グッドマザー ~和太鼓奏者・友野龍士くんとお母さま~

9月29日

BSジャパンで、土曜日の朝8:00~8:31放送の「グッドマザー」

9月17日(土)・24日(土)の放送で、「コバケンとその仲間たちオーケストラ」の仲間でもある和太鼓奏者の友野龍士くんとお母さま・眞由美さんが紹介されました。

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9月24日(土)朝の放送時刻、ちょうど私たちオーケストラは富山でのコンサートに向けて出発しなくてはならない時刻でした。予約録画しておいたものを後日拝見しました。

よくありがちな番組制作側の過度な脚色による「感動ストーリー」に歪められることなく、ご本人の言葉を忠実によく構成されていて、ご本人をよく知る人が観ても「そうそう、その通り!」と思える内容でしたので、ここにご紹介させていただきます。


◆素晴らしいプロの和太鼓奏者・龍士くん

和太鼓のソロはもちろん、ジャズとのセッションなどあらゆる場面ですぐに「音」を覚え、どんな人とも音でつながれる…それが龍士くんの素晴らしさです。

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このブログを以前からご覧の方はよくご存じでしょうが、龍士くんは私たち「コバケンとその仲間たちオーケストラ」の仲間です。

2010年3月、NHK「こころコンサート」でスペシャルメンバーとして共演されたのがきっかけでした。
→ ♪「こころコンサート

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小林研一郎先生の「夏祭り」という曲で和太鼓のインプロビゼーション(ソロ)を担当されたほか、オーケストラの打楽器にも興味を持たれ、チャイコフスキーの「1812年」で大砲役をお願いしました。この曲の大砲の音は彼の和太鼓で演じています。
世界広しといえども、「1812年」の大砲を和太鼓で演じているのはこのオーケストラだけでしょう。

その世界で一つだけの誕生秘話についてはこちら…
→ ♪特殊楽器「和大砲」


才能の開花

少し知的障害のある龍士くんは、幼いときから木の棒などを叩いて音を出すのが好きだったそうです。その叩いているリズムが、祭りの太鼓のリズムであることに気づいたのがお母さまの眞由美さんでした。

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機会あるごとに龍士くんをお祭りに連れていかれ、龍士くんは太鼓のリズムをどんどん覚えていったと言います。

横浜で知的障害のある和太鼓のグループ「あらじん」でも友野くんはなくてなならない存在。私もその合わせ練習にお邪魔したことがあります。

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障がいがあることで「できないこと」「難しいこと」もたしかにあります。でも、それはいけないことでも悪いことでも恥ずかしいことでもない…

彼らの太鼓の音と素晴らしい笑顔に触れれば、誰でもきっと一瞬でそれを理解できるでしょう。


◆天職との出会い

養護学校に3年間通われた龍士くん。やがては仕事をみつけ、お給料をもらって生活していかなくてはいけないということを聞かされます。

龍士くんは、プロの和太鼓奏者の方々に会う度に「それって会社ですか?」と聞いて回ったそうです。
和太鼓奏者の多くは「会社の仕事」としてやってません。演奏活動の他にアルバイトをされている方もいらっしゃいます。

眞由美さん(大人)からは、会う人ごとに「それって会社ですか?」とか「いくらもらえるんですか?」なんて聞けませんが(笑)、龍士くんは平気でいろんな人に聞いて回ったそうですね。屈託のない明るい龍士くんならではのキャラです。

そんな龍士くんが、浅草にある「太鼓センター」と出会います!
そこは「会社」「仕事」なんです!しかも大好きな和太鼓の。「じゃ僕ここにします」と。

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商品としての楽器やバチについて指導を受けながら覚えていきますが、「太鼓センター」代表の東宗謙さんが、誰とでも一瞬でどんな音とも合わせられる彼の才能を見出され、明るく真面目な性格が認められ、晴れて龍士くんは「太鼓センター」で働くことになったのです。

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「太鼓センター」には、私たちオーケストラの公演で使用する和太鼓を貸していただくなど、いつも大変お世話になっています。


お母さん・眞由美さんの人生も変わった

龍士くんと向き合い支えることを通じて、眞由美さんに「福祉の世界で働きたい」という気持ちが目覚めます。

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いまは横浜市の二ツ橋地域ケアプラザでケアマネージャーとしても働いてらっしゃいます.。
クライアントであるお年寄りと個別に向き合い、身近に困っていることにもきめ細かく相談に乗り、他機関と連携してつなげていく大切なお仕事。

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お年寄りたちの不安が解消されて喜ぶ笑顔を見るのがなによりで、もっと前からこの仕事をやればよかった、と。


太鼓の楽しさを次世代に

眞由美さんは、龍士くんの母校・横浜市立馬場小学校(鶴見区)の和太鼓クラブを指導もされていらっしゃいます。

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ここでは健常者の子供たちばかりですが、龍士くんが自分の世界をつかんだ場所で、子どもたちにも太鼓の魅力を伝えていけたら。
子どもたち同士で助け合い、課題を見つけ乗り越えていく場面を少し離れて見守ることもあるといいます。

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龍士くんにとって、「祭り」は太鼓と出会った原点。
いまも地域の盆踊り大会には必ず参加されています。

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若い人たちにも太鼓の楽しさを伝えていけたら…おそらくそれは龍士くんにとってライフワークでしょう。


障がいがあることが 問題でなくなる社会へ

番組の終わりでの眞由美さんの言葉がとても印象的でした。

「小さい頃には たくさん問題があったし、心配事も たくさんあったんだけど、
暮らしていく中で本人の問題とすることって、環境が整うと問題じゃなくなってくるんじゃないかな って」

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「龍士の周囲にいる人たちの理解というか 関わる姿勢、そういったことで龍士自身が困ってる状態とか社会の中で困るようなことが どんどん削ぎ取られていくような…」


私もまさにそこが大切だと思います。それがまさに「ノーマライゼーション=当たり前であること」じゃないかと。

障がいがあることを特別視(→ある意味「差別」)するのではなく、本人にどういう特性があって、何に困っているのかを周りが理解し、気持ちをひとつにして支えあうこと。

ちょっとした想像力やさしさをもって「いっしょにやろうよ」と言えること。夢をあきらめないこと
まさに「音楽の力」は、それを体感させてくれる近道なんじゃないかと。

番組をご覧になられた方はどう思われたでしょうか?


<おことわり>

★このような形でブログでご紹介させていただくことについては、放送予定をご案内くださった友野さん、および番組制作サイドのご了解をいただいております。

★なお番組の最後に「提供」としてある団体名が出ますが、この「グッドマザー」という帯番組に提供されているためです。
友野さん親子は、その団体とはなんら関わりはありません。
こういうことを気にして一筆書かなくてはいけないことも悲しいことですが、素晴らしいものは素直に認め、違う立場の人も理解し助け合える世の中になったらいいと思います。

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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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