パガニーニの主題による…

3月22日(火)


風邪で2~3日寝込んで、治りかけの時に、なぜかふと浮かぶ曲があるものです。今回はこの曲でした!

わずか2分40秒ほどの短い曲ながら、ピアノとオーケストラによる優雅で洗練された旋律は印象的で、これまで多くのCMでも用いられてきましたので、聴けばたいていお分かりになるのではないでしょうか?


パガニーニ & ラフマニノフ

ラフマニノフ作曲 『パガニーニの主題による狂詩曲』 から「第18変奏曲」




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  (48秒あたり~、オーケストラに再現するメロディライン)

この曲のベースとなったのは、ヴァイオリンの巨匠パガニーニによる『24の奇想曲』の「主題と変奏」です。

<♪ 音源>
パガニーニ『24の奇想曲』 ~主題と変奏~


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このパガニーニの主題をもとに、ピアノとオーケストラの曲にしたのがラフマニノフです。

ロシアの作曲家でありピアニストでもあったラフマニノフは、ロシア革命の混乱の最中に母国を離れ、アメリカ合衆国でピアニストとしての生活を送るようになります。彼はピアニストとしての名声を得ますが、演奏活動に多くの時間が割かれることとなりました。加えてロシアを離れたことで母国を喪失した思いも強くなり、想像力の枯渇を感じるなど作曲にはなかなか取り組めなかった…そんな中、1931年に夏の休暇を過ごすためにスイスのルツェルン湖畔に建てた別荘で1934年6月3日に作曲を開始し、同年8月18日に完成されたのが、この『パガニーニの主題による狂詩曲』でした。

<♪ 音源>
ラフマニノフ『パガニーニの主題による狂詩曲』


同じ主題をモチーフに色々と変化していきますが、もとのパガニーニの主題にも、ラフマニノフ作曲の「狂詩曲」でも、冒頭にご紹介した第18変奏奏になる(=16分あたり)まであの壮大なメロディラインはどこにも見当たりません。

<主題>
主題冒頭

これがなぜ?
あの第18変奏の、ゆったりとした美しいメロディはどこから…??

<第18変奏>
18変奏部分

冒頭の速いパッセージを、天地をひっくり返すように対称形にしてみると…
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ん?、よく分りませんか?
では実際の高さとはちょっと変えて、冒頭の速い部分を「レファミレラ」と見ると、それをひっくり返したのが「ラファソラレ」
反転

こんな音の並べ替えからあの美しい旋律が生まれ、いかにもラフマニノフらしいアレンジによって完成したのが「18変奏」だったのですね。

パガニーニのメロディに絡めて、もうひとつおまけ…


パガニーニ & リスト 「ラ・カンパネラ」

クラシック音楽は、バロック以降300年ほどの間に急速に発展しました。とくにヴァイオリンやピアノなどの楽器が今日のような完成された姿に近づくと、超絶技巧を競うような優れた演奏家が現れ、そのための曲も多く作曲されていきます。ヴァイオリンのサラサーテやパガニーニ、ピアノのリストやラフマニノフなどもその代表と言えるでしょう。

もともとヴァイオリンの曲として書かれた曲が、後にピアノの曲としてリライトされて名曲となるケースもあります。

リスト作曲 「ラ・カンパネラ」 もとても有名な曲のひとつ。遠くで鐘が鳴っているように、右手の小指を飛ばしてメロディラインを外さないように奏でなくてはならず、美しいけど難曲です。



でもこの曲、もとはパガニーニバイオリン協奏曲の第3楽章として書いていた曲なんです。
高さもリスト作曲の「ラ・カンパネラ」とは異なっています。

パガニーニ作曲 ヴァイオリン協奏曲2番 第3楽章

さらに、パガニーニの「ラ・カンパネラ」として(←ヴァイオリン協奏曲の3楽章としてではなく)、単独でピアノ伴奏によるヴァイオリンソロで演奏される機会もあります。

♪パガニーニ「ラ・カンパネラ」

さらに、この曲をビオラで演奏したバージョン(ホ短調)も!
Erika Gray Paganini La Campanella



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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

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