消費税増税法案…その本質は?

追記 6月30日


6月26日、消費税増税法案がついに衆議院で可決しました。
みなさんはどう受け止めておられるでしょうか?

街頭インタビューを見ていると、「これ以上消費税を上げられたら(自分は)ますます苦しくなるから絶対反対!」というご意見。
あるいは、「将来への財源がどうしても足りないなら、国民が公平に負担する消費税を上げるのはやむを得ないのかな…?」などと妙にもの分かりのいい(でも本質を分かっていない)発言…etc.

いずれも本質からちょっとずれてませんか!?

「消費税アップそのものに感情論で賛成か反対か」「自分が困るか困らないか」以前に、やはりここでも「本質はどこにあるのか?」、「民主主義って何なんだ?」というあたりにふつふつとした憤りを覚えます。


(以下、そのあたりの本質にご興味のある方だけお読みください)



結局なんだかんだ、消費税を上げる議論だけが先行!

自民党政権時代に菅直人氏らは、「逆さまにして鼻血も出なくなるまで徹底的に税金の無駄使いをなくす!それをやるまで、消費税を上げる議論はすべきではない!」とのたまっていたはずです。

その言葉を信じて、国民は民主党に政権交代を望んだのではないでしょうか?
それが政権をとってわずかの間に2代目の首相となった菅さんの口からぽろりと「自民党案も視野に入れつつ、消費税増税も検討する」などという言葉が出ました!騙された、という以前に正直あきれましたね。

税金の無駄使いを徹底的に見直すことが先にありきで、それでもどうしても足りないから消費税を上げる、というのが本筋のはず!

国民の生活第一を掲げる首相が、マニュフェストにひとことも書いてない消費税増税を成し遂げることに「命をかける」とおっしゃる。いったい日本の民主主義はどうなっているんでしょうか!?


◆「一体改革」という言葉は美しい。だが、明らかに順序が逆! まだまだ斬れる巨悪の無駄はある!

今のままの財政でさらに高齢化が進めば、年金・医療・社会保障は破たんする。それはそうでしょう。それは分かります。でも、そうならばまず真っ先にやらなくてはいけないことがあるはずです。

*無駄な公共事業をやめる!
*そのために特別会計を即刻廃止し、必要なところに予算を回せる一般会計にする!
*形骸化した公益法人を徹底的に見直し廃止する!
*天下り制度を完全になくす!

そしてなにより…

*国会議員の定数を大幅に減らす
*高すぎる議員報酬や諸手当・海外視察費などを見直し無駄を徹底的に切り捨てる!

文化・芸術・科学技術など、その価値も分からないまま数字だけで切り捨てる「仕分け」ではなく、本家本元の大規模な無駄にメスを入れるべきでしょう。

それをまず先にやった上で、「それでもどうしても財源がこれだけ足りないから、いついつまでに消費税を上げざるを得ません」と言うのが筋でしょう。

いまの「一体改革」は、まずはじめに増税ありきで、それを理解してもらうために「改革もちゃんとやりますから」という条件付きの口約束。 結局なにがなんでも増税だけはやる、そのために政治生命をかける、ということです。


弱者に厳しい消費税の逆進性は 「公平な税負担」ではない!

つぎに消費税はすべての国民(消費する人みな)に一律に税負担をお願いする制度で、一見「公平」に見えるかもしれません。でも、強い者ほど有利で、弱者に対しては死活問題にもなりかねない厳しい制度なのです。いわゆる「逆進性」があるということです。

自民党の竹下内閣が強行採決で消費税3%を可決成立させ、施行したのが1989年4月。
その当初から、消費税の逆進性については指摘されていました。
米や日常の衣料品など生活に欠かせない日用品にはかけない、あるいは税率を低くする、といったきめ細やかな配慮をすべきだとの議論もありました。

消費税が導入される前は「物品税」というのがあり、おもに贅沢品に対して10%の税金がかかっていたんです。例えばグランドピアノは一般には贅沢品とみなされ、銀座の高級クラブが買う場合には当然ながら10%の物品税がかけられました。
 でも勉強のためになくてはならい音大生が買う場合「免税価格」で買えたのです。つまり、その人にとって贅沢品か必需品かをきめ細かく判断し、弱い立場への配慮があったことになります。

ところが消費税になってからは、どんな人からも否が応でも一律に取られます。ほとんど収入のないボランティア活動をしている人が文房具を買うにも、後継者のいない伝統工芸を守ろうと若い職人が材料を買うにも、すべて一律に上乗せされて取られるのです。これが本当の意味での「平等」と言えるでしょうか…?

1消費者よりも事業主、それも小さな事業主よりも大きな事業主になるほど、つまり強い者ほど消費税は有利な制度で、弱い立場の人ほど厳しくこたえる制度。まさにトランプゲームの大貧民(大富豪)さながら、強いものはますます恵まれ、弱い者からはさらにむしりとられる社会を代表するような制度だと言っても過言ではありません。(以前「豊かさとは…?」のカテゴリに書いた記事を参照)。

そうした弱い人たちへの配慮も、一定の基準を満たさない人たちに対して一時的に手当を支給するなどきわめて小手先の対策だけ。根本的な税制の見直しはしないまま税率を引き上げる議論だけが先行しています。


反対票を投じたら「造反」なの?

これ、民主主義の大原則から考えて、どうしても不思議な表現です。
与党である民主党の議員は、何があっても絶対に党(トップ=首相)の決めた方針に賛成しなくてはいけないんでしょうか?

おなじ民主党内であっても野党であっても、議員はひとりひとりの意見として賛成・反対があって当然ではないでしょうか? 

国民(地元の支持者)の信頼を得て議員に当選させてもらっておいて、国民の声・期待を裏切ってでも大勢の流れ(=政治家の利権優先)に同意しないと「造反者」となるんですか?

投票でふたを開けてみたら、党内でも必ずしも全員が賛成していなかった、となれば、党のリーダーとして出したその法案が本当に正しかったのか、党員を納得させ一丸となって賛成してもらえるだけのリーダーシップがなかった、というだけのこと。

もともと日本には政党がたくさんある。ある党から立候補して当選しても、議員になってから党を離脱したり移籍したりということも当然のごとく行われています。もはや「党」としての絶対性などもともとないと思ってもよいのではないでしょか?

ならばなおさら、トップの考え方についていけないと思ったら反対票を投じることも当然。
それでも党としては一緒にやっていこうと思えばとどまればよし、考えを異にする人とは一緒にやっていけないと離れるのならばそれも仕方ないこと。 

与党にあって反対票を投じたら「造反」だ、「処分すべきだ」などといった議論が出てくること自体、民主主義の趣旨からみて私には不思議でなりません。
 
国を代表する民主主義の舞台でさえこの調子なのですから、まして民間企業やあらゆる組織、さらには子供の社会に至るまで、なんだかんだと「大勢に従え」「皆と同じ意見をもたなくてはいけない」…という価値観が蔓延する社会になってしまうのも無理ないですね!


いかなるテーマも政治のかけひき(国民不在)の材料に

震災以来の国会中継を見ていても、本当に国民のための議論にいったいどの程度エネルギーを使ってくれたと言えるのでしょうか?

最大野党となった自民党は、何かにつけて民主党を批判してことごく反対するばかり。
でも、今回の消費税増税法案に関しては、自民党はかねてからの懸案事項。政治家たちは今まで通り甘い汁を吸い、足りない分は真っ先に国民に押し付ける。その点では利害が一致したんですね。

そして衆議院での投票を終えて、反対に回った議員のことを「造反者」と呼び、処分するか離党させることを要求する。つまりそれは、民主党を分裂させ弱体化させたいから…。

結局いかなるテーマであっても、国民のための議論・本質的な議論は置き去りにされ、政党間のかけひきの出汁(だし)になっているとしか思えません。

消費税増税への道を確保することに命を懸けるのは結構です。とにかくこの法案だけを通過させさえずれば自分の政治生命は終わってもいい、ということでしょうか?

でもまたそれで解散総選挙して政権争いが展開し、またトップが入れ替わって1からやり直し…
年金・医療制度の改革、被災地の救済、原発問題など、国民のための議論・策はまたしてもおあずけになって先送り…でも法案さえ通ってくれれば「そんなの関係ねぇ!」なんでしょうか? 

まったく国会議員の皆さん、いったい誰のために政治家になられたんでしょうか?
そこがまさに「本質」ではないでしょうか?


<追記 6月30日>

フェイスブック上の「友達」で、ある区議会議員の方がいらっしゃいます。その方も常々まさに私が「豊かさとは…?」のカテゴリに書いてきたような内容のことを議場でも問題提起されています。

その方が最近の記事中で引用されていたのがこちら。
民主党のマニュフェストがその後どうなったか、の一覧です。

民主党マニュフェスト

町村信孝議員が特別委員会の質疑で用いたパネルです。
クリックすると大きな画像でご覧いただけます。

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プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

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