打ったものを印刷してデイホームに事前にお渡しし、みなさんにコピー配布していただきます。
私は専用ノートに縮小したものを貼り込み、高さ(キイ)決め、コードを書き込んでおきます。
基本的に楽譜は書かずに、これでやってます。それでもなるべくオリジナルに近いイントロ・間奏・エンディングを心がけてます。

大人ムードの、短調で色彩豊かな曲が2曲続いたので、終わりは明るい曲で。
海外では「すきやきソング」として親しまれている…

♪上を向いて歩こう(1963年 坂本九)


最後は、私の歌会でのラストテーマとして定着しつつある…

♪見上げてごらん夜の星を(1963年 坂本九)


きょうのプログラム、考えてみれば「おぼろ月夜」に始まって、すべて「夜」に関係する歌ばかりでしたね。



職員の方から、「もう一曲なにかアンコールを」と言われてので…

国民的な映画・「男はつらいよ」の歌詞シートをお渡ししてみなさんにコピー配布していただきました。
寅さんが大好きというその職員の方に最初と最後の台詞ナレーションを入れていただくようお願いして…

いきなり振られたその職員の方も、寅さんがけっこうお気に入りのようなので、また時々やりましょう!

次回、5月20日(土)には、友人のケーナ奏者をお迎えします。
彼のオリジナル曲の中に、東日本大震災のチャリティでもよく歌われている「広い河の岸辺」という素敵な曲があり、デイホームの皆さんにも覚えていただけたらと思っています。

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ありがとうございました

とても楽しかった、なんていう単純な言葉では
勿体ないような素敵な時間が流れていましたね。
皆さんが次第に声が大きくなり
次第に表情が明るくなっていくのが
はっきりと判りました。
見学させて頂き、本当によかったです!

Re: ありがとうございました

こちらこそ、ありがとうございました。
会場内のみなさんのところを回られて、配布された歌詞のコピーのどこか分からない方に教えてくださったり、ご協力していただいてありがたかったです。
またお時間・ご都合がつく時にはいつでもいらっしゃってください。
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

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