~音の誕生から、音階・和音へ~

11月1日(火)

またしても音楽寄りのやや専門的な話題ですので、興味のない方はスルーしてください。

楽理(音楽理論=いわゆる「楽典」)をまだきちんと学んだことがないけど、短期間(きわめて限られた時間)で、音程・音階・和音(コード)の基本的な原理について知りたい…

そんな方から相談を受けることも少なくありません。

いきなり理論書を開く前に、中学・高校で音楽の授業でも習ったはずの用語の確認と、よりグローバルに「音」に関する興味をもっていただくためのアウトラインとして、あらためて整理してみました。

音楽を専門とされている方、興味のある方、逆に音楽に関する知識はないけどこんな内容で興味をもてるかどうか…?ご意見をぜひコメント欄にいただけたら幸いです。


地上には音があった

宇宙には…「はじめに光があった」

地球上には「音」があった!(空気や水があって音は伝わる)

 生命が誕生する前から、風は吹き、水は流れ、音があった
 動物も虫も声を発する。人間も、声を発し、ものを使って音を出し…

ドレミ…も、ABC…も、イロハ…も、まだ音に名前もなかった時代から、
誰かが口にしたある高さの声、竹をある長さに切って吹いて出る「ある音」を楽しんでいた。


5度の音程は比率で決まる!…大発見!

紀元前の数学者ピタゴラスが、鍛冶屋の前を通ったとき、2人の打つハンマーの音が美しくハモっていた! そこでハンマーの重さを測った。

音程(=2つの音の間の距離)は「比率」で決まる
ことを発見!

今の科学でいうと、周波数が2:3=5度 ド~ソ、ラ~ミなど「完全5度」

正倉院に残る古代の琵琶、シルクロードを通って日本に伝えられた楽器およびその作り方の文献に、竹を切って、その長さの3分の2の長さの竹を…という図解が出てくる。500~700年代の日本に、すでに「5度の音程」は伝わっていた!

三味線はド・ソ・ド、沖縄の三線もド・ファ・ドまたはド・ソ・ド
3本の弦の上と下を同じ音(オクターブ)に合わせ、真ん中の弦は5度(ソは下のドから5度上、ファは上のドから5度下)で調弦。

イングランドのバグパイプのベース音もドとソ。
5度は人間にとって特別な響きのようです!


◆5度の関係でできた5音階(ペンタトニック)

「ある音」から、2:3の関係(=人間が聴いてきれいに調和して響く)で5度上の音を探し、その音からまたその5度上の音を探し…

まだその当時、音に名前はなかったと思うが、説明の便宜上「ある音=ド」と仮定して…

  ド→ソ→レ→ラ→ミ

今日の弦楽器の調弦と同じ!
 ヴァイオリン…ソ・レ・ラ・ミ、ビオラ・チェロ…ド・ソ・レ・ラ
  コントラバス…ミ・ラ・レ・ソ

★コントラバスはチェロの1オクターブ下に合わせるチューニングもありますが、オーケストラでは一般にミ・ラ・レ・ソ、バイオリンとは逆に5度下(=4度上)に合わせる。「反対の」という意味で「コントラ…」

5音階(=低い順に並べるとド・レ・ミ・ソ・ラ)は、どこを組み合わせて同時に鳴らしても「濁り」がない。
高さをずらせば、5つの黒鍵(=ファ♯・ソ♯・ラ♯・ド♯・レ♯)も5音階(ペンタトニック)。

  →ピアノの右ペダルを踏んで、黒鍵だけを自由に同時に鳴らしてみよう
  →世界にはさまざまな5音階(ペンタトニック)の楽器がある


7音へ

ミ→5度上の「シ」、ドから5度下の「ファ」が加わったことで、今日の「ドレミファソラシド」という白鍵の音が揃った!

しかし、それまでの5音階ではすべての音がどことどこを取っても調和していたが…

★ミ~ファ、シ~ドに「半音」という狭い関係が生じる(不協な響き)
★シ~ファの関係は、完全5度の美しい響きではない(減5度=中世は「悪魔の音程」として避けられ、和声学でも対位法でも禁じ手)


12音へ

シから完全5度上=ファ♯(ファから5度下=シ♭)…ここで黒鍵の世界に入る。
(もちろん当時は鍵盤楽器はまだないので、白鍵と黒鍵、半音と全音という概念もないが)

ファ♯→ド♯→ソ♯→レ♯→ラ♯
(ソ♭→ レ♭→ラ♭→ミ♭→シ♭)…
上と同じ音=「異名同音」

そして、ラ♯(=シ♭)から5度上は「ファ」、その5度上は「ド」
12回目で「元の音」に戻ってきた! …12音の誕生!

   →調性の話、5度時計の話
   →5度だけを基準にすると生じる歪み、純正率と平均律の話


そしていよいよ本題へ…


音階とは?

12のすべての音をただ並べても、音楽としての感情(明るい、暗いなど)は湧かない。

★12の音の中から7つの音を選手として選び出して並べたもの=音階

たとえば、7つの白鍵だけでできる音階
今日では明るい「ハ長調」と暗い「イ短調」=(並行調…後述)

おなじ7音のチームでも、打順が変わるとチーム全体の空気(モード)が変わる
=何の音から始めるかによって、半音(隣同士が他より狭い)のくる位置が変わる

階段の形=その「調べ」の雰囲気(=モード)

中世の6つの教会旋法(チャーチモード)

 ドからはじまるイオニア旋法(=今日の長調)
 レ  〃    ドリア旋法
 ミ  〃    フリギア旋法
 ファ 〃    リディア旋法
 ソ  〃    ミクソリディア旋法
 ラ  〃    エオリア旋法(=今日の短調)   

半音の来る位置(階段の段差が低い場所)が何番目と何番目の音の間に来るか?
「3-4,7-8」=3478、「2-3,5-6」=2356など4桁の数字で表すと…

数値が大きいほど明るく、数値が小さいほど暗く感じる(不思議)!
つまり、全音が続いて後寄りに半音が来ると明るく、早くに半音が来ると暗く感じる。


教会旋法の詳細はともかく…

同じ7音でも、どこから並べるかによって、半音の位置が変わり、階段の形が変わる。
階段の形が変わることで、明るい・暗い、といったモードが変わる 

ということをなんとなく理解していただいたところで…


長調と短調

♪長調=「3~4、7~8」の位置に半音が来ると、明るい長調に
♪短調=「2~3、5~6」の位置に半音が来ると、暗い短調に

何の音からはじめても、この階段の形になっていたら「長調」「短調」になる。
その形にするために、♯・♭(黒鍵)を用いて合わせる

調性=♯・♭の数

★「並行調」…長調の3度下には短調あり!

 同じ調整(♯・♭のつく数が同じ=7つの音の選手は同じメンバー)でできる長調と短調


◆和音(コード)

すべての音ごとに、メジャーコード、マイナーコード、7th、増3和音(オーギュメント)、減3和音(ディミニッシュ)…など、一覧表のようにして覚えようとするよりも…

ある調の7音の組み合わせでできる、7つの和音(だんご3兄弟×7本)を中心に覚えよう!


<ハ長調の場合>
  
7色コード譜



3つの明るい和音(1,4,5)と、3つの暗い和音(2,3,6)、
そしてちょっと変わった7番目のディミニッシュ

和音もこの7人のチームとしてとらえる

★真ん中の音が上に寄ってれば明るい長3和音に、
  真ん中の音を半音さげれば暗い短3和音(マイナーコード)になる
  
★明るい和音の一番上の音を半音上げると、増3和音(オーギュメント)になる

★明るい和音の下の音を半音上げる、または暗い和音の一番上の音を半音下げると減3和音(ディミニッシュ)になる

…といったバリエーションで、ほかの音にも応用して使って行くと実践的に早く覚えられる!

今年の夏のはじめに「音の小部屋 ブレーンストーミング」という記事に書いた内容の骨格を追ったものです。


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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

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