西荻窪のピンクのゾウ

9月15日(木)

ちょっと気になるものを求めて、途中下車の旅…

今回は、西荻窪の「ピンクのゾウ」を訪ねました。

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三鷹まで通勤するようになって3年ほど。いつも新宿から中央総武線を利用しているのですが、荻窪と吉祥寺の間にあって、なかなか途中下車する機会がないのが西荻窪。

中央線駅名

駅前の商店街にピンクのゾウがぶら下がっていて、年に一度お祭りの時には降りてくる、という話を最近聞いてちょっと気になっていました。

きょう思いのほか仕事が早く終わり、夕方予約を入れていた歯医者さんの時間まで、ぽっかり空いた時間を使って途中下車!



改札で駅員さんに「ピンクのゾウのある商店街は?」と尋ねると、意外にも若い駅員さんから「こちら南口です」と即答が返ってきました。え、そんなに有名なの…?

南口の正面に、昭和の香り漂ういい感じのアーケード街(=仲道街)があり、一歩足を踏み入れるとすぐにピンクのゾウが目に飛び込んできました!

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そうそう、これこれ!

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ピンクのゾウのルーツは?

でも、そもそも西荻窪でなぜ「ピンクのゾウ」なのか?
先ごろ亡くなった有名なゾウの「はな子」と何か関係があるのかな…?

★はな子…戦後初めて(1947年)日本にやってきて、今年(2016年)の5月26日、天寿を全うしたメスのアジアンゾウ。武蔵野市の「井の頭自然文化園」で飼育されていて、日本でもっとも飼育年数の長かったゾウです。

井の頭自然文化園といえば最寄り駅は吉祥寺、ここ西荻窪のすぐ隣です。
「はな子」が日本にやってきたことと何か由来でもあるのかな?、と思ったのがここを訪ねてみようと思ったきっかけです。



いかにも地元の主婦とおぼしき買い物客の何人かに「なぜここにピンクのゾウがいるんですか?」と尋ねたのですが、どなたもご存じなく、50m足らずのアーケード街を駅前まで行き来すること10分ほど。

スタート地点の駅南口を出てすぐ脇の花壇にもゾウを発見!

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こちらは、薮内左斗司さんという人が製作した「西荻窪の六童子」のひとつ。
ここ駅前の童子は「花の童子」とあります。

やはり西荻駅前といえば「ゾウ」、そして「はな子」の「花」なんでしょうか…?

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不動産屋さんのゆるキャラに

そして振り返ると、先ほどのアーケード街の入口にある不動産屋さんに、ピンクのゾウをあしらった団扇が何本も差してあり、ここ西荻窪のゆるキャラにもなっている様子。

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扉を開けて入ってみると…
女性のスタッフがひとり、お部屋探しの接客中にもかかわらずこちらに気づかれて「なんでしょうか?」と聞かれたので、
「すみません、ピンクの象のルーツについて、個人的にちょっと調べてまして…」。

★「個人的にちょっと調べてる」…便利な言い方でしょ?(笑)

カメラをもってメモを取りながら…でも公式の「取材」ではなく、あくまで「個人的」に。
決して怪しいものではなく、東京の歴史や文化について「ちょっと調べてる」…ウソではありません。

この言い方、じつは若いころから飛び込みで人になにか尋ねる時にちょくちょく使わせてもらってます。
たいてい皆さん怪しむことなく親切に教えてくださいます。


その不動産屋さん、このピンクの象をゆるキャラとして用いていて、広報用のホームページでも紹介されてるんですね。
天気のよい土日などにはこのピンクのゾウが中央線沿線に出没し、子どもたちに人気だそうです。


ピンクのゾウの誕生秘話

そこで、ピンクの象のルーツについて尋ねると…

この商店街の中にあった餃子屋さんのご主人が、子どもにも喜ばれるお神輿みたいなものとしてゾウがいいんじゃないかと考案し、たまたまあった赤いペンキと白いペンキ、どちらか一色では足りないので2色を混ぜたらピンクになったとか…

え!?…予想に反してなんともシンプルなエピソード。
でも、ほのぼのするいいお話しですね!



そこで再びアーケード街を奥に進むと、反対側の出口付近に餃子屋さんの看板が!
でもシャッターは閉まったままで、最近は営業してない様子。

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そこであきらめて引き返す足をちょっと止め、角のクリーニング屋さんをのぞいてみました。
こちらもけっこう昔から営業していそうな雰囲気で、年配のご主人の姿が見えたので、「すみません、ピンクのゾウについて個人的にちょっと調べてるんですが…」と、例の決まり文句で飛び込みました。

するとご主人はにこやかにいろいろとお話ししてくださいました。
受付カウンターのすぐ脇から、封筒に入った写真を取り出して見せてくださいました。

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いまからもう20年以上前に餃子屋さんのご主人が、お神輿のように練り歩けるものがあったらいいのに、でも本物のお神輿は高額だし、もっと子どもたちにも親しまれるもの、そうだ「ゾウ」を作ろう!、と思いたったそうです。

もしかすると、ご主人の頭のどこか片隅に、井之頭自然公園の人気者「はな子」のことがちらっと浮かんでいたのかもしれません。

そして世田谷に竹で骨組みを作って紙を張る職人さんがいると聞いて訪ね、「ねぶた」のような構造物を真似て作ったとか。

今ぶら下がっているのは当時の初代のものではなく二代目だそうです。

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封筒には、まだまだピンクのゾウに関連する写真がたくさん入ってました。
おそらく誰かに尋ねられたらいつでも見せられるように、仕事場のすぐわきに置かれているのでしょう。

やはり、恥ずかしがらず、臆することなく「ちょっと調べてるんですが…」で飛び込んでお話しを聴くのが正解ですね! 


遊び心、まちづくりの原点

餃子屋さんのご主人にしてみれば、自分の商売(=仕事)には直接関係ないこと。
でも地元の子どもたちが喜んでくれたら、街がにぎやかに楽しくなってくれたら…そんな思いを強く持たれたのでしょう。

これだけの大きさのものを作るには、それなりの技術も時間も相当かかったはずです。

いま風に言えば「地域の活性化」
でもはじめから、コスト・集客効果・採算…といった経済効果を考えるのではなく、とにかく子どもたちに喜んでもらいたい、お祭りを盛り上げたいという「本気の遊びの精神」こそまちづくりの原点であり、「豊かさ」、「幸せ」につながるような気がしてなりません。

餃子屋さんのご主人はもうご高齢になり、昨年からお店は閉めてしまったとか…
きっと餃子もおいしかったに違いありません…残念!

どうかいつまでもお元気で…



なるほど、こうしてピンクのゾウは西荻窪のシンボルとなり、駅前の不動産屋さんのゆるキャラとしてしっかり引き継がれていたんですね!

なんだか久しぶりにほのぼのとしたいいお話しに巡り逢えました。

★駅前の不動産屋さん、およびクリーニング屋さんには、写真とともにブログへの掲載をご了解いただいております。

★少し前に「アフガニスタンの音楽」に関するブログ記事を書きましたが、あの会場となっていたライブハウス「音や金時」さんも、ここ西荻窪駅(←反対側の北口)から徒歩5分ほどの場所です。


中秋の名月

ところで、日付変わってしまいましたが、中秋の名月が見られました。
東京はこのところ曇りで雨が降ったりやんだり…
夕方~夜にかけては雲の中でどんよりしか見えていなかったのですが、深夜0時を回って南の空を見上げたら…

中秋の名月・深夜0時過ぎ

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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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