トライアングル

トライアングルを侮ってはいけません!

みなさん小学校から馴染みがある楽器ということもあって、オーケストラで打楽器メンバーが足りない時に他パートから「トライアングルぐらいだったら…」と手が上がりますが、みなさん実際にやってみると「とんでもない!」と気付かれます。

でも恐れることはありません。今いる某仲間オケでも、本業はピアノの先生という方がトライアングルにトライ(←流していいですよ)されています。
その方が地方公演で初めてのリハーサルに参加する朝、旅館で朝食の後で私がお部屋までお邪魔して、正しい持ち方、構え方、打ち方 を15分ほどレクチャーしたら、ちゃんと初日のリハーサルからいい音を出されてましたから。

楽器本体がくるくると回転してしまって叩きづらい、ということもよく聞きますが、問題は左手の持ち方なんです。
このブログを熱心にお読みいただいている方には特別にタダで教えちゃいますが…(笑)

人差し指と中指の2本が余裕で入るぐらいの長さのひも(テグス)を用意し、2本の指を水平方向に少し開くんです。そうするとあまり回転しないで落ちつきます。

よく本体に穴をあけて糸を通せるようにした楽器もありますが、金属棒の中で起こる神秘的な振動の波が壊されて音の伸びがなくなるので私は好みません。「なぜ共鳴体本体に穴なんかあけるんだ!」…許せない楽器のひとつです(笑)。

私が今もずっと愛用しているトライアングルはこちら!
大学を卒業する時にアラン・エーベルという楽器(米・フィラデルフィアの打楽器奏者アラン・エーベル氏が考案)を楽器屋さん経由でアメリカから船便で取り寄せてもらったんです。
今でも根強い人気のあるモデルで、とっても透明感があって存在感のある音が長く響きます。

1 




くるくる回らないためだけでなく、どうしても両手で叩かなくてはいけない音が要求されるとき、あるいは他の楽器とのかけ持ちで、楽器を持ちかえて構えるだけの時間的余裕がない時には、なんらかの形でトライアングルを何かに吊り下げて演奏することもあります。
大きな洗濯バサミみたいなもので譜面台にバチっと挟むグっズもありますが、どうもあの風貌がみっともないというか、トライアングルのデリカシーを視覚的に破壊されるようでどうしても好きになれません!

私はこんな風に切り込みを入れた木板を自作し、サスペンドなどのスタンドにネジ止めして使っています。

4
けっこう年季が入ってるでしょう?

5 


◆「たたく」 というより 「鳴らす」

さて、音の命はなんといっても「たたき方」です!
ワイングラスで乾杯するとき、普通はどうしても「カチカチン」と複数鳴ってしまいますね。あれを1発だけきれいに「ピーン」と鳴らすイメージです。ワイングラスでは難しいですが、トライアングルのバチでならできるはずです。

「たたこう」と思うより、当てて振動をあたえてやる。触れたらすぐ離す、というのがポイント。
熱いやかんにそっと指を触れてみて、触れた瞬間「あちっ!」と離すイメージにも近いんですが、その例えを言うと皆さんどうしてもおそるおそる叩こうとして空振りしてしまう…。

硬いものに硬いものが当たれば必ず跳ね返ります。その跳ね返りをキャッチしてやればいいんです。複数カチカチっと当たってしまうのは余計な力が加わってしまっている証拠。怖がらずにしっかり当てて、跳ね返りをちゃんと受け止める。バチの持ち方、手首の使い方…に秘訣がありそうです。



バチをギュッと握りしめるような持ち方ではNGです。間違いなく「カチカチっ」とぶつかるような音しか出ません。

鉛筆を上下にゆる~く振って「フニャフニャ」っと目の錯覚で見せる遊びがありましたが、あの持ち方に近いイメージ。
オール金属棒のバチだったら、重さのバランスで3分の1 ~ 4分の1の中間ぐらいのところに、上下に振ったときにいいバランスになるポイントがあるので探してみてください。そこを親指と人差し指の2本でやさしく挟みます。こんな感じです。

2
(左手ではシャッター切りづらかった!)

この状態でトライアングルをたたくわけですが、楽器のどのあたりに、バチのどのあたりを当てたら一番いい響きの音になるか…?色々とたたいてみてポイントを探してください。

バチの中心に近すぎる所を当てると変な振動が指にビリビリと返ってきます。逆にあまり先端すぎても駄目です。バチによってポイントは違いますが、だいたい先端から2~3cmあたりにツボがあります。

バチも単に「たたくための棒」ではなくて「楽器の一種」、バチの金属棒も一緒に「ピーン」と鳴っているようなイメージがもてたら最高ですね。

3 


楽器のどこをたたくか

1か所切れ目のあるトライアングルは、いわば音叉を三角形に変形させたようなもの
叩く場所によって、また叩く角度(=振動を与える向き)によって音は微妙に変化します。
音色だけでなく高低まで変わる楽器もあります。

上の写真のように、三角形の面に対して垂直に(真上から)当てるのと、目の高さにトライアングルを掲げて、三角面に対して水平に当てるのとでは、音色・音の高さが全く異なることがおわかりでしょう。

いずれにしても普通はトライアングルをぶら下げた状態で下の辺を叩きますが、場合によっては切れ目のない辺(=右斜めのライン)を外側からたたいてやると、やや硬くて澄んだ音がします。ただし遠くまで響かせる音にはあまりお薦めできません。楽器全体が充分に鳴りきらないからです。

同じ音色・同じ強さの音を何回も続けて打つ場面では、常に同じ場所を同じ強さで叩けるように、しっかり手に馴染ませて思い通りに鳴らせるようによく練習しましょう。
前もって鳴らしたい音のイメージをしっかり描き、思い描いた通りの音色・強さの音が出せたら理想ですね。


音のイメージを

私の中にある“ひとつの理想”ともいうべきトライアングルの音は、「モルダウ」に出てくるあの高くて澄んだ音です。先ほどご紹介したアラン・エーベルの音にほれ込んだのもそのイメージに近かったからです。

決しておそるおそるたたく恥じらいの「カチン」でも「チーン」でもなく、ましてビビりの「スカっ」なんて論外で(笑)、小さな一滴の露が朝日に煌めくような「ピーン」という響き! それを客席の一番後ろまで届けたい…!

リストのピアノ協奏曲もやはり澄んだ音色のトライアングルが大活躍する曲で、別名「トライアングル協奏曲」なんて呼ばれるぐらいです(←これホントの話し)。

でもいつもいつも「モルダウ」の一滴のような澄んだ音ばかりでは馴染まない曲・場面もあります。
たとえばベートーヴェンの「第九」の4楽章の中間部に出てくるマーチでは、やや濁りのある「ジーン」という音がいいようです。 そういう時は三角面に対して水平でも垂直でもなく、三角面に対して斜めにバチを当てるんです。違う方向の振動が混じり合うことで、先ほど比べたような2種類の音色が混じり合って「ジーン」という味のある音になります(←澄んだ音を求めている時はNGでも、場面によっては“味のある音”になるのが面白いですね)。

いつもいつもワインではなく、料理によっては濁り酒や焼酎が合うように、音楽も場面によって色んな音色がたたき分けられたらいいですね。

とにかく打楽器の中にも色々ありますが、金属に金属を直接当てて音を出すトライアングルやシンバルは、当て方・角度・強さによって音が千変万化し、二度と同じ音が出せないような…(笑)、とってもデリカシーを要求される奥の深い楽器だと思います。

でもけっして怖がらないで、小学生からお年寄りまで、ぜひ皆さん楽しみながらいい音にトライしてみてくださいね!
 
プロフィール

高木 章

Author:高木 章
アマチュアの打楽器奏者です。

某放送局関連に勤務しながら長年趣味で続けてきた音楽活動。あるご縁から、障がいのある方たちとも音楽を通じてのバリアフリーを、また東日本大震災以降は「がんばろう日本」…そんな活動を続けています。

単に自分が音楽が好きだから演奏したいだけでなく、「音楽の力」で「せめて自分にできることを」!

50代半ばにして勤め帰りに学校に通い「音楽療法」を学びました。

音楽寄りの話題、社会・時事に関する日常的なあれこれを徒然なるままに…
このすぐ下の「カテゴリ」から興味のあるテーマごとにクリックして覗いてみてください。
一部パスワードをご存じのメンバーの方のみ閲覧できるページを含みます。

カテゴリ
カウント開始 2011.1.14~
リンク
最新記事
最新コメント
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別アーカイブ
検索フォーム
QRコード
QR