「赤と白のバラ」の想い出(2000年の元旦)

早いもので、もう18年も前の話… 当時の懐かしい個人的な記録写真を公開させていただきます。

◆元日恒例の「ウィーンフィル ニューイヤーコンサート」

ウィーンの音楽の殿堂、学友協会のムジークフェラインで元日のお昼に行われるニューイヤーコンサートを生中継で受ける番組です。私も以前、この番組の美術担当として何年か関わらせていただいたのです。

こちらは2000年 元旦のスタジオセット
2000年ニューイヤー2
(コンパクトなフィルムカメラで撮影)

元旦から出勤ですが、朝からスタジオをセッティングしたら、本番は夜の19時~。スタジオ内でゲストトークの生収録が前後にありますが、ウィーンからの中継画像をモニターで観られる、音楽好きには天職のようなお仕事。

しかし、じつはこの年、ちょっとした忘れられないエピソードがあったんです。

前年の暮れに、ウィーンの会場ではどんな花が飾られるのかという情報が番組担当者から来るので、できれば中継を受ける東京のスタジオも同じ花で飾りたい…この時は赤と白のポインセチアだったんです。

ところが、花屋さんの業界では、クリスマスを過ぎると市場からいっさいがっさいポインセチアが消えてなくなるんです

 ★ウィーンからの情報が入ったのはクリスマスを過ぎてからでした。
  前に分かってたら花屋さんに発注して確保しておけたんでしょうが、そこは仕方ない。



◆あまりの商業主義に怒り!

そんなバカな! 自然界では2~3月ごろまで鑑賞できる植物ですよ。私は局内の花屋さんに思わず文句を言いました。「せめてスタジオ内のテーブルに並べる数鉢だけでもなんとかならないのか」と。しかし市場に聞いても、他の花屋さんに聞いても答えは同じ。わずか数鉢がどこにもない!

デパートでもどこでも、季節を先取りした商戦が盛んですが、あまりにも酷いと思いませんか?

正月明けると正月飾りは消えて早々に節分・まめまき、それが過ぎるとひな祭り、つぎは入学式、そして端午の節句…夏の海山の季節が過ぎると秋も早々にハロウィン、それが過ぎるとクリスマス…
どんどん季節を先取りして、売れ筋のものだけを並べる。過ぎたものは一切姿を消す。

たしかに季節外れの売れないものを年中店頭に並べておけとは言いません。しかし中には季節イベントに関係なく欲しい基本的なものだってあるでしょう。 

たとえば、正月飾りの松はなくなっても、松の盆栽がいっさい姿を消してどこでも手に入らなくなるでしょうか?、ひな祭りを過ぎたら、赤い毛氈が一切手に入らなくなるでしょうか?…etc.
デパートの店頭には並んでなくても、せめて注文したら手に入る状態であってしかるべきでは?

しかも、真冬にスイカを要求してるわけじゃない。自然界には春まであるはずのポインセチアが、クリスマスを過ぎたらわずか数鉢すら手に入らなくなる…あまりにも商業主義が過ぎるんじゃないか!?

 ★生産者と直接コネクションをもつ、という知恵が当時の私にはありませんでした。
 ★その季節に売れそうなものを売るだけ売って姿を消す…次の年にはもう同じものはない。
  モデルチェンジして部品もない、修理もきかない。また新しいものを買わせる…!


「売れないものを並べてもしょうがないじゃん。向こうは商売なんだから」…
はい~?(右京さん風に)、単に私が理不尽なクレイマーなんでしょうかね~?

…18年たった今でも正直私の中でくすぶっています(泣・笑)


バラの香りで埋め尽くされたスタジオ

たしかに文句だけ言って喧嘩別れで終わったのなら単なるクレイマーですね。
でも私は花屋さんに対して怒ったのではなく、あまりにも酷い市場の商業主義について怒ったのです。花屋さんも「たしかに」と同情的でした。
そして気を取り直して、その花屋さんに真っ赤なバラと真っ白なバラを大量に発注し、いいお仕事をしていただきました。

当時収録が行われていた「N響アワー」・「芸術劇場」共通のスタジオセットをそのまま使ったので、大道具を新規に作る予算はゼロ。番組美術にかけられる予算の大半を「バラの花」につぎ込んだのです!

2000年ニューイヤー1 2000年ニューイヤー3

元旦の朝からスタジオ内はバラの香りでいっぱい。
ただ、スタンドにかためて置くだけでは、まるでパチンコ屋さんの開店祝いみたいなので(笑)、適度にばらして、テーブルの上やセットにも少し並べ…

2000年ニューイヤー5 2000年ニューイヤー4

本番終了後、ゲストの方はもちろん、番組南東者や照明・カメラのスタッフさんたちも花を少しずつ紙に包んで持ち帰られました。災い転じてなんとやら、いいお正月になりました。 

以上、まだ髪もそれなりにあったころの18年前の私がお伝えしました。

プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
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