青ガエル さようなら

2月14日(日)


今年のバレンタインは、「虫」の話題ではなく「青ガエル」の話題です。
…って言われても、一般の方には「?」でしょうね。

はい、鉄道のお話しです。

きのう14日(日)、熊本で活躍していた元東急電鉄の5000系電車(=通称「青ガエル」)が最後の営業運転をして引退したのです。
地元の子どもたちや、全国から詰めかけたファンたちが別れを惜む様子がニュースでも取り上げられました。

東急時代

東急の5000系は、東京の東急電鉄が1950年代に生み出した、新鋭の電気系統を備えた新型車両で、まさに高度成長時代のシンボルのような存在。
当時流行していた「流線型」のモダンなデザインで、全体に丸みを帯び、正面に大きな2枚の窓をもつところから、「青ガエル」の愛称で親しまれました。

東横線、大井町線、池上線など東急各線で活躍して、引退後は地方の鉄道会社に譲渡されました。
熊本電気鉄道にも2両が譲渡されたほか、長野電鉄・松本電気鉄道・岳南鉄道・福島交通・上田交通など、全国各地で第二の人生を過ごしてきましたが、車両の老朽化にともなって姿を消し、ついにきのう(2016年2月14日)の熊本で最後の営業運転となったのです。

私は、模型を作ったり写真に収めるなど大の鉄道好きです。これまで、私にとって思い出のつまった車両や路線が姿を消していきましたが、最後のお別れ運転の時には現場に行かないことがほとんどでした。
全国の国鉄路線から蒸気機関車が完全に姿を消した時もそうでした。多くのファンがつめかけ、通勤電車並みにびっしりと乗客で埋まり、花輪をつけてもらって走る姿を見るとかえって悲しくなるし、それまで「現役」で活躍していた時とは表情もまったく違います。私はあえてそのような場には行かず、「現役」時代の姿を想いながら、静かに別れを告げてきました。


◆2006年 熊本での出会い

いまからちょうど10年前の9月、オーケストラの演奏旅行で熊本を訪れた時に、私はこのもと東急5000系と「再会」し、写真に収めていました。

台風が九州に上陸し、指揮者が途中足止めされて熊本入りできず、貴重なリハーサルが1日なくなってしまった思い出の演奏旅行(→コバケン先生との出会い 06熊本)。
私は遅めの夏休みを取っていて、台風上陸の前々日に熊本入りしていたのです。


懐かしい青ガエルの顔

東急時代には何両かの編成で運転されていたので、先頭車の運転台はこの「顔」のある側だけでした。
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熊本電気鉄道では、1両だけで往復運転を行うため、かつて連結面だった側にも運転台が設置されヘッドライトおよびテールランプも付けられています。

懐かしい車内! 
天井には旧式の扇風機が取り付けられ、つり革は東急時代のまま!

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ワンマン運転のため、車内に料金箱が置かれ、運転台には車内放送用のマイクが伸びています。

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車両基地にもお邪魔し、「5002」とも対面。
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熊本電気鉄道には、2両の青ガエルが譲渡されたようです。
本来の東急と同じ5000系として「5001」「5002」と命名されてますが、このナンバーは熊本でつけられたものでしょう。

本来の東急5000系の製造番号1号である「5001」は、現在渋谷駅前に置かれ、ハチ公とともに待ち合わせスポットとなっています(下回りははずされ、車体も途中でカットされて短くされています)

渋谷駅前


青ガエルの仲間たち

1950年代に誕生したこの5000系は、まさに私と同年代(少しこの電車の方が先輩です)。
幼かった頃、父の転勤先だった関西から夏休み・冬休みに東京のおばあちゃんの家(母の実家)に遊びに来ると、楽しみに乗っていた車両でした。この電車に迎えられると「東京に来たな」と実感したものです。

この年代生まれの車両には、当時国鉄でも流行っていた「流線型」の影響を受けたものが少なくありません。

国鉄が戦後開発した近代型の電車の草分けとして、1950年代に入って作られたのが、「湘南電車」の愛称で親しまれた80系という電車。
それまでの旧型の国電(国鉄の電車)から新世代へ、長距離輸送の主力が「電車」へと移る幕開けとなり、ビジネス特急「こだま」が誕生するさきがけとなった車両です。

国鉄80系

卵のような丸みを帯びた車体に正面2枚窓のスタイルの5000系とならんで、東急の路面電車の玉電(渋谷ー二子玉川、渋谷ー下高井戸=現在の世田谷線)の新型車両200系は「ぺこちゃん」「いもむし」の愛称で親しまれました。

玉電

この「ぺこちゃん」、現在、田園都市線・宮崎台駅にある「電車とバスの博物館」に1編成が保存されていて、車内のシートでくつろぐことができます。

電車にも個性が感じられた、古き良き時代の仲間たち。
熊本の5000系は、車庫に保存され、今後イベント時などには展示されるとのことです。


★まだテツな話題にお付き合いできる方は…

熊本電気鉄道には、かつて広島にいた車両で、原爆が投下された瞬間たまたまトンネル内に入っていて無傷だった車両も譲渡されています!
この内の1両が、車籍はないので本線は走れないものの、工場内では牽引に使われる状態で保存されていたので写真に収め、模型で再現しました。この記事内にも元東急5000系の紹介もしています。
火の国に譲渡された車両たち


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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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