デイホーム日誌(2) 脳が喜ぶ歌の会 2017.1.21

1月21日(土)

昨年12月に続いて、デイホーム野沢での「歌会」ボランティアに行ってきました。

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今回は「脳が喜ぶ歌の会」と題して、音楽と脳に関するお話し(前半20分)、お茶・休憩タイムをはさんで「冬」にちなんだ日本の歌曲を数曲、キイボードで伴奏させていただきました。

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「脳トレ」「あなたの脳年齢は?」といったキイワードがよく聞かれるようになって久しいです。若い人の間でも「脳の健康」に関心が高まっていることの表れではないでしょうか?

2020年には、65歳以上の5人にひとり、500万人を超える人が認知症になる危険があるともいわれています。
認知症に限らず若い人でも、同じような行動パターンの毎日を過ごしていると、いつ何があったか、先週の〇曜日に何を食べたか、日常業務でこれを出したのはいつだったか…といった記憶はあいまいになります。脳は必要のない情報は忘れていくという性質をもっているからです。それは決して異常なことではありません。でも、日々の生活の中で忘れていくようなことだけやっているとしたら、せっかくある脳のうち限られたほんの一部しか使っていないことになります。もったいないですね。

では音楽をやると脳はどうなるのか…?


音楽・歌は脳のすべてを使う

音楽を聴くだけでも脳は活性化されます。
「ドラーララーラシ♭ド~」というメロディを聴いて「あ、この曲知ってる!」と思う。なぜでしょう? 
音の高さ・長さの組み合わせで「見上げてごらん夜の星を」だと分かり、歌詞が口をついてできてきます。不思議ですね。

若いころ大好きだった曲を聴くと「懐かしい」と思い、その当時の記憶がよみがえってくる…
その人にとって特別な曲=パーソナルソングというのが、記憶を呼び覚ます鍵となり、施設でまったく口を利かなかった人が突然昔の思い出を語りだす…そんな奇跡が本当に起こるのです。
→ パーソナルソング

さらに、歌うという行為によって、呼吸を整え、発声し、音楽(伴奏)聞いて同じ音程の音を出し、リズムに乗り、歌詞(ことば)の意味を理解し、次の歌詞を引き出し…脳のあらゆる部分を使います。

下の画像を見てください。光トポグラフィという装置によって脳の血流を測定すると、安静時には真っ白だった脳の血流が、黙読や音読といった読書によって、また計算することによって、脳の一部に血流が起こっていることが分かります(青よりも赤い部分がより血流が活発になっている)。

脳の血流測定20170121

右下の「歌う」では、脳全体が真っ赤になっています。つまり脳全体に血流が活発になっていることを示しています。

なにかをしながら音楽を聴くことはできます。よほど集中したい時にあらゆる音が邪魔になることもありますが、勉強しながら、模型を作りながら、FMで音楽を聴くことはできます。勉強にはすべての脳を使っていないんですね(笑)

でも、音楽をやっているとき(=歌ってるとき、なにか楽器を演奏しているとき、ある音楽を集中して聴いているとき)に、まったく違う音楽を脇で聴きながらできますか?
無理でしょう。つまり音楽に取り組んでいる時は、脳のすべてをフルに使っているということです。

そこできょうの一つ目のキイワード
  ★ 音楽・歌は脳のすべてを使う → 脳が喜ぶ


◆手遊び歌

きのうは東京でも雪がちらつきました。
そこで、きょうは「雪やこんこん」の1番を歌いながら、

  *右手はげんこつでテーブルをとんとん
  *左手は手のひらでテーブルをすりすり

左右同時に動かし、曲の途中で(フレーズごとに)何回か、右手と左手を逆に!
職員スタッフさんにもご一緒にやっていただきました。

げんこつを上からたたく動きと、手のひらを前後に擦る動き…曲の1フレーズごとに左右を入れ替えるのですが、左右一緒に上下に動いてしまったり、げんこつですりすりしてしまったり…案外難しいのです。
とくにテーブルに手を触れないで空中でやると、テーブルに触れる感覚がなくなるのでいっそう難しくなります。


手や口の周辺には、感覚神経も運動神経もたくさん集中しています。
これはペンフィールドのマップと呼ばれるもの。脳からの運動神経が全身の部位とどうつながっているかを示したものです。手と口の周りが脳の中で占める割合がとても大きいことが分かります。


ペンフィールドのマップ

脳を操作盤(コントロールパネル)に喩えると、手や口の周りを細やかに動かすためのスイッチ類が多くのスペースを占めているわけです。

もしこのマップ上の身体部位をそのまま人の形に置き換えてみると、手と口まわりが異様に大きなこんな姿に…

ペンフィールドのフィギュア

歌うことで口の周りをよく動かし、さらに手の動きも加えることで、脳の広い範囲を使うことになるのです。


歌詞によって表情をつける

いくら脳が喜ぶといっても、まさかカラオケで歌いながら「左右の手を別々に動かす」なんてやりませんよね、ふつう(笑)
せいぜい歌詞の中で「あなたに」とか「私にとって」といった要所に振りを入れるぐらいでしょうか。

でも、手に限らず脳を喜ばせる方法があります。
歌詞の内容に合った顔の表情、発音をする ために、脳からの細やかな指令が出されるのです。

たとえば、きょうの歌の歌詞にもこんな単語が出てきます。

 *「朝日」「かがやく」など、きらきらと明るいイメージのことば
 *「ともしび」「幸せ」「ほほえみ」など、あたたかみのあることば

これらの「ことば」を、気持ちを込めて皆さん一緒に発声していただきました。
気持ちを込めるだけで「ことば」にも表情が豊かに現れるんですね!

そこできょうの2つ目のキイワード
 ★ 音楽を愛する上で最大の敵、それは「無表情」である!

カラオケでも、曲のイントロから歌い出しの雰囲気、歌い込む山場、ひとつひとつの歌詞の意味…そこをちょっと意識するだけで「聴かせる歌」になるのです。

きょう3つ目のキイワードは…
 ★ 脳が喜ぶことをしている人は、まわりの人も幸せ(happy)にする


きょうの歌

正月明けてすでに2週間、いまさら「お正月」ではありませんが、お正月にまつわる曲って案外ないんですね。
「♪もういくつ寝ると~」の「お正月」は、お正月を待ち望む12月の歌ですね。
しかも24日までは街じゅうクリスマス一色ですから、スーパーなどであの曲が流れる賞味期限は1週間しかないんです。
「♪年のはじめの ためしとて…」は「1月1日」、もっと賞味期限が短くてせいぜい3が日。
「たこたこ上がれ~」はありますが「コマの歌」はない…そう案外ないんですよ。

そこで、冬・雪にまつわる曲として歌詞本から選んだのは…

♪スキー…山はしろがね 朝日を浴びて 滑るスキーの…
♪冬景色…さ霧きゆる港江の 船に白き朝の霜…
♪雪の降る街を…雪の降る街を 〃  思い出だけが通り過ぎてゆく
♪冬の夜…ともしび近く衣縫う母は…

そして、私の歌会でのラストテーマ
♪「見上げてごらん夜の星を」


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例によって楽譜は書かず、どんなイントロを入れようかメモ程度におたまじゃくしを書く以外は、横書きの歌詞の下にコード名だけを記入。楽譜なしで演奏することにも慣れてきました。

次回は昭和の歌謡曲を考えています。

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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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